昨日に引き続きSONY BMGの輸入新譜から(レーベルはRCAではなくSONY Classical)、話題の女流リサ・バティアシュヴィリが弾くシベリウスのVnコン。HMVサイトにある発売日は去年になっているがソニー・グループのHP
http://www.sonymusicshop.jp/detail.asp?goods=8869712936-2 では先月のリリースとある。ユーザ・レビューを見ると割と前の日付もあるため一旦は国内盤扱いで店頭に並んでいたのかも知れない。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2659033
Sibelius:Violinkonzert op.47
Lindberg:Violinkonzert
Lisa Batiashvili(Vn)
Sakari Oramo
Finnish RSO
シベリウスのVnコンと言えばオイストラフ、ハイフェッツが永らく耳に残る名演、そして前世紀後半ではクレーメルやチョン・キョンファ、ムターが記憶にある。
しかし、この曲、昨今では多くの女流が好んで弾いていて、ハーン、みどり、諏訪内、神尾真由子など枚挙にいとまがないほど。特に諏訪内の演奏が一部で絶賛されている様であるが、どうもストリング・シンセサイザが鳴っているみたいでピンと来ないでいた。
今回のCDの指揮は諏訪内と同じオラモ(オケは異なる)ということで、明らかに対抗意識を燃やした作品かと思ったのだが、全く違う完成度の演奏であった。
この不世出の名曲はあらゆる名手により解釈・演奏され尽くしているので今更ながら画期的な名演というのを期待すること自体無理があるのであるが、このグルジア出身のバティアシュヴィリという人の演奏はなんとも引き込まれるものがある。この冷涼にして寂寥感漂う一楽章の入り〜展開部はどうであろうか。すすり泣き、噎ぶ超絶的なダブルストップが冴え渡るのだが、これが実に巧く、そして酔えるのだ。続くアダージオのなんとも荘厳で堂々たるソロは見事。そしてフィナーレのアレグロを華麗で爽快なタッチで疾駆して行くスタイルは独特で、まさに荒涼たる北の大地を眼下に飛翔する感覚が脳裏に浮かぶ。
久し振りに素晴らしいシベVnコンを聴いた気がする。
(録音評)
SONY Classical(SONY BMG)、88697129362、通常CD。2006年、ヘルシンキのフィンランディア・ホールでの録音とある。
音質は典型的なSONY BMGのものでブリリアンスも艶もない渋い音だ。残響が多少の明るさを伴っているが恐らくこれはホールの固有音だろう。Vnの定位や直接/間接音のバランスは素晴らしく、擦過ノイズが割と多く含まれていて生々しいライブ録音らしいマイク・アングルと言える。オケの各パートの分離は今ひとつであるがCbの低音弦やティンパニの衝撃も克明でホールトーンも豊か、全体として地味ではあるが水準を超える出来映えだ。
但し、このCDも注意が必要で、友人宅で開かれたオフ会へ持ち込んだ際、そこの装置(SCD-1、自作プリ、eAR1001、DS-V9000)では風呂場のように残響過多、ディテールのはっきりしない靄の掛かった様な再生状態であった。もちろん我が家の装置では全く問題はない。
ログインしてコメントを確認・投稿する