ということで、私のデスクトップPCはNorthwoodからBloomfieldへと無事に引っ越しを終え、WinXPも現在の状態のままX58チップセットへの移行を完了した。
どの程度のスループット向上が達成されたのかをプロセッサを中心にして考察してみる。但し、今回はディスク・サブシステムは以前のU320 SCSIをそのまま継承しているのでディスクI/Oについては変化はない。
以下はHDBENCHの結果、上段がO/CされていたNorthwood、下段がBloomfieldである。
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
59510 107051 132162 243199 63411 125760 35
209046 777315 802949 553318 498073 941669 59
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite
59558 35346 10880 402 73616 66149 10994 19104
71400 34548 7374 846 69659 68956 12976 20603
整数演算と浮動小数点演算というコア内のパフォーマンスは圧倒的な改善を見せている。ちょっと検証してみるが、Northwoodは3.46GHz動作のユニプロセッサ、Bloomfieldは2.93GHz動作の4並列マルチプロセッサで、HDBENCH自身が4スレッド処理に対応したベンチマークプログラムであるため多重処理オーバーヘッドが皆無だとしたら2.93×4=11.72GHzのユニプロセッサの処理能力と等価と見なせる。これとO/C Northwoodとの性能差は理論値では11.72/3.46=3.38倍ということが言える。結果では整数演算が7.26倍、浮動小数点演算では6.08倍と理論値を超える高いパフォーマンスを発揮している。これはプリフェッチのワード長変更や分岐予測アルゴリズムの改造、1〜2次キャッシュの高速化、3次キャッシュの新設、また主記憶への帯域幅が増加した事など、複数の要因が相乗的に奏功していることによると考えられる。因みにこのHDBENCHの「ALL」という項目だが、これが3.51倍とクロック差からの理論値に非常に近い値となっているが、これが体感的・実態的な性能差と遠くはない気がする。
次いでアンコア(CPU以外のプロセッサ機構=MMUやキャッシュコントローラなど)とDDR帯域幅の性能が大きくものを言うメモリ転送速度を見てみる。メモリ・リードでは思ったほどの差はつかず2.27倍、メモリ・ライトでは極端な差がついて7.85倍という結果だった。ライトの方がよりクロック・サイクル(レイテンシ)を多く使うのでDDRの速度差がより顕著に表れた、及び3次キャッシュの新設が劇的な効果を上げたと見るべきだろう(普通のベンチマークプログラムはキャッシュのライトバック動作をギミックを使ってライトスルーさせるように強制するがHDBENCHはそこまでは実装していないと考えられる=つまり結果は甘めに出る)。リードライトの組み合わせでの差は7.48倍とライトの特性が色濃く反映した結果だ。これについては逆も言えていて、Northwoodのリード時のキャッシング・アルゴリズムはそこそこ優秀であったということの裏付けか。
グラボについては思ったほどの性能格差はないようで、5年前のGeForce FX 5200だって相当健闘していたと言える結果だ。EllipseやTextは前の方が速い位、明らかな差(=約2倍)が出ているのがBitBlt(GDDRとDDRの間でビットマップをブロック転送する能力)位でこれはメモリの性能向上によるものだ。これについては過度な期待はしていなかったし、大体想定の範囲である。
ディスクI/OについてはレガシーPCI以下が全く変更されていないので、ここにある数値の差は測定誤差である。
ディスクI/Oは近日中にSASサブシステムへと移行予定であるが、現在のところU320パラレルSCSIよりも劇的な向上が見込める可能性はそれほどない。事実、同じ世代のCheetahドライブを単独で使った場合、U320の方がSASよりも僅かに速いくらいなのだ(総合速度的には、FC > U320 > SAS >> SATAという序列)。
アドバンテージがあるとすれば、優れたバス調停能力によって同時並列入出力バンド幅が大きく取れる可能性があることだろう。それとSASコントローラがオンボードに一基あって、さらに追加でPCIe×8インターフェース仕様のAdaptec製SAS/SATAコントローラを一枚用意したのでこれらを並列駆動させた場合のスループット改善に期待が持てる。あとは低速だが安価なSATAドライブとの混合運用が可能な点、ホットプラグが可能な点に興味が移る。
(続く)
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