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2006年09月12日10:00

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【音楽】マラ1@ブーレーズCSO

久々にマーラー。最近は新譜も漁る暇が無く、古来より集まっていたCDを聴き返したりしている。というか、新譜を聴いている時間より聴き返しの時間の方が圧倒的に長い気がする。

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Gustav Mahler (1860 - 1911)
Symphony no 1 in D major "Titan"
Boulez, Pierre / Chicago Symphony Orchestra

今更この有名なマラ1を語ろうとは思わないし、また烏滸がましいだろう。

ブーレースのマーラー交響曲チクルスも残すは8番、未完までやるとすれば10番と言うことになる。マラ2〜3、さすらう若人の歌は連続してVPOを振っているのだが、これはそのちょっと前までの定番手兵CSOとの最後の交響曲録音だ。

1楽章の入りはブーレーズらしい静かで穏やかな中にも精密なテンポを刻んだ清潔な演奏。

2楽章は一転して清々しい飛翔を見せ、ブーレーズとしては珍しく伸び伸びと羽を伸ばし、強調感のないテンポ・ルバートを少し使っている。

3楽章の陰鬱で重厚な構築美は普段のブーレーズの真骨頂。まさに青白い炎(ほむら)がそこかしこで立ち登る。

4楽章は何故か冒頭からテンポ・ルバートを織り込んだ、ブーレーズとしては珍しい感情移入が見られるドラマティックな演奏。蒸留水のように澄みすぎて冷たいブーレーズの解釈に辟易している人でもこれなら十二分に聴けるのではないか?

ルバートだけではなく、小刻みで策略的なデュナーミクも巧妙に絡げた極彩色の解釈は彼の録音としては異例中の異例だと思う。しかし聴き手に最高水準の緊張感を強いるのは相変わらずである。あっけないフィナーレと同時にガックリとうなだれるほど疲労がでるのだ。

(録音評)
5/1998, Orchestra Hall, Chicago, Illinois

トーンマイスターはRainer Maillardである。DGの4Dシステムを駆使して紡ぎ出される音の金襴緞子は彼ならではのものがあり、恐らくブーレーズの耳を納得させられるのは彼のバランス感覚しかないのではないだろうか。

ここ数作続いたVPOシリーズに耳が慣れている場合、このCDは音が悪く聞こえるという欠点がある。しかし、VPOシリーズとCSOシリーズは同じRainer Maillardがバランスエンジニアを務める作品なのだ。

主な相違点はホールトーンの残響時間とブリリアントさ、そして弦楽器の艶と線の太さの違いだ。VPOシリーズはライブで豊か且つ明るく軽やか、CSOシリーズはデッドで仄暗く且つ渋く重厚である。

漆黒の深い空間の中央に位置するステージの奥、そこに陣取るブラス隊が右からテューバ、バストロンボーン、トロンボーン、トランペット、一段下がって左からホルン、そして木管隊が並んで見えればまずは合格。

ステージ最深部中央にティンパニ、その右にグランカッサ、対称左にシンバルというバックエンドが実に調和した働きを見せる録音である。ストコフスキー配置の弦セクションは渋くて重厚、正確無比の擦弦技術と操弓法は素晴らしい。
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