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2011年04月24日22:22

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【音楽】Zarzuelas-highlights@Domingo, Bayo, Pons, A.kraus Etc

これも昨秋、naiveからリリースされた盤で、ドミンゴたちが歌って2008年に話題となったサルスエラの6枚組ボックスからハイライトを抜粋して2枚組に仕立て直したもの。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3878874

Zarzuela (highlights)

<Disc One>
Emilio Arrieta (1823-1894):
 Marina
Tomás Breton (1850- 1925):
 La Verbena De La Paloma

<Disc Two>
Amadeo Vives (1871-1932):
 Bohemios
 Doña Francisquita

María Bayo (soprano), Plácido Domingo (tenor), Alfredo Kraus (tenor), Luis Lima (tenor) & Juan Pons (baritone)

Orquesta Sinfónica de Tenerife & Orquesta Sinfónica de Madrid, Antoni Ros Marbà & Víctor Pablo Pérez

<CD 1>
・エミリオ・アリエータ[1823-1894]:サルスエラ『マリーナ』
 マリア・バーヨ(ソプラノ)
 アルフレード・クラウス(テノール)
 フアン・ポンス(バリトン)
 テネリーフェ交響楽団
 ヴィクトル・パブロ・ペレス(指揮)

・トマス・ブレトン[1850-1923]:サルスエラ『ラ・パロマの前夜祭』
 プラシド・ドミンゴ(テノール)
 マリア・バーヨ(ソプラノ)
 マドリード交響楽団
 アントーニ・ロス=マルバ(指揮)

<CD 2>
・アマデオ・ビベス[1871-1932]:サルスエラ『ボヘミアン』
 マリア・バーヨ(ソプラノ)
 ルイス・リマ(テノール)、他
 ラグーナ・ポリフォニコ合唱団
 テネリーフェ交響楽団
 アントーニ・ロス=マルバ(指揮)

・アマデオ・ビベス:サルスエラ『ドニャ・フランシスキータ』
 アルフレード・クラウス(テノール)、他
 テネリーフェ交響楽団&合唱団
 アントーニ・ロス=マルバ(指揮)


サルスエラはスペインの国民的な小規模オペラの総称で、元来は神話から題材をとるものも多く書かれたが(=バロック・サルスエラと呼ぶ)、18世紀頃からは色恋ものを含む民衆音楽的な作品(=ロマンティック・サルスエラ)も書かれるようになった。この盤に収録されているのは19〜20世紀に巨匠とされる作家・・・最もポピュラーで著名な3人・・・エミリオ・アリエータ、トマス・ブレトン、アマデオ・ビベスにより書かれたサルスエラ作品だ。いずれもスペインの地方色を色濃く出した、つまり広大な土地の薫りと土着の民衆の息遣いが色濃く出た作品だ。他愛もない語り口のアリア、そして間奏曲がぎっしりと並んでいる。

前述の通り、この二枚組は2008年リリースのサルスエラ・ボックスセット(naive V5120)から集めたハイライトで、プラシード・ドミンゴがスペイン・オペラのビッグネームとされるオールスター・キャストを率いての録音となる。マリア・バーヨ、プラシード・ドミンゴ、およびアルフレード・クラウスを含む最も偉大とされるこのサルスエラの世界のインタプリタの何人かによって歌い紡がれた、最も出来の良いパートからの抜粋版なのだ。

録音のうち最も古いのは1998年と10年以上前のものだが、それでも、バーヨの歌声は魔術的・魅惑的、そして可愛らしい声でありながら超難度パートもものともせず歌い抜ける様子(=特に、CD2の8TRKなどに出現する鳥の囀りを模した辺り・・)は圧巻。ほかにもアルフレード・クラウスのスペイン情緒たっぷりのアリアが聴けるのも嬉しい限りで、もちろんドミンゴの力強い歌声もたっぷりと含まれている。

個人的には元々大規模オペラは不得意であり、コレクションにもオペラは殆どない。このサルスエラは各パートが短く、作品の規模的にはオペレッタに近いものがあるようで、これならば一曲か二曲であれば苦もなく聴けそう、ということで昨年末に買った盤なのだ。で、実際聴いてみると実に楽しいし、そこそこスリルもあって面白い。但し、ダイナミックでドラスティックなドイツ、或いはイタリアオペラのような絢爛豪華な重層感はなく、あくまでも軽いタッチで肩肘張らずにライトに楽しむ歌曲といったところだろう。


(録音評)
naive V5120、通常CD二枚組。ハイライト抜粋のためか、録音データは付記されていない。元々、サルスエラは20世紀中盤まではスペイン国内で良く上演されたそうだが、その後没落して忘れ去られてしまった事を危惧し、Fundation CAJA de MadridとAUVIDIS(naiveの部門レーベル)が協調して復興を促進するプロジェクトを開始している。今回の盤もその一環と捉えることが出来、本来であればダイジェスト版ではなく元の6枚組ボックスをじっくりと聴きたいところであるが、まずはこの二枚組で相性を確かめてからでも遅くはないだろう。

音質だが、ちょっと古い録音ではあるが非常にクリアでレンジが広く、かつ、ソリストの立ち位置や喉元が見え透くような三次元的な捉え方が印象的だ。クラウスが朗々と歌う端から前触れなくバーヨが囁くように入ってきたりしてギョっとさせられたりと、オーディオ的にも大いに楽しめる仕上がりとなっている。オケ自体は巨大編成ではないがグランカッサ、コンバスの極低音からシンバルやトライアングル等が受け持つ高音まで満遍なく収録されており、かつ見晴らしもディテールも素晴らしい。オーディオ版3D描写とも言えるこのCDは、装置の空間再現力を計測するにはもってこいだ。


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