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2020年05月29日13:59

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今日の本棚566♪



「扉は閉ざされたまま」

石持浅海
祥伝社(ノン・ノベル)


久々に開かれる大学の同窓会。高級ペンションに七人の旧友が集まった。
当日、事故を装い後輩の一人が殺害される。
開かない扉を前に、参加者の碓氷優佳だけは疑問を抱き偽装工作を紐解いていく。

探偵役の碓氷優佳、初登場の本作。
本当に凄い小説ですよ、これは。
密室が最後まで密室で、外部から分かる手がかりだけを元に推理を組み立てていくロジカルな部分も凄い。でもそれだけじゃない。
倒叙形式なので、読者は初めから犯人が分かっているのですが、この犯人と探偵役の息詰まる頭脳戦が本当に凄い。
二人ともめちゃくちゃ頭が切れる人なので、隙がない。本当に良質のミステリです。
そして探偵役の結末の付け方に唖然茫然。
こういうミステリ、他にもない訳じゃないんですが…碓氷という人間の怜悧さを見せ付けられます。
そう、この本の犯人は、もし別の小説だったら十分探偵役になり得た人物なのですよ。
犯人と探偵は実際は表裏一体で、最も距離が近くお互いを分かりあえる存在なのかもしれません。



(古)
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