RCOの夏の輸入新譜から、火の鳥1919年版と春祭のセット。
ストラヴィンスキー:
・バレエ「火の鳥」 組曲(1919年版)
・バレエ「春の祭典」
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
ヤンソンスRCOは以前に聴いたパトルーシュカでもなかなか良い出来映えだったが、この二つは更にノリノリでいけている。尚、今回のこれ二つでストラヴィンスキー三大バレエ音楽が早くも完成したこととなる。
前半の聴かせ所、カスチェイは迫力満点、凄いの一言なのだが、過度にドロドロに鳴らさず、さりとて押さえるところはちゃんとツボを押さえた名演だ。ヤンソンス独特の軽くうねるようなアゴーギクと穏やかなデュナーミクがバストマッチだ。
春祭も同じような流れで、ちょっと熱気を帯びたリードと共にRCOの美音が随所で炸裂する。第二部からテンポを少し速めてのアチェレランドが爽快だ。特にティンパニとグランカッサの打点がちょっと早めなためか疾駆感が楽しい、そしてドップリと引き込まれる出来だ。但し、ブーレーズの春祭のようなクールでストイックなソリッドさは期待しても無理。あくまでもヤンソンスの少し「緩い」解釈の美点を心ゆくまでしゃぶり尽くす趣向のアルバムなのである。
(録音評)
RCO Liveレーベル、RCO08002、SACDハイブリッド。録音時期は火の鳥:2007年6月7〜8日&12月14日、春祭:2006年11月15〜16日&2007年6月25日とある。場所は例によってアムステルダムのコンセルトへボウだ。
音質は例に漏れずPolyhymnia Internationalが繰り出す超高解像度系であって、今回は僅かに暖色系に振った鮮やかな音質、その他についてはいつもの出来映えと殆ど同じで大変優秀な録音だ。CDレイヤーとSACDレイヤーの音質差はとても少ない。トライアングルやシンバルと言ったパーカッションの肌触りに僅かな差異がある程度で、空間感もレンジ感もほぼ同等と言って良い。今回のこの盤では特にグランカッサの咆哮が極めて明瞭でリアル、出色の超低域が遺憾なく楽しめる。
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