アラウの二枚目だが、ショパンとシューマン、ベートーヴェンが入っている。
ショパン: 即興曲 第1番、第2番、第3番、第4番「幻想即興曲」
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化芝居 作品26
ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」の主題による15の変奏曲(エロイカ・ヴァリエーション)作品35
エロイカ・ヴァリエーションは初CD化だそうで、この盤の唯一のトピックらしい。これは何のことはない3番シンフォニー英雄の4楽章だ。第一主題を変奏曲にしたもの。で、出来は、何だかな〜・・・。
私から見たこの盤の真価はショパンの即興曲だ。自信に漲った、なんとも男性的で力強く硬質なショパンだ。硬質と言ってもポリーニのような冷たく張りつめた危うげな硬さではなく、実に骨格の太い豪快な硬さなのだ。運指は素早く正確で、高難度のスケールも軽々と弾き上げて行く。特に幻想〜は、ともするとショパン全般に対する固定観念、即ち、儚く、時に弱々しく、物憂げでやるせなく弾くという、なよとした解釈が多く見られるのだが、アラウは実に開放的に、さりとて適度にセンチメンタルに弾いている。時に強く、時には優しく元の旋律を大切に歌い上げている。
(録音評)
前のホロヴィッツはDGレーベルだったが、このアラウはフィリップス・レーベルだ。音は良くない。マスターが古いせいもあろうが、リマスタ技術が水準以下と言うべきだろう。ショパンの四曲はモノラル録音だと思っていたが、実はよく聴くと辛うじてステレオ収録らしい。つまりセパレーションが悪いだけであった。
スタインウェイのピアノは、まぁ普通はこんなものだろうという程度にはキャラクタを残しつつ録音されている。ちょっとバタ臭い音。ホロヴィッツの方の音質が素晴らしかったのでちょっと期待外れ。
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