以前に取り上げた21世紀最初にしてホルスト惑星の最高の名演奏であるラトルBPO盤の二枚目に入っている曲たちをジックリと聞き返した。
http://www.amazon.co.jp/0db0eb0b90c8%60d1f1fQa5s8bf1fNd804d-0e90c80eb0b50a40e20f3/dp/B000GALFPI
どれも歴とした現代音楽であり、無旋律で無拍子と考えて良い。一部旋律のようなものも現れるがシェーンベルクや武満と同種と考えれば間違いない。
これらは、ホルストの惑星が余りにも完成度が高かったが、ちょっと前まで話題となった冥王星が発見前であり収録がなかったこと、
また小惑星の中でも寸法が大きなものが見つかったりということで、これらをホルストの原典版のお尻に新たな曲として付け加えようとする試みと言える。
具体的には、サイモン・ラトルが4人の現代作曲家に委嘱してこれら4曲を作曲してもらい、BPOの定期演奏会で初演したという。マシューズの冥王星は1枚目のお尻、そしてこれら4曲は二枚目に収録と、惑星に追加した形にはなっていなくて独立した作品群と考えてよいだろう。さすがに作風が違いすぎるし、今となっては独立した構成としておいて正解だったのではないか。
小惑星4179:トータティス
割と大きめの小惑星トータティスを題材としている。カイヤ・サーリアホ作曲
オシリスに向かって
恒星HD 209458の惑星、オシリスを題材としている。マティアス・ピンチャー作曲
セレス
小惑星セレス(現在は矮惑星に分類されている)を題材としている。マーク=アンソニー・タネジ作曲。2006年の国際天文学連合総会において、この天体を惑星に分類しなおす提案がなされたことから特に話題になった。が、結果はご存知、却下である。
コマロフの墜落
宇宙からの帰還中に事故死したソ連の宇宙飛行士、ウラジミール・コマロフを題材としている。ブレット・ディーン作曲。とても怖くて悲しい曲だ。宇宙開発の過当競争の犠牲となったコマロフ大佐の冥福を祈りたい。また、コマロフが自らの死を賭して守ったとされる、ユーリー・ガガーリンというかつて名を馳せた宇宙飛行士がいたことも忘れてはならない。
ここが詳しい→
http://www.infobears.ne.jp/athome/cactus/ussrspace6.htm
(録音評)
今更であるが素晴らしいのひと言に尽きる。
ホルストの正統オーケストレーションとは趣が違って、漆黒の宇宙空間が眼前に拡がり、白日夢のような茫洋とした音色と演奏が陽炎のように立ち上る。BPOのちょっと冷たい、しかしダイナミックな楽器操縦術は流石と言わざるを得ない。それをスポイルするどころか倍加するような録音に仕上がっている。
写真は左からカイヤ・サーリアホ、マティアス・ピンチャー、マーク=アンソニー・タネジ
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