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2010年02月14日11:45

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【音楽】Tchaikovsky: Sym#5@Jansons/BRSO

バイエルン放送の自主制作レーベルであるBR KLASSIKから年末にリリースされた初回限定プレス盤で、ヤンソンス/バイエルン放送響のチャイ5。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3698278

・チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64
 バイエルン放送交響楽団
 マリス・ヤンソンス(指揮)

ここのレーベルは矢継ぎ早に意欲作をリリースし続けているが、これはその中の一枚。ヤンソンスと言えば手許に多くあるのはRCO Live!のSACDハイブリッドたちだが、こことのゴージャスで重量級の演奏と、BRSOとの演奏ではプレゼンスが大いに違う。後者は引き締まった筋肉質の演奏であり非常にクールな内容となっている。

オケは一級、いや、現代を代表する超一級の楽団の一つだと個人的には思っているし、音も技巧も超高性能を誇るのだ。そういった地味ながら基本性能が抜群の彼らをドライブするヤンソンスの慧眼には快哉を送りたいほどの好バトンといえる。

チャイ5や6は時代変遷とともに演奏スタイルが変化している交響曲の一分野で、ムラヴィンスキーやその後のロジェヴェンなどに見られたロシア大地に悠久の時を刻む如くの情感表出を全面に押し出した重厚長大型解釈から、この頃においてはマッシヴでドライ、そして鋭敏な譜読みとリードへと、主流の演奏スタイルは舵を切ったという印象。

しかし、このヤンソンス/BRSOは、以前の古き良き時代のチャイ5の演奏スタイルへと復古したかの情感溢れる力強い解釈だ。しかも現代におけるクールな解釈とハイスピードなディテールを慮るという点にも抜かりなく、本来のチャイのシンフォニーはかくあるべきというメランコリック基調のフレーバーをしっかりと入れ込んでバランスさせている点においては流石と言わざるを得ない。

最終楽章冒頭からコーダへ向かう少々長い道のりなのだが、ここにヤンソンスの仕組んだいくつもの「泣かせポイント」が潜んでおり飽きることのない大パノラマが眼前に現出する。

(録音評)
BR KLASSIKレーベル、900104、通常CD。今まではSACDハイブリッドによるリリースで全シリーズがそうかと思っていたのだが、これは何故か通常CDだ。録音は2009年10月9日、場所は例によってミュンヘン・ガスタイクのフィルハーモニーにて。

音質はドライで少々細身のオケが冷涼、深く引き締まってコンパクトなサウンドステージ展開など、殆どのディメンションで高評価が付けられる素晴らしいもの。DSD録音/SACDに特有の空気感や面描写特性がこの何の変哲もない普通のCD-DAで得られているというのは俄に信じられない。演奏は素晴らしいのであるが音質自体もまた素晴らしいCDなのだ。これは嵌る。


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