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2008年10月17日17:00

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【オーディオ】欧米のPWMアンプ事情とDIY'erの指向 - 6

Tripathなき後、PWMアンプ用のICチップの動向はどうなのかというと、オーディオに使えそうで目星いものといえば、世界的に有名な半導体メーカーであるInternational Rectifier社(IR)がちょっと前にリリースしたこれ http://www.irf.com/product-info/datasheets/data/irs2092.pdf だろうか。

IRS2092はPWMアンプに必要となる4つのコンポーネント、即ち誤差アンプ、コンパレータ、パワーMOS-FETのゲートドライバ、保護回路をワンチップに載せていて、パッケージは小型16ピンSOPと取り回しも容易そうだ。これ一個でモノラルのハーフブリッジが構成できるという魅力的な石だ。また、スイッチング周波数は外部ピンから可変で最大800kHz、デッドタイムも外部からプリセット値の切り替えが可能で25ns、45ns、75n、105nsから選べる。ハイサイド・ドライバの耐圧は±100Vと非常に高く、高圧電源さえ用意できるなら大出力アンプが簡単に組めそうだ。

diyAudioでもIRS2092のスレッドが立っていてボードから自作している人がいる。http://www.diyaudio.com/forums/showthread.php?s=&threadid=130184 音質についての詳細な記述はまだ見られないようだが、悪いという声も聞かない。IR社はこの石を使った評価ボードを準備しているので手っ取り早く音を出すのは容易そうだ。http://www.irf.com/technical-info/refdesigns/audiokits.html 250W@4Ω/chのこのステレオ仕様のボードをBTLでフルブリッジ構成とすればモノラルのキロワッターとなる。

実は、今年の3月、雑誌・トランジスタ技術(トラ技)がこの石の特集を掲載した。どうもIRジャパンの本田潤という人物が仕掛人で、この人は「D級/ディジタル・アンプの設計と製作」という書籍も出版している。IRS2092が売れれば、当然、終段のパワーMOS-FETも自動的に売れるわけで、これには是非IR製をどうぞ! というプロモーションの一環なのだろう。このトラ技の回路をそのまま実装したキットはマルツ電波から販売されていてhttp://www.marutsu.co.jp/user/dampkikaku.php (現在は売り切れのようだが)、これを購入して初段に真空管を付けたハイブリッド・アンプ制作記事をHPに載せている猛者もいる。http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/DQamp/D9amp.htm DQamp/D9ampというネーミングが振るっている。

この石を使ったサードパーティのPWMアンプ・モジュールを探してみたが欧米ではまだ出ていないようだ。しかし、なんと日本国内でこれを使ったボードを出す会社があるようだ。http://www.linkman.jp/items/item1.html 電源電圧を控えめに設定しているため出力も小さいのだが、これを耐圧ギリギリまで上げてフルブリッジ構成にすると大出力アンプに早変わりする。

今後ゆとりができたらこの石でPWMアンプを作ってみたいと思っているが、なかなか時間がないのが実情だ。

(了)
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