昨日は母親が富山から上京し、羽田まで迎えに行って所用先まで道案内した。搭乗前に空港のショップで買ってきたというますの寿司を土産にもらった。
富山の鱒寿司の歴史は古く、その成り立ちから現在に至るまでの経緯はサーチエンジンで検索すればすぐに分かるだろう。鱒寿司を製造販売する店は非常に多く、富山県内には100店近くあるといわれている。もらった鱒寿司は富山市内の老舗の一つ、笹義のますの寿し(殆どのブランドは「鮨」や「寿司」ではなく「寿し」または「すし」と表記)
http://www.sasayosi.com/ で、これは現在でも手作りされているものだ。
富山の鱒鮨と言えば源(みなもと)という後発マスプロダクション・メーカーが有名で、日本全国のデパート地下食品売り場、地方物産展、駅弁大会などで見掛ける鱒の魚体をイラストで描いたパッケージの殆どがこちらの製品だ。源は戦後に国鉄の特急列車の車内販売用駅弁として売り込みを掛けて大成功を収めた会社で現在のシェアはダントツだ。しかし、地元の人々が源の鱒の鮨を積極的に口にすることは殆どない。
富山市内には大小2〜30軒の鱒寿司屋がひしめくが、店ごとに味や風味は大きく異なり、その店ごとの特徴は伝統の製法により守り伝えられてきている。鱒の身の漬け汁の味傾向は辛い(しょっぱい)、甘い、酸っぱいという3要素、及び「生(なま)」と言って短時間の漬け込みかどうかから成り立っている。漬け込み時間が短い生は身が柔らかいが味は薄目となり、漬け込み時間が長いと身は締まり味は濃く漬かるという塩梅だ。つまり、甘く酸っぱい傾向、辛く酸っぱい傾向、生で甘い傾向など組み合わせの妙味で無限の個性を競っているというわけである。
参考になるかどうか分からないが味傾向の比較が見られるサイトがあった。
http://tsuda.tk/wiki/?%CB%F0%BC%F7%BB%CA
その中にあって笹義のますの寿しは中庸を行く穏やかな味、そしていわゆる生ではないが身が柔らかい寿司で、身の切り方は厚め、脂身の多い部位を多く使うので砂糖によらない自然な甘みが特徴となっている。個人的には好きなブランドの一つだ(マイ・ナンバーワンは「今井」なのだが、店頭売り一筋で空港や駅など他では一切売っていない)。
久し振りに故郷の懐かしい味を堪能したのであった。
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