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2010年02月07日12:53

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【音楽】Bartok: P-Con,Vn-Con,Va-Con@Boulez/LSO/BPO,Kremer,Bashmet,Aimard Etc.

つい先日には昨年度のグラミー賞各部門ウィナーも発表され、MusicArenaで予測した盤も数多くノミネートされていたし、ウィナーも予測通りの盤が獲得した。という情勢なのにこちらのCD評は遅々としていっこうに進まず、少し巻いて行かなければ昨年度購入分の消化は難しくアワードの選定にも入れない・・。

そんななか、何故か今回は一昨年夏リリースのDG輸入盤で、ブーレーズお得意のバルトークのコンチェルト集。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2754704

ブーレーズ/バルトーク:協奏曲集

バルトーク:
・2台のピアノ、打楽器と管弦楽のための協奏曲
 ピエール=ロラン・エマール(ピアノ)
 タマラ・ステファノヴィチ(ピアノ)
 ニール・パーシー(パーカッション)
 ナイジェル・トーマス(ティンパニ&パーカッション)
 ロンドン交響楽団
 録音:2008年5月、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ

・ヴァイオリン協奏曲第1番 遺作 Sz.36
 ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:2004年3月、ベルリン、フィルハーモニー

・ヴィオラ協奏曲 遺作 Sz.120(シェルイ・ティボールによる補筆完成版)
 ユーリ・バシュメット(ヴィオラ)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:2004年3月、ベルリン、フィルハーモニー

 ピエール・ブーレーズ(指揮)

ユニバーサルのプレス・リリースによれば「鉄壁の布陣」により実現したオールスター・ソリストの競演による贅沢な内容だ。

エマールは過去にピアノ版フーガの技法 http://musicarena.exblog.jp/9556852 などのリリースもあったが、こうやって聴いてみると、この人はやはりバルトークや更に新しい時代の現代音楽系統に向くピアニズムを備えた人物であることがよく分かる。エマールは研ぎ澄まされた鋭い音型が特徴。またステファノヴィチはクールで落ち着いた、それでいて精巧な音型が特徴。オケの隙間を縫ってただでさえ音数の多い二台のピアノが狂気乱舞するという格好は聴いていて手に汗握る展開。随所で飛散するバルトーク特有の音階と不安定で夢遊する不完全な和声が余すところなく克明に描かれるのはブーレーズの美学だ。これはかつて大ヒットとなったP-Con集 http://musicarena.exblog.jp/7392594 のまとめ方に似ている。

クレーメルは例によってこのジャンルはお得意で、これまた鋭利なVnを操り呪術的な音を放散している。かと思えば対旋律とも伴奏ともつかないようなパートではしゃがれた老人の呟きのような音をクレーメルは老獪な弦捌きでもって表現しておりなかなかに幅広なエレメントを披露しているのである。

意外だったのはバシュメットの解釈で、質実剛健にして正統的な演奏スタイルだとばかり思っていた演奏家ではあるが、よい意味で期待を裏切られた。奔放で多彩、そして気まぐれで図太いVaを朗々と弾いておりこれには少々面食らった。結果的には勿論、このVaコンは大成功であり、おどろおどろしくも儚い夢のようなバルトークの神髄が確かにそこにある。

(録音評)
DG 4777440、通常CD、録音場所と日時は上に書いた通り。トーンマイスターはRainer Maillardで出来映えはDGとしては極めて良好の部類に入る。レーベル特有の味の素を振り掛けたような甘ったるくて華美な音調は影を潜めており、逆に高域のディテール・プレゼンスを抑圧しすぎという感じだ。広く深く展開する音場空間の整理も配置も良好であり、この出来ならばHarmonia Mundi、MIRARE、naiveといった優秀レーベルに拮抗しうるだけのクォリティと言えるかも知れない。


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