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2024年04月28日00:43

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きちんとスコープ・サイズで見ても、やはり「ナック」のパチモンでしかありませんでした。マイケル・サーン監督「ジョアンナ」(1968)。

「マイラ」を見てがっかりしたマイケル・サーンの監督作です。15年前にVHS録画してあったものを見ていたことさえ忘れていました。今回はDVDですから、テレビ用トリミングではなくスコープ・サイズです。劇中の歌では“シネマスコープ”と言ってますが、フォックス作品なのにパナビジョンでした。←いちおうアナモフィック・レンズを使用したらしい(byIMDB)。

そして音声がステレオでした。しかしオリジナル音声はモノラルのはずですから、DVDマスターで無理やりステレオにしたと見ました。とりあえず撮影が「トム・ジョーンズの華麗な冒険」などのウォルター・ラザリーですから、フォトジェニックな画面作りは当時としては斬新でした。って言いながら、どう考えてもリチャード・レスターとクロード・ルルーシュのミックスだけどね。

今回もっとも気になったのがアフレコです。ほとんどがアフレコで、しかもリップシンクがなっていない。無理やりカメラを動かすために同時録音できなかったのかもしれないけれど、リップシンクぐらいきちんとしてくれよ、と思いました。もっとも1960年代には、完全にボイスオーバーで制作し、それが功を奏した「シベールの日曜日」という映画があります。

前回見たのは、「スラムドッグ・ミリオネア」のラスト大団円が「ジョアンナ」のイタダキだという指摘からその確認のためでした。あのときもつまらないと感じたのですから、その15年後に面白がれるはずがありません。僕はこの映画のサントラLPを持っていたから、結構何度も聴いたはずですが、冒頭のテーマ曲以外にメロを覚えていません。

でもって舌足らずなジュヌヴィエーブ・ウエイトのセリフ回しがダメで、彼女のファッションにはそもそも興味がないのです。この程度の“小妖精”を見るくらいなら、加賀まりこの「月曜日のユカ」を見直す方が良い。←そうだな、「月曜日のユカ」あたりもみんなと一緒に再見したいものです。

つまり、1969年当時の僕は、映画の友の会という集まりに夢中になっていて、映画について深堀して話せる面白さにとことん傾倒していました。今ではSNSがそれを代行しているわけで、思えば前世紀末からネットで知り合った仲間たちの映画深堀話が、今僕の生活の支えとなっているわけです。

だから“映画で人生を学ぶなんてアホな”と考える人はちょっとあっちへ行っててください。僕にとっては映画とのかかわりが人生そのものとなってしまっているのです。てなわけで苦心惨憺の撮影テクニックかもしれないけれど、この映画の内容程度では宝の持ち腐れですね。プラットホームで踊るならMGMがとっくにやってるし。

サーン監督は、もともとポップス歌手だったのかな。そして「フィルムズ・アンド・フィルミング」というイギリスの映画誌に評論を書いていたらしい。だからフランスの同系雑誌「カイエ」を海辺で寝ている男の顔にかけていたんですな。あざとい(笑)。

それと映画館の前で踊るシーンなど、考えてみたらエドガー・ライト監督「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021)じゃありませんか。でもエドガー・ライトが「007/サンダーボール作戦」という大作を使っているのに、こちらは「恋とペテンと青空と」では勝負になりませんがな。フォックスならMM作品でも貸してやれよ。

とりあえず「マイラ」が酷評されたため、マイケル・サーンはCM作りに転じたらしい。映画出演もあるようですが、多才なようでいて何一つ成功しなかったという感じに思えます。そもそも僕は「ジョアンナ」に、イセッタかメッサーシュミットという小型車が出てくると思ってましたが、それは同時期に見た別の映画でした。もう題名すら思い出せん。なんとか“幻の小型車”を見直したいものです。
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