昨日の午後はマイミクのPさん邸をkenjiさん、私で訪れてオフ会。お題は二つで、一つ目が改造を重ねてきたKENWOOD LS-K701という小型ブックシェルフ・スピーカー(=実はミニコンポ用の安価なスピーカー・システム)がどの程度の音を出していて実用に耐えられるものなのか否かを評価・検証すること。二つ目が最近になってPさんがチャレンジされ成功に至ったと仰るDIATONE DS-V9000の平行セッティングの効果を試聴すること。
最初はeAR1001から結線をLS-K701へと繋ぎ変えてあった状態での試聴。色々あれこれとかけるが、特徴を手っ取り早く掴むにはやっぱこれ
http://musicarena.exblog.jp/7448174 の3〜4トラックだろう。低域の量感は明らかに不足はしているが逆にすっきりもしていて悪い印象は持たない。但し、アンサンブルが視野狭窄を起こしたように真ん中辺へ寄ってくるのでスケール感が後退してしまう。但し音量を上げると左右へスプレッドする傾向にあり、これは微小領域での直線性が良くない証左だと思われる。その後はかなり大きな音流で試聴を繰り返した。但し、入念なバーンインを施してはいないらしいので今後鳴らし込むと学習してローレベル再現性と微小領域におけるリニアリティは良い方向へ向かう可能性は十分にある。中高域のプレゼンスに関してはまあまあなのだが少々タイトなイメージ、繊細にスーッと伸びるという印象はない。が、他の高性能スピーカーとシビアな比較試聴をしない限りにおいてはかなりのレベルの音質を達成しており、これなら下手なハイエンドスピーカーは沈黙せざるを得ないことであろう。
さてさて・・・、いよいよV9000の平行セッティング効果をお聴かせ願うというころで、おもむろにスピーカーケーブルを繋ぎ変えて音出し開始、・・・・で、事件は僅か1秒後に起きた。音が全く変・・。全くエージングされていない安物小型スピーカを聴いている風情。低域も高域も全然出ていないし、第一音が悪く、楽器の音がまるで出ていない。音像、音場などを語る以前の問題である。
Pさんは、あろう事か、記録されていた位置情報を頼りに元通りの内振りセッティングに目の前で変えてしまった。それでも急激には良くならず、プリ・パワー間の配線を疑ったり(事実、片チャンネルの接触は不安定であった)もしたのだが大きな改善は無かった。しかし不可思議なことに音を出しているうちに見る見る本来の音に戻って行った。30分〜1時間程度でほぼ完全にリカバリーしたのであるが、はたと困った。今日は平行セッティングのお披露目・・orz
この時点ではこの謎の原因はよく分からなかったのだが、まぁ気にせず再度平行セッティングへ持っていくことに。まず右側から真っ直ぐ正面へ向け直す。「オォーー! 右だけでももの凄い効果で、音の見晴らしがよくなり視界アップ!」などと言っているうちに左側も平行にセットし、改めて聴き返したフォーレのレクイエムではかつて無い澄明な音場空間を作り出していた。この後は、MusicArena推薦の超高音質盤をむさぼり付くようにひたすら聴きまくった。ごくごく自然で広く深い音場が展開しているのであった。このセッティングは昨今の超絶的なクラシック録音に対抗するためにはほぼ理想的なフォーメーションと考えられる。
・・と、平行セッティングの評価試聴オフ会は好評のうちに閉会となった。
第二部=アルコールの部が和やかに進行している最中、私は大昔のショップでの学生アルバイト勤務時代のことを突如思い出した。試聴室に設置してある複数のスピーカーシステムの使い方についてだが、アンプに接続していないスピーカーの入力端子には常々ショートピンを接続して短絡させ、電磁気的に制動をかけてユニットのダイヤフラムが動かないようにしていたのだ。
それは、鳴っているスピーカーからの振動が空気を伝って未使用スピーカーの振動板に伝わってそちらも駆動する事になり、試聴中のスピーカーの音が濁ってしまうからである。つまり、こうしてショートさせておかないと試聴ターゲットの純粋な音が聞けないと言うことだ。しかし、それ以上の影響をも考慮した措置だったのだ。それは、隣り合わせの待機中のスピーカーの音が変になってしまうのだ。
ある日、アルバイト先のショップの一つの試聴室でVoice of the Theatreシリーズで有名なALTEC A-7の試聴会が開かれた。その部屋には前日に他の試聴室からJBL 4331モニターとTANNOY ARDENが移設され、有力顧客がスピーカー購入のための試聴を行っていたのだ。つまり、A-7の試聴会を行った部屋には合計3セットのスピーカーシステムが設置されていた。A-7の試聴会はエレクトリのエンジニアと営業がセットアップを行って司会進行まで担当した。私は大学の講義があってショップにはおらず様子は分からなかったのだが3時間ほどA-7で爆音を出していたという。
その後、JBL 4331とTANNOY ARDENの音が壊れてしまうという大事件が発覚する。エレクトリの社員は他の二つのスピーカーにショートピンを挿すことを怠ったまま試聴会を敢行したのである。4331もARDENも紙臭いアルテックにそっくりな音を出すように変身したのは言うまでもない。密室でショートピンを挿さずにこういう事を長時間やるとある種の転写現象が起きるのである。恐らくPさん邸で起きた事件もこれと同根だと思っている。
参考:
http://oshiete1.watch.impress.co.jp/qa3459203.html
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