ルガノ・フェスティバル2008の二枚目から。
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CD2
・ショスタコーヴィチ:三重奏曲第1番Op.8
リリー・マイスキー(ピアノ)
アリッサ・マルグリス(ヴァイオリン)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
・ラフマニノフ:組曲第1番ト短調Op.5
リーリャ・ジルベルシテイン(ピアノ)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
・ヤナーチェク:コンチェルティーノ(ピアノ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルンとバスーンのための)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
ルチア・ホール(ヴァイオリン)
アリッサ・マルグリス(ヴァイオリン)
ノラ・ロマノフ=シュヴァルツベルク(ヴィオラ)
コラッド・ジュッフレディ(クラリネット)
ゾーラ・スローカー(ホルン)
ヴィンセント・ゴーデル(バスーン)
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲(4曲)Op.46-1, 72-4, 46-7, 72-2
リリー・マイスキー(ピアノ)
カリン・レヒナー(ピアノ)
2枚目はショスタコのトリオ#1で始まる。テーマとしては旧東欧圏の民族的な色彩の濃い作品を集めたと言うことか。
冒頭はアリッサ・マルグリスというVn奏者と大御所ミシャ・マイスキー、そしてその愛娘リリー・マイスキーがPを担当するという話題性のある演奏だ。リリーという人のピアノはかなり繊細で優美、女性的なタッチだ。音量はやや不足気味と言って良いが手数が多くパッセージも速いのが美点か。マルグリスは2006年のルガノでもショスタコのPクインテット
http://musicarena.exblog.jp/7982993 をルノー・カプソンと共に弾いていてなかなかに鋭敏な演奏を聴かせてくれたが、ここでは更にカリカリに研ぎ澄まされた鋭い演奏を展開していて、まるで若い頃のクレーメルみたいな切れ味だ。
次のラフ組曲1番はPが二人とも繊細極まりない人なのでちょっと芯が欲しいと思わされる離散的かつ薄吹きグラスのような危うい解釈/演奏だ。激しいスケールと分散和音が交錯する終曲ではちょっと息切れし、腕に乳酸が溜まってきてテンポの維持に苦労しているようだ。この曲が掛かるとどうしてもこの求道的な演奏
http://musicarena.exblog.jp/10113260 と比べてしまうのは良くないのかも知れない。
今回のルガノの目玉の一つはヤナーチェクだそうだが、確かにこれは斬新で面白い演奏だ。この作品はちょっとくすみのある民族色に染められた旋律を鮮やかなクロマティック和声で包み込んで行くという諧謔な曲想なのだが、これを極上の木管とその他の伝統的パートが競い合いながら描いて行くというスリルに満ちたパフォーマンスだ。これは楽しい。
最後、ドヴォルザークのスラブ舞曲だが、これもリリー・マイスキーが連弾の片方を担当。ラフと同様細い線ではあるがメランコリックな展開はまずまず秀逸。今度は相方との仕事配分が良かったせいか息切れしておらず最後まで一定テンポを維持していた。これについては、いくら打ち消そうとしてもこの演奏
http://musicarena.exblog.jp/7449773 が脳裏に浮かんできていけない。
2枚目の収穫はなんと言ってもヤナーチェクであり、これはルガノ・フェスティバルの正統的な新機軸として個人的には歓迎したい。
(続く)
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