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2024年01月24日11:07
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ちょっと気になる医療と介護 増補版 権丈 善一 勁草書房 2018年2月1日
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■疾患や障がいで旅を諦めない 医療従事者が寄り添う旅行アテンドサービス「そいたび」
(OVO [オーヴォ] - 12月04日 14:40)
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p.280
シュンペーターは、29歳の時の著書でイノベーションを論じましたが、それを凡人にでも起こすことができるような実用性のある方向性に発展させることは最期までありませんでした。「イノベーション」というキーワード付きの成長戦略を売る経営コンサルタントや経営学者や官庁が雨後の竹の子のように出てくるのは後世のことです。そうした状況をからかって、私は「シュンペーターは草葉の陰で失笑しているはずである」と書いたこともありますが、まぁ、みんな、よく恥ずかしげもなくイノベーション、イノベーションと連呼するものだと思います。
その点、経済成長の主因である全要素生産性(TFP)に対して不可知論、つまり全要素生産性を向上させる方法はよく分からないと公言した成長論のパイオニアであるソローのほうを、私は立派な学者だと評価しています。それに対して、シュンペーターは罪深い。経済や経営に対するコンサルタントたちがシュンペーターの論にすがるのはよく分かりますけどね。シュンペーターの話ならば、あたかも威勢のよい未来が約束されているように語ることができますから⁶⁹。
このあたりは、ずいぶんと前から論じているところです。経済学における「成長論」というのは、いわゆる成長戦略という言葉を使うことを躊躇させてしまう内容なんですね。
たとえば、「勿凝学問61 イノベーションを促す政策とは――今日の論調とオリジナルなシュンペーター理論」(2007年1月23日脱稿、権丈(2007�鹸�)所収)をご参照ください。
p.281
報告書におけるこのあたりの記述は、本書247‐248頁に紹介しているように大島伸一委員(国立長寿医療研究センター総長・当時)の発言によるものです。
…[社会保障制度改革国民会議で]大島先生がQODの話をされた時、私は病理学者で、東大総長や日本病院会会長もなされていた森亘先生の「美しい死」という文章を想い出していました。
p.284
病院完結型から地域で治し・支える地域完結型への医療が目指されるにあたって、QOLとともに死に向かうときの医療の質QODについても、国民的合意を形成していくために広く議論がなされる時代になっているのだと思います。
p.290
「第三次中間まとめ」で積極的支援群の医療費は不参加群に比べて1人当たり年間約5,000〜7,000円低いとしていますが、積極的支援群の介入費用(「特定保健指導のコスト」、国庫補助の基準単価)は1人当たり約18,000円であり、上記医療費「節減」額を大幅に上回ります。
p.295
政治が変えた後期高齢者医療制度のかたち
後期高齢者医療制度が2008年4月に施行されると、直後に、この制度は政治問題化しました。そこで、政治は、制度施行当初から設けられていた保険料軽減措置――これを「政令本則に基づく保険料軽減措置」と言います――に加えて、特例措置として、次の図の網かけの部分を設けています。この特例措置に要する費用は、2008年度は一次補正予算で731億円、……、これまで9年間の総計6,503億円となっています。
そして今、医療保険制度における大きな改革課題として意識されていることは、特例措置はいかにして外すかということだったりします――医療だけでなく、年金や介護などの社会保障まわりでは、けっこうこういうことが多いです。つまり、制度ができて、政治家が大衆迎合的に特例措置を設けて、それを元に戻すために、霞が関や研究者がひたすら何年間も努力、民主主義って、どうもそんなもののようです。
p.296
世の中の人たちが大好きな「政治主導」って、どうなんでしょうね。
[増補時点でのコメント]
後期高齢者医療制度の特例措置は、2017年度から見直されることになりました。
簡単に説明すれば(全然簡単でないことは分かっております)、知識補給図表2の左側「低所得者の軽減」については、所得割が5割軽減から2017年度2割軽減、2018年度本則(軽減なし)へ、均等割については今般は据え置きとし、介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給と合わせて見直すとされました。
知識補給図表2の右側「元被扶養者の軽減」は、9割軽減から2017年度7割軽減、2018年度5割軽減、2019年度に本則(軽減なし)とすることになっています。
これで、103頁で説明した後期高齢者医療制度に組み込まれた費用負担原則が持つ、後期高齢者人口の増加に対する制度の合理性に一歩近付くことができたということでしょうか。ご尽力されたみなさん、ご苦労様でした。
p.301
そして、2013年にまとめられた『社会保障制度改革国民会議報告書』には、次の文章があります。
p.302
従来、国民健康保険の責任を負うことには問題があるという姿勢をとり続けた都道府県の知事会が、2013年の国民会議の時に、積極的に国民健康保険を責任を担う覚悟があると表明していく様子については、権丈(2015�佐�)における「国民健康保険の都道府県化と被用者保険のあり方」(418-425頁)をご参照下さいませ。
p.303
前期高齢者医療制度における年齢リスク調整の仕方
多くの人は、退職すると国民健康保険に加入します。したがって、65歳〜75歳までの前期高齢者の8割ほどは、国民健康保険に加入しています。この国民健康保険制度を、他の健康保険制度が支えているのが前期高齢者医療制度で、この制度におけるリスク構造調整は、次の方法でなされています。お手すきの時にでもみておいてください。
当該保険者の前期高齢者医療制度への支援金額
＝当該保険者の前期高齢者医療費×全国平均の前期高齢者加入率÷当該保険者の前期高齢者加入率
＝(当該保険者の前期高齢者数×当該保険者の1人当たり前期高齢者医療費)×全国平均の前期高齢者加入率
×(当該保険者の加入者数÷当該保険者の前期高齢者数)
＝当該保険者の1人当たり前期高齢者医療費
×当該保険者の加入者数×全国平均の前期高齢者加入率
＝当該保険者の1人当たり前期高齢者医療費×当該保険者に全国平均の前期高齢者加入率の前期高齢者がいると想定した場合の人数
分かりますかね？ これを図示すると次のようになります。
p.304
前期高齢者医療制度では、どの医療保険にも、全国平均の前期高齢者加入率の前期高齢者がいることを想定して、国民健康保険を支援しているわけです。しかもこの財政調整方法は、自分のところの、つまり「当該保険者の1人当たり前期高齢者医療費」を基にしているわけですから、仮にですよ、仮にもし、自分のところの高齢者の医療費を、彼らの言う保険者機能によって節約できるのならば、前期高齢者医療制度への支援金を減らすこともできます。なかなかよくできた制度だと思うんですけどね――と言っても、被保険者の数が少ない小さな保険者で大きな病気を患った人が1人でも出てくると、一瞬にして影響が出るようですけど。
この方法は、1983年2月から施行され、75歳(一定の障害がある人は65歳)以上の人を対象とした老人保健制度で採られていた財政調整方法と同じものです。しかし健保組合などからは、実に評判が悪かった。その結果、2008年4月施行の医療保険制度改革(2006年成立)で、老人保健制度から、前期・後期高齢者医療制度に切り替えられました。この時、健保組合をはじめとした被用者保険は後期高齢者医療制度に公費負担が導入されることもあって、この改革を支持したのですけど、高齢化が進んでいるために、被用者保険から前期と後期を合わせた高齢者医療制度への支援金は減ることはなく、今も実に大きな不満を抱いて、いろいろと積極的に政治活動を行っています。
p.305
「知識補給 医療保険と保険者の政治」冒頭の繰り返しになりますけど、「第7章図表31にみたように、65歳以上の医療費が総医療費の58%、75歳以上が35%程度を占めているわけですから、この規模の医療費を高齢者に負担してもらうのは無理です。だからどんな制度的工夫をしてみても、若い人たちに負担してもらう必要があります」。もし、健保組合を軸とした組合主義の下では、どうしても政治的に若い人たち、いやもっと言えば、若い時に負担する仕組みを構築することができないというのならば、組合主義を変える道しかないと思うんですよね。健全な社会を作っていくために、彼らには助け合いの精神をもって、この国の社会保障をしっかりと守ってもらいたいと思うんです。かつてのように。
p.307
ここで、Cochraneのシステマティック・レビューとは、英国人アーチボルト・コクランが根拠に基づく医療(Evidence based medicine)のために始めたコクラン共同計画の中で、ランダム化比較試験(RCT)を中心として、臨床試験をくまなく収集、評価、分析するシステマティック・レビュー(sytematic review)を行っているものです。
p.308
そして、第8回医師需給分科会では、僕が医学部入学の地域枠は、地元枠でないとダメだという話をする際によく用いるhomecoming salmon仮説――鮭は生まれた川、母川に回帰するという鮭の母川回帰仮説――という言葉が使われた論文も紹介してくれました。
p.309
[増補時点でのコメント]
第14回医師需給分科会(2017年11月8日)では、僕は次のような発言をしているようです。
〇権丈構成員 この医師需給分科会は、去年からベースにしているのがエビデンスというもので、私は極めて画期的な会議だと思っておりまして。……この偏在問題を解決していく上では、エビデンスベースで言うと、地元出身の学生に医学部に入学してもらうというのがどうも強いエビデンスとしてある。その次には、総合診療医というのを育てていくと、地域医療をやってくれるというのがある。3番目ぐらいに、若いうちにへき地医療の現場に留学してもらうというのがエビデンスとしてあるわけですけれども。
p.310
3番目のところの因果関係はよくわからないわけですね。恐らく、経験をすると、なるほど、これって思っていたものよりもいいものなのだな、価値があるものなのだな、医者として結構いいものなのだなというふうに思ってくれる教育効果があるのではないかと私は思っておりまして。
この辺りの3番目の若いときの経験というところになってくると、私は、経済学のカリキュラムの中に制度とか歴史をどう組み込むかということは当てはまるかなと考えているのですが、学生に聞くと、いや、数学に近いほうがいい、計量がいいとか、理論経済学がいいという話になるのでしょうけど、本当はやはり制度とか歴史とのほうが重要なのだよねと。それをどうカリキュラムに組み込むかということは、なかなか学生に聞いて答えが出せるものでもない。
・・・・・・ 会議の最後に ・・・・・・
〇権丈構成員 私はきょうの発言の中で、強制とか規制とか、あるいは、逆に、インセンティブという言葉を一度も使っておりません。先ほどの神野先生のお話のところで、僻地病院へどうして行かなければいけないんだと不満を抱きながら行ったところ、結果的に、医者の人生の中で一番楽しかった、神野先生のその後の人生の全てのベースになるいい経験になったとおっしゃられたような、私は全体的にカリキュラムの話をしていたわけです。恐らく地域医療というものに対して、そういう経験した人たちは、地域のほうに結構根づいてくれる、後に自発的に貢献してくれるという広く確認されているエビデンスは、そういう経験がキャリア形成に影響を与える、意識、価値観に影響を与えていくという話だと思うのですね。
p.311
だから、どこにも強制とかいう話ではなくて、今、それを勧めていようとする人たちも、悪いものを勧めているわけではなくて、医師という職業人生が豊になるから、一回経験したらどうかなというような機会を、なるべく多くの人たちに経験してもらいたいというところで、そのあたりのところは、カリキュラム上の必修に、なるべく近いほうがよくなるのかなという気はいたしますし、必修に近づくと、今度はカリキュラムをつくった人たちが、無理強いにならないような体制をしっかりと責任を持って整えていくというのも出てまいります。
この辺の話は行政がどうのこうのとかいうのではなくて、医師という人たちが地域医療のニーズに応えてくれるようになるために、どのように育ってほしいかという教育カリキュラムを国レベルで議論していて、その中に、この地域医療の経験というのを組み込んだ形でやってもらえないだろうかという議論をこの会議でしているのだと、私は理解しております。
ところで、いろいろとあった(笑)医師需給分科会も、17回の会議を経て、2017年12月21日に第2次中間取りまとめを行うことができました。民主主義とは、最低限、手続きを守ることではなかったっけ？などと考えさせるようないろいろと笑えるほどにおもしろいこと(いや、本当は深刻なこと？)があったわけですが、その様子については、僕が2017年6月30日に日本記者クラブで話した「2025年ショック どうする医療・介護」を、NHK解説委員の竹田忠会見さんがまとめてくれたリポート(https://www.jn pc.or.j p/archi ve/conf erences /34861/ report)をご笑覧頂ければと思います。このHPには90分間の動画もあり、この動画の60分を過ぎたあたりから医師需給分科会をめぐって起こっていた政治のおかしさ、手続きを重視すべき民主主義を逸脱した展開の、まぁ、ろくでもないことが起こっていたと話していますのでお手すきの時、あるいは政策形成過程というものにご関心を持たれることがありましたら、どうぞ。
p.312
そうですね。この話、世の中から忘れ去られるには政治過程の研究材料としてあまりにももったいない出来事なので、歴史の記録として、動画の60分以降で僕が医師需給分科会について話している時に用いていたスライドもhttp://kenjoh. com/170 630jnpc .pdfにアップしておきましょうかね――なぜだか、60分以降の動画では話をしている僕の姿ばかりが出てきて、スライドが映されていないんですよね。
また、医師需給分科会の片峰茂座長による「”医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 第2次中間とりまとめ”に当たっての座長談話」は是非ともご覧頂きたいところです(「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第17回)」の資料等のHPにあります)。
座長談話は、次の言葉から始まります。
本分科会における医師偏在対策にかかる議論は、昨年(2016年)6月の第1次中間とりまとめにおける”全体の医師数の増加だけでは、地域や診療科における医師不足の解消にはつながっていない”との指摘を受けたものである。昨年秋検討すべき論点の洗い出しを行った後、1年近い休止期間を挟むという異例の経過を辿ったが、今般一定の結論に達したため第2次中間まとめとして公表することとなった。
p.313
医局の派遣機能もあったのでしょうが、私はおそらくこの構想は、医師の地域偏在を緩和する面でかなりうまく作用したのだと思います。
…私は「地域医療崩壊」が強く言われ始めた2006年頃、「おそらく医学部の偏差値がバブル崩壊の頃から急上昇しているだろう」と考えました。
p.314
それもありますが、バブル崩壊後の医学部進学熱の高まりには、もうひとつ大きな要因があると思います。
p.316
日本では、地域枠の入学者よりも地元出身者の方が、臨床研修修了後、同じ都道府県に勤務する割合が高いというエビデンスもある(知識補給図表4)。
p.317
地元出身者が地域枠の100％となれば定着率は高まります。
…理�気帽圓�より地方の医学部に行くという時代になってきて、医学部は「一人勝ち」です(134〜135頁参照)。
p.324
指標と政策概念の間にあるギャップ
日本では、格差の問題を扱う際には『所得再分配調査』が使われる場合が多いです。当初所得から再分配所得に変化すれば、格差は縮小する――たしかにそうした理解でいいのですけどそうした考えを計測するために指標化しようとすると、なかなか面倒なことが起こってきたりするのも世の常です
次は、『平成26年所得再分配調査』に基づく当初所得と再分配所得の関係です。
ここで税金(12.2％)とは、「直接税のうち所得税、住民税、固定資産税(事業上のものを除く)及び自動車税・軽自動車税(事業上のものを除く)について平成25年1月1日から同年12月31日までの状況を調査」されたものです。
んっ？、消費税は？ と思われるかもしれませんけど、調査技術上、測定技術上の制約から、消費税は税金としてカウントされていないんですね。
それに、当初所得よりも再分配所得の方が結構大きくなっています。その差額の一部は、社会保険料は事業主負担分が除かれていることで説明できるのですけど、この国って、税の相当部分は国債で賄っていたりもします。
p.325
もし、もしですよ、赤字国債をバンバンと出して、そのお金で社会保障の給付をどんどん行ったら所得格差はどうなると思いますか？(第15章における給付先行型福祉国家参照)
たぶん、格差は縮まって、不平等指数(完全平等を⁰として完全不平等を1とする指標)のひとつであるジニ係数は小さくなり、そのことはおそらく、ジニ係数の改善と評価されることになるのではないでしょうか。ということは、今の再分配所得のジニ係数は、けっこう赤字国債でかさ上げされた結果の良い値を示していることになります。そして、この国ではなかなか想像できない話なのですが、もしですよ、この国が将来、財政の健全化を図る方向に政策の舵を切ることができるとすれば、ジニ係数で測られるような不平等指数はどっちの方向に進むと思いますか？
まぁ、平等とか不平等とか、格差というような概念レベルの話を政策レベルまでおろす際には、どうしても指標が必要になってくるのですけど、指標というのは、測定技術上の制約から、残念ながら当初の概念とは距離のあるものになってしまうのが世の常だということを分かっておいて頂ければありがたいです。概念と指標が一対一の対応をしているというようなナイーブな想定の下に、政策効果を測る基準として指標を絶対視した政策を展開すると、世にも奇妙なことが起こることが多々あるんですね。
他にも指標頼りの政策は、指標の変化が起こりやすい近辺の政策に政策担当者の関心を集中させて、本当に深刻な問題を放置させるようなことも起こります――たとえば、メタボ発生率を下げることを目標とすると、とてもとてもこの人はムリ!? という腹囲〇センチメートル超の人たちへのケアがないがしろにされがちですし、貧困問題然り。
p.326
大切なことは、指標よりも人の思考力の方が上、指標頼りにならずに、ひとつひとつ自分の頭で考えながら、望ましい方向性は概念上どっちなのか、その方向性と政策の指針としての手元にある指標はどのような関係にあり、そもそもこの指標は当初の政策概念とどのような関係にあるのかを、慎重かつ丁寧に確認しながら進めていくことです。
政策という、みなさんが思っているよりも複雑なことは、なかなかマニュアル化できるものではないんですよ――いや逆に言えば、マニュアル化できないようなことばかりが、公共政策の領域に入ってきたり、残って言うこともできるんですけどね。
p.327
僕は、『週刊東洋経済』2012年10月27日号に、経済を見る眼「税収の推移と見せかけの相関」という文章を書き、そこに「消費税の運命は、まだ予測がつかない」という一文があります。この2012年10月が、どういうタイミングなのかは、図表78(218頁)で確認してもらえれば分かるように、消費税の増税が決まった8月から2か月しか経っておらず、まだ民主党政権だった頃です。
どうして僕はその時に、「消費税の運命は、まだ予測がつかない」というような、当時でしたら誰も信じてくれないようなことを予言？ していたのでしょうか。そのあたりのヒントになるかもしれないことを、講演で話していますので、その講演録を紹介しておきます。
2016年5月26日、27日の2日間に伊勢志摩サミットが開かれていました。サミットの翌日5月28日の土曜日に、僕は、日本病院会というところで講演をしていまして、その講演録は『日本病院会雑誌』2016年6月号に載っています――お手すきの時にでもご笑覧ください。そして、この講演の最後は次のように終わっています。
2012年8月10日に消費税10％と決まった直後から、一体改革とは全く関係のなかった人たちが、霞が関では、自分たちが所掌する経済財政諮問会議が中心的な役割を担っていた「小泉時代の夢よもう一度」と登場してくることになりました。
国のガバナンス問題
・私は「国のガバナンス問題」と表現しているのですが、それは本日の配布資料にあるような事態が、2〜3年前に次の文章を書いた時よりも進んでいるように見えるからです。
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■疾患や障がいで旅を諦めない 医療従事者が寄り添う旅行アテンドサービス「そいたび」
(OVO [オーヴォ] - 12月04日 14:40)
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「故郷に帰りたい」「あの人にもう一度会いたい」「家族と一緒に過ごしたい」「あの場所にもう一度行きたい」「きれいな景色を見に行きたい」――。病気を持っている人にも、介護が必要な人にも、そんな思いを諦めないでほしいと、医療従事者(理学療法士と看護師)が寄り添う旅行アテンドサービス「そいたび」(ミモサポート・福岡市)がスタートする。
年齢や障がいでやりたいことをあきらめてしまう人を一人でも減らしたいと、医療従事者たちが立ち上げたプロジェクト。「一人では外出できない」「周りに迷惑をかけたくない」「旅先で何かあったらどうしよう」「何をどうやって調べたら良いのか、誰に相談したらいいか分からない」など、さまざまな不安で旅行を諦めてしまっている本人や家族。そんな時に頼れる場所があれば“諦める”という選択肢はなくなるかもしれない。
同サービスでは、下見を行い、旅先で起こるかもしれないリスクや注意点を把握。旅行者の疾患や状態に合わせてスケジュールを立案する。また、旅行会社の協力も得ることで、利用交通機関の手配など旅行事業に関する支援を整えている。旅先での緊急時対応については、主治医や担当ケアマネジャーなどと事前に打ち合わせを行い、旅行に必要な情報を収集。旅先で何かあった時の緊急時対応のため、診療情報提供書の準備や旅行先の受け入れ可能な医療機関の情報も事前に把握して、安心して旅行に行ける環境を整える。さらに、医療現場経験を豊富に持つ理学療法士・正看護師が旅行に同行。医療従事者目線でリスク管理を行う。短時間から半日の外出の付き添いや、冠婚葬祭出席時のサポートなどの相談にも応じるという。
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