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2010年12月11日22:54

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【音楽】Chabrier: Pièces pour Piano@Emmanuel Strosser

MIRAREの秋の新譜で、シュトロッセが弾くシャブリエのピアノ作品。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3886124

・シャブリエ
10の絵画風小品
即興曲ハ長調
5つの遺作
幻想的なブレー

・ラヴェル
シャブリエ風に

エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ)

シャブリエという作曲家は馴染みがなくて、デディケートのアルバムで買うのは初めて。時代背景的にはフォーレと同時代を生きた人で、ドビュッシーやラヴェルらの規範として大いに影響を与えた作風だったとされている。但し、シャブリエは役人としてのキャリアをずっと積んでいて、作曲活動に専念できたのが39歳以降13年ほどであったため作品数はかなり少なく、彼の作品を録音で聴くこともコンサート/リサイタルで聴くことも機会はそれ程多くはないだろう。

まさに印象派絵画を眺めるような色彩感、そして独特の筆致、硬軟の使い分けが鮮やかなパースペクティブが特徴となる、いかにもフランス印象楽派と言える素晴らしい作品たちである。当然、フォーレの醸す飛翔感や諧謔性などは既に随所に獲得されている。勿論のこと、ラベルにもドビュッシーにも、そして直接の連関はないにせよフランク、サティらの作風の源流と言える不協和音型の独特の旋律展開と和声構成法が確立されているのである。

とても素敵な曲たちは、どのトラックも珠玉の出来映えであるが、シュトロッセの詩心の秀逸さも素晴らしくて、どちらかというとジャズ的、高邁ではない忌憚のない「乗り」の良さで全編が貫かれている。

特筆すべきは Dix piéces pittoresques=「10の絵画風小品」の第7曲、Dance villageoiseの求道的で早足の構築美、そしてCinq piéces postthumes=「5つの遺作」の第2曲Aubade=朝の歌 のなんともたゆたう不可思議な旋律和声の絡み合いが幽玄の世界を演出している。

シャブリエの演奏を複数奏者間で比較試聴したことはないので、ここでのシュトロッセの演奏が「シャブリエ弾き」として順当な出来映えなのか否かの断は下せないのではあるが、とにかく巧いの一言だ。

(録音評)
MIRAREレーベル、MIR116、通常CD。録音は2009年11月、場所は例によってリモーザン県(リモージュ)のLa Ferme de Villefavardのルミエール。とても美しく、そしてちょっと硬質で細身の捉え方をした録音で、いつものVillefavardの音とはちょっと違う。ケフェレックの最新録音に通ずる静謐で透明な音であるが、更にソリッドさも加わった、MIRAREとしては意欲的前衛サウンドだ。いやはや綺麗なピアノである。恐らく、備え付けのベヒシュタインではなくて新しめのスタインウェイを持ち込んで録ったものだろう。


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