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2024年01月24日22:12

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ちょっと気になる医療と介護増補版権丈善一勁草書房 2018年2月1日

p.362
もっと言えば、19世紀末のビスマルクは、この体制を守るために第一の恩恵を被っている経営者も責任を果たすべしと、企業に負担を求めた。すごい政治家ですね。
上坂　最近の経済界の主張の多くは短期的な利潤を追求するためだけのものと感じます。
権丈　同友会とか経団連というのが、個々の企業の要望である短期的な利潤極大化を求める市場の声に拡声器をつけるだけの団体だったら、民主主義の力で市場の力を抑えていくしかないと思います。でも、経済界の大きな団体はそういう存在ではなく、大所高所、長期的な観点から合成の誤謬を調整・解決する役割を果たしてくれるのが存在意義でしょう。
　同友会が昨秋に出した「未来への希望を拓(ひら)く税制改革」などは、そうした観点からの提言だと高く評価しています。
　それに公的年金保険、医療保険、介護保険の存在理由を今さら論じる必要はないとも思います。これらの制度はこの国の人たち、労働者が尊厳をもって生涯を全うするために重要です。そしてこうした制度の将来の給付額、より充実したサービスは積極的な子育て支援によって高まる。だから日本人全員で連帯して支えようという話です。
上坂　日本の少子化は危機的な状況にもかかわらず、対策は進みません。
権丈　1989年の出生率が過去最低となった翌年に「1.57ショック」とネーミングして、少子化対策をやろうとした。そうしたらバブルが崩壊して、何もできなくなった。これは不幸なわけですよ。

　〈子育て支援連帯基金〉　子育て支援の新たな財源確保策として小泉進次郎氏ら自民党の若手議員が3月に「こども保険」創設を提言。
p.363
公的年金保険料に新たに保険料を上乗せして徴収し、その財源を幼児教育・保育の早期無償化や待機児童の解消に充てる。これに対し権丈教授の案は、年金、医療、介護の3つの制度から財源を捻出し、基金に拠出。基金から子育て支援策に投入する。

　ちなみに、人生100年特命委で話した「子育て支援連帯基金」というのは、この本185頁に書いている「年金と医療介護の類似性」という考え方の、ちょっとした応用編だったりします。僕が人生100年特命委で報告するための資料を作っている時には、「年金と医療介護の類似性」を強く意識していました。そして実際、その資料の中には、この本の図表31「年齢階層でどのように医療・介護が使われているか」(96頁)を載せましたし、人生100年特命委でじっくりと時間をかけて説明もしています。こんな感じで……

医療や介護というのは、高齢期に支出が集中する費用、そうした消費支出を生涯で平準化する、consumption smoothingという役割を果たしています。その意味で、年金も同じです。現在の公的年金保険も公的医療保険・介護保険も、人々の高齢期に集中する支出を賄うための負担が、ある個人に集中したり、人生における、ある年齢期に集中したりすることのないよう、より多くの人に、より長く関わってもらうように制度設計されたものです。

年金・医療・介護の類似性
・現在の公的年金保険も公的医療保険も、人々の高齢期に集中する支出を賄うための負担が、ある個人に集中したり、人生におけるある年齢期に集中したりすることのないよう、より多くの人により長く関わってもらうように制度設計されたものです。
p.364
そしてこの国では、かなり残念な特徴ではありますが、税よりも保険財源の方が制度の安定化を図ることができることは、過去においては経験済みで、そして次章以降で論じるように今後はその傾向は一層増していくことが予想されます。
・権丈(2017)『ちょっと気になる医療と介護』184頁

これら制度の持続可能性、具体的に言えば、将来の給付水準の高さは、将来の労働力の質と量に依存、つまりは、公的年金、医療、介護にとって、自らの制度のために子育て支援施策が極めて重要になってくる。

そしてこれら制度の持続可能性、より具体的に言えば、将来の給付水準の高さは、将来の労働力の質と量に依存します。つまりは、これら3つの制度にとって、次世代育成、子育て支援施策が極めて重要になってくるわけです。

　そんな感じで、既にある考え方の応用だったので、人生100年特命委用に作った資料、つまり子育て支援連帯基金構想は、自然に無理なく一夜漬けでできたわけですけどね。
　ちなみに、僕が人生100年特命委で報告した時、こども保険を提唱していた「2020年以降の経済財政構想小委員会」の委員長代理・小泉進次郎さん、事務局長・村井英樹さん、事務局次長・小林史明さん、山下雄平さんたちは、配布したスライドの中の「これらの制度の持続可能……公的年金、医療、介護にとって、自らの制度のために子育て支援施策が極めて重要」というところに、そろって、スッ！と線を引いていたのが印象的でした。
p.365
　ありがたかったのは、さわやか福祉財団会長の堀田力先生、世間では有名な紹介の仕方をすれば、ロッキード事件で田中角栄元首相を追い詰めていった検事であった(2016年NHK未解決事件file05「ロッキード事件」ではアリtoキリギリスの石井正則さんが演じていました)堀田先生が、次の文章を寄せてくれたことです。

「こども保険」社会の責任で
『信濃毎日新聞』2017年8月20日
　……
税と社会保険
　ただ、社会保険が経済弱者にとって不公平であることから、税でやれという反対がある。しかし、消費税なら不公平性の問題は消えないし、その消費税率10％へのアップすら2回延期されている状況では、現実味のない主張だと言わざるをえない。
　もう一つの疑問は、保険制度になじむのかというものである。子育ては介護と異なり、誰にでもありうること(リスク)ではないから、保険事故とはいえず、制度になじまないというのは、そのとおりである。しかし、子ども・子育てに用途を限定した費用を、社会連帯の考え方に立ち、社会保険の制度を借りて拠出する仕組みを新設することは、憲法違反でも何でもなく、国会の議決でできることである。
　……

　僕が言った「子育て支援連帯基金」という、高齢期向けの社会保険が、自分の制度を守るために連帯して子育て基金に拠出するという考え方は、次のような展開をみせることにもなりました。
　山崎史郎さんという、厚労省の官僚として社会保障・税一体改革を仕掛け、進めてきた人が、退職後の2017年9月に『人口減少と社会保障』という本を出しました。そこに次の図が描かれていました。
p.366

図3‐5「制度間連帯」による支え合い――「連帯基金」構想の発展型(イメージ)
…
財源を考える際に筆者が注目しているのが社会保障研究の専門家である権丈善一氏が提唱している「子育て支援連帯基金」という構想である。この構想は、子育て支援の財源として考えられているもので、年金、医療保険や介護保険などの社会保険が、自らの持続可能性や将来の給付水準を高めるために連帯して拠出するというものである。
　この「制度間連帯」による支え合いという考え方は、地域セーフティネットの考え方にも通じる面がある。なぜならば……
(山崎史郎『人口減少と社会保障』143頁)

　2011年からスタートする社会保障・税の一体改革というのは、財政再建と社会保障の機能強化を両睨みしながら財務省と厚労省の戦略的互恵関係の下に進められていました。しかしながら、2012年8月に消費税の増税が決まると、財務・厚労は力尽きたのか油断したのか知りませんけど、主導権を経済産業省に握られてしまいました。
p.367
結果、図表78で説明したように消費税の増税は2度先送りされ、2017年10月の選挙では、自公民による2012年6月の3党合意の中でかろうじて残っていた消費税の使途の変更が政局にりようされてしまいました。山崎さんが、上述の図の中で、右側の税財源のところを点、点、点と破線で書きたくなったその気持ち、分からないでもないです(笑)。
p.368
　知識補給「カッサンドラ」(327頁)と「いま何が起こっていて……」(330頁)とセットにしてこの知識補給も読んで下さい。言いたいことは、そこはかとなく分かりますよね。書いているのは2010年、もう10年近く？　言い続けています。そして、その弊害がいよいよ顕在化して、現在に至るという感じでしょうか。

『週刊東洋経済』2010年10月16日号(10月12日発行)より
　現在、与野党の最大政党では、ともに党首が財務大臣の経験者である。彼らはそろって消費税をはじめとした負担増が必要と言う。政府を支える「人」と「カネ」のうち、カネについては、差し当たり、そういう時代を迎えた。では、「人」についてはどうか。ある政党のパンフレットには、「わが国の公的部門の職員数(対人口千人比)は、諸外国と比較しても既にスリムな規模となっています。これをさらなる業務の見直しにより、純減させる取り組みが今回の総人件費改革です」とある。たしかに、日本の公務員の数は少ない。対象26か国で日本が最低である。総務省による人口千人当たりの中央・地方政府職員(軍人・国防職員除く)の比較では、英国とドイツは日本の1.7倍、フランス2.6倍、米国2.7倍、特殊法人など政府企業職員では、ドイツが日本の1.9倍、フランス3.0倍、英国6.7倍である(米国でようやく0.6倍)。
　日本の国家公務員の総定員数は、1969年度施行の「行政機関の定員に関する法律」、通称「総定員法」が規定している。同法施行以降、日本の政策環境は激変した。産業構造の転換で、たとえば15歳以上就業者に占める第1次産業就業者の割合は1970年の20％から2005年には5％に激減。
p.369
そして他国が経験したことのない猛スピードの高齢化が日本を襲い、65歳以上人口比率は40年前の7％弱から23％に届く世界最高水準にまで急増している。さらにはキャッチアップを目標とした強力な産業政策が主流であった時代が終わり、規制緩和の流れが強まることにより、行政需要は質的にも変化した。
　総定員法に基づいて各省から定員要求の査定を行う総務省行政管理局に期待されていることは、「社会経済状況の変化に対応して、スクラップ＆ビルドの原則の下、行政需要の減退しつつある部門を廃止、縮小して、新しい行政課題に対応した組織を新設する」ことであろう。しかし、府省間の仕事の軽重を図る作業は「言うは易く行うは難し」であることは容易に想像がつく。いきおい、府省間の人員配置は「現状」が強い基準となり、スクラップ＆ビルドは各府省内に任される傾向が生まれる。
　結果、行政需要が増えゆく府省の人員は余裕を失っていく一方、行政需要が減少している府省では人員が余り始め、仕事を求めて活発に動き始める。そうした力学が強く働いていることを感じるのは、この(2010年)6月に医療ツーリズムをはじめとする医療の営利事業化を提案した経済産業省『医療産業研究会報告書』を眺めたり、かつて同省、その前身の省が年金の民営化や基礎年金の租税方式化を論じていたことを思い出したりする時である。
　さらに、総定員法による国家公務員の定員制限は、国の業務を地方に押しつけるという形で地方にまでしわ寄せが及ぶ。そうして、国は総定員法の縛りを受け、地方は財政の縛りを受けて、ともに人件費が「物件費」に計上される非正規雇用を増やし続けてきた。今や、ハローワークの職員の約6割が非正規の職員となっている。しかも非正規の公務員は、私企業を対象としたパート労働法の適用除外である。
p.370
ゆえに、民間の非正規労働者よりもひどい待遇になりがちであるため、官製ワーキングプアが生まれ、現代の貧困の温床ともなっている。
　総定員法は不磨の大典と化しているようで、行政需要に応じた人員配置という始原など永遠にありえないのが、この国らしさなのであろう。
p.371
　ここだけの話ですけど、この増補版では、215頁の文章で、次の[ ]の中を挿入しています。
p.372
　これを財務省側からみると、えっ、ネットの財政赤字削減充当人分は1％分、大目に見積もっても消費税導入に伴って生じる国・地方の負担増1％を加えた2％分しかないの？　と言う話にもなります――高齢化に伴う自然増1％分というのは、微妙なところで、財務省からみると財政再建分と読むこともできるし、厚労省からみると給付増と解釈することもできます。
p.377
そうした支払い意思額(Willingness to Pay)を、「完全に健康状態で1年間生存することを獲得するための費用に係る費用の総額について尋ねる」方法で決めよっかなというようなことが、今、日本の中央社会保険医療協議会(中医協)で議論されていたりもします⁸⁴。
p.382
　ここでの話は、日本医師会・医療政策会議(2017年10月4日)と全国知事会・地域医療研究会(2017年10月18日)で、せっせと説明したことの一部です。
…
　2013年8月6日、『社会保障制度改革国民会議報告書』が総理に手交された2日後の8月8日、日医と4病院団体協議会は合同提言を出しています。そこには、かなり理想的な「かかりつけ医」の話が書かれています。

かかりつけ医とは(定義)
　なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。

「かかりつけ医機能」
・かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保険指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。
・かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間にも患者に対応できる体制を構築する。
・かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。
p.383
また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。
・患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。

　この日医・4病院団体協議会による合同提言に書かれた「かかりつけ医機能」をイメージ化したのが次の図になります。
　このイメージ図では、かかりつけ医機能を3つに分類し、
　　①日常的な医学管理と重症化予防
　　②専門医療機関等との連携
　　③在宅療養支援、介護との連携
p.384
　その中の①日常的な医学管理と重症化予防、③在宅療養支援、介護との連携がこの国では弱く、その強化が課題になっているのが現状です。
　日医と4病院団体協議会が提言したかかりけ医の内容はすばらしく、したがってこの方向に現実にどのように持っていけばいいのかという手段が議論されているのが、現状であります。是非ともみなさんのお知恵とお力をお借りしたいところであります。
　なお、『社会保障制度改革国民会議報告書』における「かかりつけ医」と「緩やかなゲートキーパー機能」については、次のような記述もあります。

　フリーアクセスの基本は守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用するという医療提供体制改革に即した観点からは、医療機関間の適切な役割分担を図るため、「緩やかなゲートキーパー機能」の導入は必要となる。こうした改革は病院側、開業医側双方からも求められていることであり、大病院の外来は紹介患者を中心とし、一般的な外来受診は「かかりつけ医」に相談することを基本とするシステムの普及、定着は必須であろう(『国民会議報告書』35頁)。

[増補時点でのコメント]
　知識補給・平成30年新春鼎談にあるように、緩やかなゲートキーパー機能の、「緩やかなゲートキーパー」には「相談・紹介者」という訳を付けました[《　》で囲まれた解説文の中にですけど]。新聞社も社会保障の担当者でない人になると、ゲートキーパーって、訳は門番でいいよねってなるようで……アッチョンブリケです。
p.386
　実は、今の日本の制度は60歳までの繰上げや70歳までの繰下げ受給が可能で、実質的には60歳から70歳の間での「受給開始年齢自由選択性」。そして60歳での給付水準を1とすれば、70歳で受給できる水準はおよそ2倍へと増える。だが、日本の年金がそうした制度になっていることは、あまり知られていない。
p.387
だから、この5月に一億総活躍推進本部の下の「65歳以上のシニアの働き方・選択の自由度改革PT」は、今後の方向性について、次のような説明をしている――「働く意欲にあふれる元気な方は、できるだけ働き続けた方が年金受取額が有利になるが、この仕組みについて、未だ国民の間では認知度が高いとは言えず、周知徹底を図る必要がある」。そして、「今後、……70歳よりもあとに増額した年金の受給を開始できるよう見直すことを検討すべきである。併せて70歳以降も厚生年金に加入し、働いた分だけ増やすことができるよう見直すことも検討すべきである」。年金について、75歳という年齢が出てきたのは、たとえば、3年前の2014年5月に当時の田村厚生労働大臣がテレビで、「今も70歳までは選択できるが、これをたとえば75歳まで選択制で広げる提案が与党から出されていて……」と発言していたことからも分かるように、今年1月の提言を受けてのことではない。
　時に政治はとても良いことを言うわけで(笑)、この方向性、極めてまっとうなものだと思う――そして私はこの方向で、高齢先進国日本が世界にモデルを示すことができるようになるためにも、日本老年学会・日本老年医学会には、今後も、75歳高齢者提言をどんどんと発信してもらいたいと思っている。
　ところで、高齢者65歳説の起源はビスマルク年金にあったとの報道が目立つ。本当は、1989年設立のドイツ帝国老齢年金の支給年齢は70歳。なお、「老後に年金をもらえる人は……御しやすい」はビスマルクの言葉である。

「終活」は何歳から始めるべき？最初にやってほしいこと
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&from=diary&id=7630209

終活とは何から始める？何歳から始める？
「終活」という言葉を耳にする機会があります。終活と聞くと「終」の文字の印象から、人生の終わりと紐づけてしまいがちで、寂しい気持ちになってなかなか終活を始められない人や、まだ自分には終活は関係ないと考える人もいるでしょう。

しかし終活には、自分の人生の終わりの準備のほかに「残りの人生を充実させるため日々の生活を見つめなおすキッカケ」という活動が含まれています。

終活を始める時期は、「○○歳から始めるべき」と誰かから決まった時期を指定できるものではなく、個々のタイミングが適した時期にやるべきといえるでしょう。

終活について難しく考える必要はありません。まずは最初の一歩として、「エンディングノート」に自分の想いを書くことから始めてみましょう。エンディングノートといっても、特別なものを用意する必要はありません。まずは家にある大学ノートに書いていけばいいのです。

ここでは、エンディングノートに書いておきたい4つのことについてまとめてみます。

1：「自分史や好きなもの」
まず終活の第一歩としてエンディングノートを書きながら、自分のエンディングに対する考えや想い・必要な情報を整理していきましょう。

まずは、エンディングノートにあなたが生まれてから、現在までの自分史を年表スタイルで書いてみることをおすすめします。心に残るエピソード、思い出の出来事などをつづります。

自分の好きな食べ物・旅行先・音楽・スポーツ・本・映画や推しのアーティストなどもまとめてみましょう。忘れていたことを思い出したり、自分について新たな発見をしたりなどがあるはずです。ふり返ってみることで、これから先の人生で「これ、やっとかなきゃ！」ということを見つけるかもしれません。

2：「介護・看護をどうしてほしいか」
高齢になれば、介護・看護を受けることになる場合もあります。そのとき誰に介護してもらうのか、どんな施設に入所したいのか、財産管理をどうするのかから始まり、延命治療、臓器提供など、終末期医療に関わることをエンディングノートにまとめます。

まだ、先のことと思っているので、分からないことも多いと思います。最初の段階では、「こんなことを考えるんだな」のだけ認識しておけばよいでしょう。今後、関連するさまざまな情報を見たり、聞いたりしたときに、自分の希望が徐々にまとまっていくでしょう。

3：「財産をどうするか」
エンディングノートには、資産やそれに関する情報を整理します。例えば、保険証券、銀行の通帳・キャッシュカードなど、有価証券、不動産の権利証、印鑑、マイナンバーカード、年金手帳、健康保険証・介護保険証などの保管場所を明記しておきましょう。

さらに、書き出してみて、もう使わないと思った銀行口座や証券会社の口座などについては、解約して、使う口座だけに整理しましょう。

4：「葬儀・お墓をどうするか」
エンディングノートには希望するお葬式についても書いておきましょう。お葬式は、亡くなった人をお見送りする儀式です。最近では、身近な方だけで見送る「家族葬」のスタイルも増えています。

お葬式のスタイルは今後も少しずつ変わっていく可能性もあり、現段階では、手厚く行うのか、簡素に行うのかぐらいだけを決めておき、これから考えるのでよいのではないでしょうか。