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2009年11月09日12:17

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【アート】冷泉家 王朝の和歌守展@東京都美術館

冷泉家時雨亭叢書完結記念 冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展

長い正式名称をもつ掲題の展覧会を見てきた。当然のことながら写真は御法度なので検索エンジン等を経由して関連記事を参照のこと。俗っぽい人間は余り書くこともないのだが少々・・。

展覧会といっても絵画や彫塑などとは違い、いわゆる古文書が太宗を占める展覧会。800年という歴史を持つ歌人家系の名門=冷泉家に現代まで伝わる和歌に関する典籍の展示だ。

会場は広く、出版済み書籍の章立てと同じ構成となっていた。

第1章 家祖  文学史に輝くスターたち
第2章 明月記  定家の自筆の日記 800年前の息づかい
第3章 勅撰集  宮廷文化の精華 最高水準の和歌が集結
第4章 私家集  「歌の家」の必須資料
第5章 歌書と物語  貴族の教養 第一は歌の心得
第6章 宮廷と宸翰  極彩華麗な宮廷の香り

第1章(家祖)の終わりには古今和歌集・嘉禄二年本(=勿論、国宝)というのが展示されていた。藤原定家の噂の直筆が墨痕鮮やかにその優美な姿を見せていた。

明月記(=「めいげっき」と発音する)にてんこ盛りで展示されている定家の直筆、また弟子の文章に定家が朱入れした書き物など見所が多い。

勅撰集には詩歌の内容をそのままタイプアップしたキャプションが所々に添付されていたが、原本と見比べながらでも素直に読み進めるのが困難なほど崩した文字だった。しかし不思議なことに現代書道の崩し字とさほど変化はないように思われる。短い単語と季語を連ね、その間を粘結する接続詞のシンプルで直截的な使い方に感心するばかりだ。

歴代天皇が読んだ詩歌は宸翰(しんかん)と呼ばれ、冷泉家の書庫の奥深くに保管されてきたそうだ。これまた個性的というか、どの時代にも字が下手くそ、ないし歌心のない人はいるもので、それは藤原・冷泉のような「プロ」の歌人ではなかった皇族なら致し方のないことだろう。だが、逆に脚色がないぶん当時の季節感や人の心の持ちようをダイレクトに訴えかけてくる力強さがあった。

その他、冷泉家で日常執り行われているという儀式を示すパネル展示やビデオ上映、年に一度の七夕の儀式(=夏越の祓)、乞巧奠(=きっこうてん)の場面の再現展示などもあり、殆ど日の目を見ないであろう非日常を垣間見ることが出来た。


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