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2006年06月06日10:11

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【音楽】ボッシュ交響楽団 2

さて、演奏の方だが、これははっきり言って巧かった。但し大都市に本拠を構えるメジャーオケの持つ手慣れて馴れきった巧さではなく素朴で手抜きのない非常に丁寧な巧さである。一生懸命な分、派手で華美なヴィルトゥオージティは無い物の、好感度はグッと高い。

そうそう、このオケはアマオケというより欧州小都市のプロオケの雰囲気に非常に近い。例えばバンベルク交響楽団などに似ている。楽器はかなり程度の良い物を会社が貸与しているものと思われ、弦の響きは極上に近い物がある。日本のアマオケは楽器がよくないので音色自体はあまり浸透しないのだがこのオケは別。ブラスセクションの音色も真鍮の音がする昔懐かしい物で恐らくはヴィンテージ楽器だ。

アマオケ特有の「破綻」に対する懸念はマイスタージンガーの最初の一小節で払拭された。聴衆として破綻に身構える必要は全くなかった。技巧的には世界の超一流といわれるオケとは隔たりはあるのだろうがそれは殆ど感じなかった。

白眉はグリーグPコンであった。一楽章、短いティンパニのトレモロに続き、すぐに最初のカデンツァが日比谷公会堂の広くはない空間に飛翔する。その剛直で開放的な腕の打ち落としに感心している暇もなく、だいぶん遅いテンポで、オケは慎重に第一主題を刻み始める・・・。

ソリストの社員君(男性)は巧い。難曲とされるこのソロパートを完全に自分の物として取り込んで確固たる自分の曲想を得ている。また、スタインウェイを完全にコントロール下に置く豪腕の持ち主でもあり、またピアニシモでの繊細な歌い込みも完璧だ。ミスタッチがあったとか無かったとか、そんなレベルの話しではない。

驚愕のパフォーマンスを見せつけるオケとソリスト君に耳も目も奪われっぱなしのうちに第一楽章はパタリと終わった。その瞬間、どよめきと小さな拍手が起きる(ホントに感動した時にざわめきから起きる確信犯なのか初心者が2〜4楽章が残されていることを忘れて拍手したのかは分からないが・・)

この希有の、比類無き美しさを湛えたグリーグPコンを、アマオケがここまでやるのか・・・、という驚きと満足感に包まれたフィナーレであった。鳴りやまない拍手の中、ソリスト君はアンコールを一曲弾いた(知らない不思議な曲だった。作風からいうとスカルラッティっぽいかな?)。

休憩のあと、ピアノが取り払われたステージにほぼ全員が乗りブラ1が演奏された。割と長大で複雑な構築美を見せるこの曲を最後までダレる事無く弾ききった。四楽章の例の!歓喜に寄せて”に酷似した部分にはドイツの粋を感じた(行ったこと無いけどね・・・(^^ゞ)。

演奏全体はドイツ人らしいカッチリとした清潔な解釈が随所に見られ、最初にも述べたが好感度の高い物だ。何と言えばいいだろうか・・・、レガートはあくまでレガート、またスラーはスラーには違いがないのだが、多少スタッカートの入ったレガート、スラーと言っておこうか・・・(^_^)(^_^)、この雰囲気、分かるかな?

いずれにせよドイツの企業内アマオケのレベルが高いと言うことは十分に分かった。また、国民性というか何というか、日本のアマオケのレベルと入れ込み方とは少々熱気が違うようだった。
(了)
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