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2008年03月04日10:21

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【音楽】Couperin: Leçons de Ténèbres@Mellon, Kerkby

今日はBISの新譜でユーロ直輸入盤。クープランとド・ラランドのルソン・ド・テネブレという宗教曲。ルソン・ド・テネブレは一度聴いてみたかったがなかなか機会がなくて入手していなかったのだが、たまたま新譜コーナーにこれが並んでいた。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2665193

François Couperin
1. Première Leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint
2. Seconde Leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint
3. Troisième Leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saint

Michel-Richard de Lalande
4. Troisième Leçon de Ténèbres du Mercredy Saint
5. Troisième Leçon de Ténèbres du Vendredy Saint

Agnès Mellon, soprano
Emma Kirkby, soprano
Charles Medlam, bass viol
Terence Charlston, organ

ルソン・ド・テネブレとはカトリック暦で復活祭前の3日間、深夜から早朝に行なわれる聖務日課の中で、死んだキリストを哀悼するため旧約聖書の「エレミアの哀歌」を朗唱する時の音楽。ここに入っているクープラン、デ・ラランドの他シャルパンティエという人も作曲しているらしい。

このCDには第1テネブレから第3テネブレまでが収録されている。Première Leçon de Ténèbres pour le Mercredy Saintは聖水曜日のための第1ルソン・ド・テネブレと訳する。Seconde Leçon de Ténèbresは第2テネブレ、Troisième Leçon de Ténèbresは第3テネブレである。尚、Leçonとは英語で言えばLessonであり、ここでは聖務日課と訳している。

荘厳でもの哀しく、それでいて気品ある沈静感を伴った音楽だ。CD演奏が始まるとスピーカーの周囲は独特の雰囲気に包まれる。作風は闇間に漂う様なミサやレクイエムと異なるし、明度の高いカンタータとも異なる。ライナーに全歌詞が掲載されているので読みながら詩と旋律の両方を味わいたいもの。

ソプラノの二人は確かに上手だし、荘厳な室内オルガンと憂愁を湛えるバス・ド・ヴィオールの伴奏も良い雰囲気である。

特にアニエス・メローンという人の声はソプラノ声域であるにも拘わらず深く沈み込むような浸透力があり、歌詞の内容如何によらず聴き惚れてしまう。このメローンという人はドミニク・ヴィスという著名なカウンター・テナー歌手の奥さんだそうだ。

3トラック目だけは二人の重唱が楽しめるが、これは和声というより詩歌の掛け合いといった様相だ。他のトラックは全て独唱となる。

(録音評)
BISレーベル、BIS1575、通常CD。OEHMSとは一転して典型的なPCM録音だ。きりりとした隈取りの清楚な録音だ。小型の室内オルガンの低域が思った以上に下へ伸びているし、バス・ド・ヴィオールの最低域も思いのほか低いのだ。また、高域方向へのエクステンションは素直で嫌みが無く非常に透明だ。ホールエコーは広大で、深く静かに響く。

このCDの特徴は何と言ってもリアルな音像定位にある。ソプラノ歌手がバッフル間のちょっと後ろにすーっと立ってこちらを向いて歌う姿が見えるのだ。それだけではない。首を左右に振ったり、うつむき加減に歌ったり、身を捩ったりするところもはっきりと見えるのだ。声のビームが鋭く放射され、しかもその向きが絶えず変化しているのである。

現代PCM録音としては最高水準の出来映えといって良いし、BISレーベルの技術の高さを示す典型例だ。


※今晩は外出のため、明日の音楽日記はお休み。
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