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2008年05月07日14:32

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【音楽】Schoenberg, Sibelius: Vn-Con@Hahn, Salonen/Swedish RSO

DGの4月の新譜でユーロ輸入盤、ヒラリー・ハーンが弾くシェーンベルクとシベリウスのVnコン。身内の不幸があったり大型連休があったりしてなかなか書けなかったもの。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2678659

・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 op.47
・シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 op.36
 ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
 スウェーデン放送交響楽団
 エサ=ペッカ・サロネン(指揮)

シェーンベルグのVnコンは、彼の弟子アルバン・ベルクのVnコンと共に前衛的な作品に数えられるが、録音は数少ない。こういった現代作家の無調性の曲は難解で、不協和音や変拍子が不快だ、などと評され、避けられる傾向が強いからかもしれない。

しかし、その諧謔性と自由律特有の飛翔は、従来作品を鑑賞するための規範を一度取り払えばそれはそれで楽しいものであり、演奏者の主観や裁量が入り込む余地が大きい分、再現芸術としての幅は大きく拡がり、愉しみも拡がるものだ。

このシェーンベルグを聴いてハーンは成長したと思う。こぢんまりとした優等生的な枠を一切捨て去り、感性の赴くままに自由自在に跳ね回っている。また図太く持続する集中力も並外れたものがある。要は無調性の壁を超えてVnという楽器を蕩々と聴かせるのである。20世紀に活躍したVnのヴィルトゥオーゾ達に比較すると可哀相かもしれないが、それでもなかなかの変貌ぶりであって、例えばショスタコに見られたようなか細くまとまった矮小感は完全に払拭されている。これからが楽しみだ。

カップリングのシベリウスVnコンというと、記憶に新しいのは五嶋みどり/メータ/イスラエルというのがあったわけだが、その冷涼で離散的な解釈とは異なり、高い密度感と持続する集中力により極めて緊張度の高い異例の演奏となっている。ハーンはここでも図太い弦捌きを披露しており、なかなかに巧いソロと言えよう。シベリウスらしくない、という分析的なことはこの際言わない約束だ。

バックのオケとサロネンのリードはまずまずの好演と言って良い出来だろう。

(録音評)
DG、4777346、通常CD。録音は2007年5月(シベリウス)、9月(シェーンベルク)、場所はストックホルムとある。 音質は過去のハーンの録音中最高の出来だ。といってもDG臭い典型的な録音であって高域に乗る独特のブリリアンスは健在、サウンドステージの深さにも限界がある。ハーンのソロはオンマイクながら実体感を伴った割とリアルなもの、オケは各パートが煌びやかに浮き出る絢爛豪華な組み立て方。ま、思っていたよりも高音質と言ったところで過剰期待は禁物だろう。


※本日は夕刻から外出のため明日の音楽日記はスキップ
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