OEHMSのユーロ輸入新譜からR.シュトラウスのドンファンとイタリア。例によってベルトラン・ド・ビリーとRSOウィーン。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2754057
リヒャルト・シュトラウス:
交響詩「ドン・ファン」 Op.20、
交響的幻想曲 ト長調 Op.16「イタリアより」
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)、ウィーン放送交響楽団
デ・ビリーはこのところ絶好調で、曲の解釈的にもツボを押さえた好演が多い。ロジェと一緒にやったガーシュイン+ラヴェルは素晴らしいアイディアと壮大なスケールを見せつける出来映えだったしローエングリン名場面集においては得意のオペラ・サポートはいまだ健在であるところを示した。そして何故この時期かは分からないがラディカルでクールなベートーヴェン・チクルス(一部)もなかなか現代的な味わいでよろしかった。
このドンファンは前衛的で写実的なRシュトラウスの佳作なのだが、ビリーの解釈はまさに的を射たもので色彩感が抜群、尚かつ彫りの深い写像が至るところで見られるというドラマティックなものだ。どろどろした部分も愉快な部分も包み隠さずストレートに描ききっている。
「イタリアより」は若きRシュトラウスがイタリア国内を旅行した際の風景を切り取った、これまた隠れた傑作なのだが、やはりデ・ビリーの躍動的にしてソリッドなリードが光る。風光明媚なこの曲の4楽章はあの有名なフニクリ・フニクラを主題とした変奏曲となっているのであるが、これがセッション録音としてはぎりぎりにハメを外した、つまり乗りに乗った愉快な演奏なのだ。
この爽快で色彩感溢れる曲を二つ並べたアルバムはとてもご機嫌な出来映えであった。
(録音評)
OEHMS Classicsレーベル、OC631、SACDハイブリッド。録音は2007年6月、2008年2月、ウィーンのORFオーストリア放送局ラディアクルトゥーアハウスとある。
昨今のLSOライブの高音質さにお株がとられている風情もあるのだが、この盤の音質も実は極めて優秀である。最初は薄口かと思われるのであるが何度か掛けているうちにスピーカーが馴染み、広大なサウンドステージに精細なオーケストレーションが出現する。
多少オフ気味のマイクアングルはエームズ独特のいつものパターンで二階席中央から俯瞰する構図は健在だ。しかもRシュトラウスという比較的大編成の絢爛豪華な音のパレットが余すところ無く捉えられている。オーディオ的にも愉悦感が味わえる一枚である。CDレイヤーの方は残響が少々後退した感じになるが、これはこれで優秀な音質である。
※夕刻外出のため明日の音楽日記は無し
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