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2009年12月26日16:16

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【音楽】Caccini: Ave Maria Etc.@Hiroshi Ikematsu

ドリーミュージックの数年前のリリースから、コンバスで弾くアヴェマリア他。弾いているのは池松宏といい、ちょっと前に聴いたメンデルスゾーンPコン/小菅優/MCO(水戸室内管弦楽団)/小澤 http://musicarena.exblog.jp/13050316/ の団員リストのコンバスの項に、あの河原泰則と共に名を連ねていた人物だ。河原泰則は茨城県出身なのでMCOに参加しているのは分かるとしても、朗々とした芯の強いコンバスを弾いているもう一人はいったい誰なのか? と思っていたらこの人だった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1452852

1. アヴェマリア(カッチーニ)
2. アヴェマリア(シューベルト)
3. 美しき夕暮れ(ドビュッシー)
4. タンティ・アンニ・プリマ(アヴェマリア)(ピアソラ)
5. アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618(モーツァルト)
6. アリオーソ(J.S.バッハ)
7. アヴェマリア(J.S.バッハ/グノー)
8. アダージョ(アルビノーニ)
9. 主よ,人の望みの喜びよ(J.S.バッハ)
10. カヴァレリア・ルスティカーナから間奏曲(マスカーニ)
11. カノン(パッヘルベル)
12. 明日(アンドレ・ギャニオン)

池松宏(Cb)、早川りさこ(Harp)

池松はブラジルで出生したという若手コンバス奏者で、桐朋を出た後にカナダに渡りあのゲリー・カーに師事している。そして帰国後1994年までN響の主席コンバスを務めたというエリート中のエリートだ。

実に真っ直ぐで音程、音階の明瞭なコンバスだ。河原の初期のアルバムにあるようなアクロバティックな要素は微塵もなく、コントラバスという楽器の特性を無理せずに活かすための選曲と編曲が施されている。主旋律は概ねコンバスがリードし、ハープが通奏低音と対旋律を担当するという異色の組み合わせだが、何故かチェロソナタを聴いている様な風情で違和感はない。

妙に甘ったるいヴィブラートを掛けたり激しいデュナーミクで揺らしてみたりという演出が無く、どの演奏もとても穏健で美しい音色だ。チェロの低域が拡張され、そしてそこにヴィオラの中低音部が乗っかった形の、思いのほかのワイドレンジを自在に操って平明かつ著名なこれらの名曲を紡いでいく。

サイマルシンク録音(多重録音)を用いて大規模なアンサンブルを一人で演奏しているものもあればハープとの二重奏のみというのもあって、それぞれに趣がある。多重録音ではアルビノーニのアダージオとパッヘルベルのカノンが重厚で秀逸な出来映えだ。

白眉は多重録音によらないカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲で、ハープが通奏低音を刻む中、コンバスの弦が切なく慈しむように希有の美旋律を刻む。元々が弦楽五部+ハープ+ホルン(または+オルガン)というシンプルな構成なのだが、コンバス1本とハープの低域弦でよくここまでの幅、深さを表現するものだと思う。

最後のトラックはCX系テレビドラマ「優しい時間」の主題歌で平原綾香が歌ったもの。ヴォーカルがコンバスに代わっているが、まさに歌うような弦だ。

(録音評)
ドリーミュージック、MUCD1132、通常CD。録音場所はBunkamura、プロデュースは数多くの話題作を仕掛けてきたパンセ・ミュージックの野田智子、レコーディング・エンジニアは有名ミキサーの草分け的存在である吉野金次、その他の録音担当は一口坂スタジオとなっている。

音質は極めて優秀とまでは言えないもののピラミッドバランスで嫌味のない佳作だ。定位も自然であり肥大傾向になりがちな楽器ではあるがそこそこ奥まったサウンドステージを作る。暖色系で柔らか、そして穏健に包み込むような音色は心地良い。


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