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2026年01月16日08:22

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大山誠一郎『密室蒐集家』(文春文庫)を読みました。

大山誠一郎『密室蒐集家』(文春文庫)を読みました。
著者は、ミステリ作家であり、京都大学ミステリ研究会のご出身です。短編ミステリの名手ですので、どこかのアンソロジーで短編作品を読んでいるミステリファンは少なくないと想像しています。
本書のタイトルの由来は、密室殺人事件が起きると、氏名不詳の「密室蒐集家」を名乗る主人公が警察に現れて捜査員や事件当事者から事情聴取し、密室の謎を解いて犯人を特定し、いつの間にか姿を消してしまうところから来ています。本作に収録されている6編は昭和初期から21世紀初頭まで時代も場所も異なる設定なのですが、主人公の人相風体は変わっておらず、その存在は捜査協力者として警察内部で伝説や噂として広まり受け継がれていて、中には、難事件に当たって密室蒐集家の登場を期待する刑事もいるほど、という設定です。
各短編のあらすじは、収録順にまず、「柳の園」では、昭和初期の京都にて、夜中の女学校に忍び込んだ生徒が、密室の音楽室で先生が銃撃される場面に遭遇します。その後は戦後のお話で、続いて、「少年と少女の密室」では、東京郊外を舞台に、高校生の男女が刑事の張込みにより人の出入りがないことが確認された密室状態の住宅で刺殺されます。続いて、「死者はなぜ落ちる」では、大阪を舞台に、女性画家の部屋を元彼が訪れた際に、偶然にも2人は密室の上階の部屋から落下する女性を目撃します。続いて、「理由ありの密室」では、通報により東京都北区にあるマンションで他殺死体が発見されたのですが、犯人と思われる通報者はなぜ通報したのか、また、なぜ密室にしたのかの謎に迫ります。続いて、「佳也子の屋根に雪ふりつむ」では、自殺を図って昏睡していた女性が面識のない女性医師に助けられますが、自殺未遂の女性が眠っている間に、雪密室の状態で医師が殺害されます。
いずれも切れ味鋭い真相解明なのですが、この作者らしく、誤認やなりすましによる謎解きがありますし、新本格派の牙城だった京都大学ミステリ研究会ご出身らしく、どうも動機にイマイチな部分がある短編が含まれていたりします。でも、ミステリとしての謎解きは一級品だと思います。
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