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2007年02月01日13:04

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【バレエ】マールイ「ジゼル」

まずオケ。
前回の疲れ切った演奏を思えば,
多少のミスも愛嬌のうち,安心して舞台に集中できた。
ただ絶好調の時と比べるとやや迫力に欠け,
金管も太いほうが不安定だった。

第1幕。

ヒラリオン(ここはハンス)はペトゥホフさん。
ストーカー型のあまり同情できない人物像で,
悪くはないがルジさんに食われてしまい印象が薄い。

ペザントはエフセーエワさんとプロームさん。
1幕には主役2人の大きな踊りがないから,
この2人のPDDはとても重要だが,問題なくこなしていた。
エフセーエワさんに笑顔が復活。
プロームさんはまだ余裕はないが,それなりに見せてくれた。

バチルドはポリョフコさん。
踊らない役ではもったいない気もするが,
気品のあるお嬢様をうまく演じていた。

第2幕。

ミルタはコシェレワさん。
配役表に彼女の名前を見た時,
やさしい雰囲気の彼女がミルタをどうこなすのか,
ちょっと楽しみだった。

結果は,まだ力不足。
それも役造り云々言う以前に踊りが安定しない。
彼女にはもう少し筋トレが必要だろう。

ドゥ・ウィリはミリツェワさんとフィルソワさん。
ミリツェワさんは昨日はペザントを担当していたとのこと。
彼女を連日のように舞台に上げたくなる
芸監の気持ちもわからないではないし,
こうして踊る姿を見られるのはファンとして嬉しいが,
無理だけはどうかしないでほしい。

要のポジションについたとき,安定感もあって,
任務をきっちり果たしてくれるのがフィルソワさん。
もう少し踊りに華があればと思う。

群舞はまだ疲れが残っているようだ。
精霊というには足音が大きく,踊りも質感いっぱい。
力量のないダンサーたちなら仕方がないが,
できる人たちが揃っているだけに惜しい。

ルジさん。
女性ダンサーが大柄になりつつある昨今,
リフトはさすがにつらそうだが,
ジャンプや回転のキレはまだまだ大丈夫。
音のとり方や見得の切り方などは人間国宝の境地だ。
以前見た彼のアルブレヒトは,
バチルドに会った時も笑みはうかべず,
ひたすら苦悩するひとりの男だったが,
今回は貴族に戻り言い訳モードに入る役作り。
シェスタコワさんの愛らしいジゼルに
観客の同情を集めるとともに,
人間として恥ずべき行為をアルブレヒトにさせることで
自責に駆られる姿を強調しようとしている・・・
というのは考えすぎか。

ジゼルが息絶え,
剣を拾い上げてヒラリオンを凝視する眼差しは,
殺気漲る迫力だった。
師匠いわく「彼は侍も似合いそう」
先日ご覧になったベジャールの舞台を重ねてましたね。(^_^)

シェスタコワさん。
今シーズン,いつになく重い踊りが心配で,
1幕では右足の調子がいまひとつ?
と思わせるところもあったが,昨夜は総じて見事な踊りだった。

ぶりっこでヤダ,という人もいるが,
姫もこなせば村娘も違和感なく演じる,
その表現力は素晴らしいと思う。
1幕は,実に可憐なジゼルだった。
ところが2幕,PDD前の助命シーンでは,懇願というよりも,
「私のアルブレヒトの命を奪ったら,
ただじゃおかないからねっ!」という雰囲気。
そこであとずさってどうする,コシェレワさん。(^^;)

朝を告げる鐘か鳴ると,それまでの無表情から一転,
悲しみと喜びの入り混じった表情を浮かべる。
その絶妙な表現に,おもわず目頭が熱くなった。

カテコは何度あっただろう。
2人とも,なかなかこの世に戻って来てくれなかった。

主役2人の出来が良いにもかかわらず,
統一感のない舞台だったのは,
1幕と2幕の要,ヒラリオンとミルタが弱かったからだろう。
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