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2024年01月24日18:47

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ちょっと気になる医療と介護 増補版 権丈 善一 勁草書房 2018年2月1日

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p.342
 スライド34は、福祉ニーズには、国と市場と家族が対応しているのですけど、ある時代におけるある国の中での全体のニーズ像は大きく減らすこともできず、どこかを減らせばどこかが増える。
 そのようなことも考えながら、どのような国の形を選択するのが社会的厚生を高めるのかという観点を紹介しております。
 以上、貴重なお時間を15分間、ありがとうございました。

付録
 社会保障制度改革国民会議の後継組織として社会保障制度改革推進会議というものがあります。そこで僕は次のような発言をしていますね。
日時:平成29年6月22日(木)13:00〜14:35
場所:官邸4階大会議室
・権丈委員 2点ほど発言させていただきます。
 1つは、医療・介護のことを考えていくときに、先ほども地域の分析、地域差があるから分析をしていくというところで、高齢化の水準を反映させた地域差を検討していくという表現があったのですけれども、これから先、国際比較をするときにも、医療・介護の給付水準を見たり、あるいは年金の給付水準を見たり、社会保障全体を見るときには、高齢化水準を反映させたデータを用いていただければと思います。
 高齢化水準を考えていくと、この国は結構頑張っているなというところになっていきまして、……ある面、高齢化水準を考えていけば、仕方がないところがあり、そこをしっかりと負担していくというような考え方を持たないことには、この国はもたないなと。
 医療・介護の改革というのは、ニーズと提供体制のマッチングをしっかりやっていくために、これは徹底的にやっていかなければいけないけれども、やはり、そのニーズの絶対量というのは、ある程度他の国よりも大きいかもしれない。そして、今後は、どう考えてもこのニーズの絶対量というのは増えていく。これに対応していく形で財政から全てを考えていかないことには、利用しようとした瞬間に、(利用を抑制しようと仕組まれた)世知辛い制度に不愉快さを覚え、これは何のための制度だったかというような状況というのが、これから先、強度を増して出てくる可能性がありますので、ぜひとも国際的なデータを出すときには、高齢化水準を反映させた形で公につくっていただければと思います。
p.344
 今日でも、一部の地域では実現されているであろうし、医療のあるべき姿と言えば、当然すぎるほどに自然の姿ではなかろうか。
p.346
福井(聖路加大学学長)構成員……内面的なインセンティブというか、地域医療をやりたいという心持ちが、そもそも医学教育上なかなかそういう方向で行われていないというのが実情でして、大学を離れて十数年、最近は随分変わっているのかもわかりませんけれども、私がかつて17年間総合診療をやっているときには、ある大学で入学時には医学生の50%がプライマリ・ケアを将来やりたいと答えていたのですけれども、卒業時には2,3人になるのです。
p.349
 国、つまり永田町の政治家と霞が関の官僚がやっている最もと言って良いくらいに大きな仕事は、予算の編成です。この予算の編成について、目下、とても大きな影響力を持っているものに、経済財政諮問会議での議論を経て毎年6月に閣議決定される「骨太の方針」というものがあります。そして2015年に出された骨太2015には、「2020年度(平成32年度)に向けて、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分(5,000億円程度)⁷⁹……に相当する水準におさめる」という言葉がありました。ここで、「社会保障関係費」とは、政府の一般予算に占める社会保障の経費のことで、社会保障側からみれば、財源としての国庫負担のことです。
 社会保障関係費は、毎年、高齢化による増加と、その他、医療の高度化など、諸々の理由により、給付が増えていき、そうした、制度改正をしなくても自然に増えていく増加分は「自然増」と呼ばれることがあります。次頁の図をみて下さい。
 平成28(2016)年度は、自然増としてだいたい6,700億円が見込まれていました。しかし、骨太の方針2015では、社会保障関係費の伸びを5,000億しか認められていない――これを5,000億円のシーリング(概算要求基準、簡単にいえば、天井のこと)と言ったりもします。となれば、2016(平成28)年度の予算を編成するためには、なんらかの制度改正(いや、正しく改められるのかどうかは分からないのですけど、「改正」と言います)を行って自然増の6,700億円から1,700億円をカットして、増加分を5,000億円にしなければなりません。
⁷⁹ 「高齢化による増加分(5,000億円程度)」という言葉――5,000億円というのは高齢化による影響を積算して出した数字ではなく、なにもしなければ6千数百億増えるところを、5,000億円程度に抑えておけば、最近の税収の伸びとの兼ね合いでわずかにでも財政収支の改善が図られる、という程度の数値目標です。
p.350
幸い?、この年は2年に一度の診療報酬改定の年だったので薬価改定(引下げ)で1,500億円を捻出し、加えて国から協会けんぽへの国庫補助の一次的な減額200億円を差し出し、翌年度以降制度改革を行うことを確約する代わりに恒久的な削減と整理することで、なんとか2016(平成28)年度の予算は編成できています。
 では2017(平成29)年度の自然増は、2015年(平成27)の医療費の伸びの実績が高かったことの反動等もあり、2016(平成28)年度よりも300億円低い6,400億円が見込まれていました。
p.351
しかしそれでも、シーリング5,000億円程度にするためには1,400億円ほどを制度改正によって削らなければなりません。う〜ん、さて、どうする?
 ここで、今あなたが財務省や厚労省のお偉いさんになったと考えてみましょう。2017(平成29)年度の予算編成のために、どこ削る?
 幸いにも? 3年毎に見直すとされている介護保険は、前回の2014(平成26)年改正⁸⁰の3年目が2017(平成29)年春でした。そこで、介護保険に白羽の矢が立てられたわけです。それに向けた厚労省の中での人事が行われたのは2015年頃でしょうか。介護保険への国庫負担のカット、したがってその辻褄を合わせるためにできる限りの給付カットを至上命題として配属された人たちはお気の毒ですけど、彼らはがんばりました。その結果、平成29年介護保険改革が行われました。
 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(通称、地域包括ケア強化法)」は2017(平成29)年5月26日に成立しています。そこで、医療保険からの介護納付金の総報酬割⁸¹は2017(平成29)年8月から2分の1導入されることが決まりました。これが知識補給図表12の平成29年度予算の中の制度改正による国庫負担中の介護納付金の総報酬割の導入▲440億円ですね。
 介護納付金への総報酬割の適用は、2019(平成31)年度に4分の3、そして2020(平成32)年度に全面適用となります。
p.352
 骨太2015年に書かれているように、2020(平成32)年度までは国庫負担の増額5,000億のシーリングを守らなければならないことが決められています。それまでの予算編成に介護保険が確実に寄与することが決められたこと――それが平成29年介護保険の大きな意味でもありました。
 予算ってのは、こうした緊張感の中で編成されているんですよね。そして予算編成の緊張感と並行して制度改革が進められる――ところがそうした緊張感が、世間にはまったく伝わっていない……というような状況を、僕は、「財政民主主義」が運営されていく上で大変な問題だと思うのですけど、世間の人たちは、まったくと言って良いほどに何も知りません。いや、研究者と呼ばれている人たちもだいたい知らないんですね。その一端は、政治家や官僚は、投票者のことを慮って?、予算編成作業での苦労と狙いを表に出さず、投票者のためを心から思って改革をしているかのように振る舞ってきたことにもあると思っています。たとえば、平成29年介護保険改革は、自立支援・重度化防止の推進かつ世代内・世代間の負担の公平化が目的であり、結果として、国庫負担の軽減に資するというような説明がなされています。でも正直に言った方が良いんじゃないかな、お金がないって。
p.353
 日本を「給付先行型福祉国家」と呼ぶ権丈善一さん。介護だけでなく医療も年金も給付を先行させ、負担を先送りしてきたという。そうした国の介護保険制度が持続可能であるためには、安定財源の確保に取りかからなければならない。しかも、できるだけ速やかに……。
『季刊へるぱ!』vol.38(2017Autumn)
介護保険の対象を20歳からにして介護への生涯の支出を平準化
―75歳以上人口は2025年ごろまで、85歳以上人口はその後10年程度は増加すると言われています。介護保険の財源についてはどのように考えればよいのでしょうか?
 以前、「社会保障問題は財源調達問題」と本に書いたことがあります。制度の持続可能性はまさに財源問題で、現在40歳以上になっている介護保険の対象を20歳以上に拡大し、若年障がい者も給付の対象に加えるべきです。このグラフ(本書図表31 年齢階層でどのように医療・介護が使われているか)は左から読んで、たとえば75歳以上の人口は総人口の12%しか占めていないのに、介護給付費の88%、総医療費の35%を使っていると読みます。
 高齢期に支出が集中する介護の費用を40歳以上だけで負担するのはどうなのか。介護の費用はたとえば20歳から負担しておいて、生涯の介護に関する支出を平準化すべきです。高齢期に給付が集中するという意味では年金もそうで、年金は被保険者期間を40年から45年に伸ばそうという話がある。それと同じです。
 介護で20歳からを被保険者とすると、企業にとっての負担が増える。
p.354
だから企業は、介護保険はせいぜい40歳からと言う。僕はこういうのを「予備校の先生」と呼んでいます。予備校は受験性という、人の一生のある期間しか対象としませんからね。でも人は、企業で働く現役期、勤労期の後に高齢期、引退期を生きていくんです。
 税を財源とする障がい者への給付も介護保険に統合し、障害を「上乗せ」という考え方でいいと思います。この国で税にだけ頼っているのでは、今後、歳出抑制圧力が強くなりすぎる。社会保険料は一種の目的税と言ってもいいのですが、「目的税は給付の硬直性を招く」という批判があります。でも硬直的であるからこそ、権利性のある給付を守ることができるのです。
 消費税を上げるのに政治が何十年間も七転八倒している一方で、リーマン・ショックがあっても東日本大震災の年も年金保険料などの社会保険料は上がっています。
 日本の税は、財源調達力が情けないほど弱い。「税と社会保険料の財源調達力」(本書図表32)を見てください。
 1998年には国税収入は社会保険料に追い抜かれています。財源を税に求め過ぎると、制度が不安定にならざるを得ません。
 日本は給付先行型の福祉国家という道を歩んできてしまったんですね。赤字国債に頼ることなく、はじめから公共サービスの料金をみんなが負担していれば、ちゃんと高負担なら高福祉、中負担なら中福祉というように、負担と福祉の水準が等しい未来を将来世代に残すことができていた。しかし今や、中福祉を維持していこうとすれば中負担以上にならざるを得なくなっている。これ以上、負担を先送りし続けて、将来の給付と負担のギャップを大きくしていってどうするのか。
―マーケットとしての介護市場はどう見ればよいのでしょうか?
p.356
 高度経済成長期には欲しいものがたくさんあった。テレビ、炊飯器、洗濯機、エアコン、ステレオ……。でも今、たとえば家電量販店を上から下まで見て回って、どうしても「月賦」で買いたいと思う物がありますか。そうしたなかでみんなが求めているのが「必要に応じて利用できる医療や介護」などの社会保障ではないでしょうか。

社会の「灌漑施設」としての医療や介護で雇用が生まれる

 私は医療や介護をはじめとした社会保障を「灌漑政策」と呼んできました。この再分配制度を使って日本中の田畑で作物が育つようにする。今後とも医療や介護にお金を回し、それによって中央でも地方でも若い人たちの雇用が生まれ、消費者が育っていく。そういう政策こそ、成熟した日本の資本主義が求めているものだと思います。
 ちなみに、日本の1人当たりGDPは総GDPがピークを迎えた後も、そこそこに伸びています。世代が入れ替わる30年を単位でみると年率1%は累積で35%増、1.5%の伸びが30年続くと50%以上も1人当たりGDPは伸びます。今後も、適切な再分配政策と民間の創意工夫で、1人当たりGDPはそこそこに上がり続け、生活水準は上がっていく。
―介護の業界では人材不足が深刻になっているのですが。
 労働力人口が減る中で介護需要は増え続ける。そうした状況で人材を確保するには、対偶を良くするしかない。そのためにはしっかりした財源が必要になり、その財源を有効に活用していく企業努力も欠かせない。
 ダイバーシティ、多様な人材がこの業界に参入してくることが大事ですね。
p.358
 知識補給「国際的に見た日本の社会保障と医療」のはじめに書いているように、僕は2017年5月16日に「人生100年時代の特命委員会」に呼ばれて話をしています。そこで、小泉進次郎さんたちの言う年金保険料に上乗せして子育て費用を調達しようというアイデアに対して、「医療も介護も仲間に入れてくれよ」と言うと、小泉さんは「それ、いいですね。この後の記者ブリーフィングに参加して説明してくれますか」と。その記者ブリーフィングに参加していた東京新聞の上坂修子記者から、その日の帰りがけに、インタビューをお願いしますと頼まれて生まれた記事を紹介します。

『東京新聞』(2017年6月24日)より
「子育て支援の財源、誰が負担?――みんなで支える」
 少子高齢化への対応策として、小泉進次郎ら自民党の若手が提案した「こども保険」構想が注目を集めています。これをサポートする形で、権丈善一慶応大商学部教授は同党特命委員会で公的年金、医療保険、介護保険の3つの制度から拠出する「子育て支援連帯基金」創設の話をしました。子育て支援策の財源確保はどうあるべきか考えました。

上坂 年金、医療、介護という高齢期に関わる社会保障が専門の権丈さんが子育て支援のための基金を創るという新構想を提案されたことに驚きました。
権丈 だって、年金、医療、介護政策というのは、日夜、少子高齢化問題との格闘ですよ。例えば、年金の財政顕彰が5年に1度行われています。
p.359
そこで試算される将来の給付額は、出生率、つまりは将来の労働力の和人賃金の水準、要するに労働力の質によって決まります。こうした関係は、医療、介護保険も同じです。
 公的な年金、医療、介護という3つの制度は、自分の高齢期にずしんと重く集中する支出を若いうちから負担しておき、生涯の消費支出を平準化するという役割を果たしています。そうしたことは老齢年金だったら分かりやすいんですけど、医療でも65歳以上の人たちが医療費の6割ほどを使っていますし、介護だと98%を65歳以上の人が使っています。医療、介護、年金みんな同じですね。
上坂 「子どもが必要な保育・教育を受けられないリスクを社会全体で支える」という小泉氏のこども保険の理念には大いに賛同していますが、課題も多いと感じていました。権丈さんの案の方が理解が得られやすいと思います。
権丈 このご時世に財源調達の話を盛り上がらせたのは大したものですね。こども保険という賛否両論で白熱するネーミングが良かったんだと思います。みんなで大いに明るくアイデアを出し合えばいいと思う。
 彼ら若い人たちが年金保険料に上乗せしてこども保険をと提案していたので、この国最大の国難に立ち向かう大役を、年金ばかりに任せないで、医療や介護も加えてほしいんだけどと、自民党特命委で話をしてきました。年金にだけ良い恰好させるわけにもいかないでしょう。それに高齢者からは自分たちも参加して、この国の未来のために貢献したいという声もある。
上坂、小泉氏も「非常に意義のある提言」と言っていました。権丈さんの新構想は「少子化対策を進める→将来の給付水準が高まる」とした点が説得力があります。
権丈 僕は説得力を高めるためにそう言ったのではなくて(笑)、単なる制度上の事実を言っただけ。
p.360
構想自体は簡単な話で、公的年金保険、公的医療、公的介護という、主に人の生涯の高齢期の支出を社会保険の手段で賄っている制度から、自らの制度における持続可能性、将来の給付水準を高めるために子育て支援基金に拠出し、この基金がこども子育て制度を支えるという話です。この時、介護保険は20歳まで被保険者を対象として、若い人たちが自分も利用する機会のある子育て制度を支える仕組みにした方が分かりやすいよね。
 よく、子育て支援は、本来、税でやるべきだという声もあるけど、「本来」とか「そもそも」に続く話で、世の中、役に立った話は聞いたことがない。
上坂 加えて雇用保険も絡んでくるのですね。
権丈 仕事と家庭の両立支援を行っている雇用保険とのバランスと連動をはかりながら進めた方がいいとも思います。2013年の社会保障制度改革国民会議の報告書には「企業における両立支援の取り組みと子育て支援の充実は車の両輪であり両者のバランスと連動を担保する」必要があると書いてあるけどその通りだと思うんですよね。
 ついでに言うと、報告書には「切れ目なく全世代を対象とする社会保障への転換を目指すべきである。その際、全世代型の社会保障への転換は、世代間の財源の取り合いをするのではなく、それぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要がある」と、とてもまともなことも書いてあります。
p.361
上坂 高齢者と若年者の「世代間対立」が激しくなっているようで危惧しています。
権丈 子育て支援の財源というとなぜか多くの人が高齢者の社会保障を削って持ってこいと言うのだけど、別にこの国の一人一人の高齢者が他の先進国と比べてゴージャスな給付を受けているわけではないですから。
 医療、介護、年金の給付が増えてきたのは、受給者である高齢者の数が増えてきたからだし、これからも増え続けます。日本は人類未踏の高齢社会のトップを猛スピードで走っているのだから、仕方ないですよ。医療、介護、年金の効率化を図ってサービスの質を上げる努力は絶対に必要。でもこれを減らして子育て支援へということをやっていたら、自分が年をとった時に自分や家族が結構、つらい目にあいますよ。
 高齢者だ、勤労者だ、若者がとか言うのは、今時、あんまりかっこいい話ではないと思います。みんな年をとって高齢者になるのだから、自分が年をとっても、悲しい余生とならなくてもすむように、今の若い人たちと高齢者が話し合いながら折り合いをつけていった方が、良いと思うんですけどね。
上坂 保険料の負担増につながるため、企業側は難色を示すと思います。
権丈 経済同友会(同友会)に先月、呼ばれた時「合成の誤謬(ごびゅう)」の話をしました。個々には妥当であるとしても、全体を合計すると不都合が生じるという話です。かつては、個別資本にとって都合のよい低賃金労働を推し進めていけば、労働力が再生産できなくなって不都合なことが生じるから、個々の資本が反対しても総資本の立場から労働者保護を進めるべきだという「大河内理論」というのがありました。

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■納得して治療を続けるために「患者力」を磨こう
(QLife(キューライフ) - 11月20日 20:40)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=221&from=diary&id=7644200

自分や家族ががんになったとしても、病気や治療について理解するのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。一方で、治療ではさまざまな選択を迫られます。

製薬会社の武田薬品工業は、患者さんやその家族が医療関係者とよりよい信頼関係を築きながら、納得して治療を選択し、前向きに治療に取り組めるヒントを学べる、オンラインシンポジウムを開催しました(2023年10月22日)。 シンポジウムには、がん患者体験を活かしてピアサポート活動をする鈴木牧子さん(がんピアネットふくしま理事長)と、「患者力」について普及と啓発をしている東光久先生(奈良県総合医療センター総合診療科部長・臨床研修支援室室長)が登壇。患者さんが自分のことを話せる場所の必要性や、「自分らしく生きるために治療を利用する」という考え方を紹介しました。

患者同士が自分の気持ちを話せる場が重要
鈴木さんは2003年9月に卵巣がん摘出手術を受け、抗がん剤治療など2年間の治療を経験しました。その間、もっともつらかったことは「未来が見えない暗闇や、負のスパイラルに陥りそうな心、まわりからの興味本位の声かけ」であったと語りました。

がん患者さんや家族がもつ痛みは、仕事や結婚、治療費の支払いといった社会的・経済的痛みと、死への恐怖、将来を描くことができない絶望感といった精神的な痛みがあります。 がんに関する不安を相談したくても、医療者や健康な人とはコミュニケーションがうまくいかないと感じることもあるのが患者さんの本音だといいます。鈴木さんのがんピアサロンには「自分の気持ちを話せるがん体験者に会いたい」というがん患者さんがたくさん訪れるそうです。鈴木さんは、患者さん同士で話したり、がんを忘れる時間をつくることで、もやもやする不安も自然と減っていくのではないかと自身の経験を振り返りました。

患者力をもち、納得して治療に向き合う
長年がん患者さんに向き合ってきた東先生は、患者さんががんに向き合い、納得して治療を選ぶヒントとなる「キャンサージャーニー」という言葉を紹介しました。これは「がんと闘うのではなく、がんと旅をする」考え方です。キャンサージャーニーの中では、医療者とコミュニケーションをとる必要がありますが、多くの人が「医療者に言いたくても言えなかったことがある」「よく理解できないままにハイと返事をした」といった経験があるのではないでしょうか。

だからこそ東先生は「患者力」つまり「自分の人生のリーダーシップを持つこと」が重要だと訴えます。それは「自分の病気を医療者任せにせず、自分事として受け止め、さまざまな知識を習得し、医療者との十分なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、人生を前向きに生きようとする患者の姿勢」です。 患者力が高ければ、積極的に質問したり、治療や介護に参加できる一方で、患者力が低ければ情報に振り回されたり、医療者に質問できなくなってしまうこともあります。

東先生は「治療は病気への向き合い方の一部、病気は人生の一部」「治療目標は人生の目標の中にあり、その人の生き方の上に治療方針がある」と語ります。治療についてだけ考えるのではなく、自分がどう生きたいかを考えることが大切といえるのかもしれません。(QLife編集部)


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