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2023年08月29日23:19

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コサークの反転攻勢・【第二幕・その3 プリを唆したのは誰か】

■プリ、ロシアの空に散華する■

ウクライナ軍を散々翻弄して来た民間軍事会社・ワグネルの創設者・エフゲニー・プリコジンが死亡したもようだ。

モスクワ北西約170kmにある、トベリ州でプライベートジェット機が墜落し、乗客名簿に彼の名があったという。ワグネル寄りのテレグラムチャンネル「グレーゾーン」は近くには地対空ミサイルのS-300もあった事から、撃墜された疑いが濃いという趣旨を報じた。

これに対してバイデン米大統領は

「実際に何が起きたか分からないが、驚かない。」とし、「ロシアで起きることで、プーチンが関与していないことはあまりないようだ。」

という考えを示した。

6月23日には部隊を引き連れて一部のロシア軍基地を掌握、首都モスクワへ進軍するという行動を起こすに至った。これに対しプーチンは処罰を下すと厳しい姿勢で臨んだが、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲裁もあり、進軍は停止、暫くの間、ベラルーシとロシアを行き来する生活を送っていたという。

このプーチン大統領の態度の二転三転ぶりは何を意味するのだろうか。知り合いに臨床心理士がいるが、彼に言わせると、プーチン氏の精神状態は分裂気味ではないかとVTRなどから分析した。

しかしそれを念頭においてもこの変遷ぶりの意味するところはプリゴジンの存在がロシアの軍、政界で大きかったからではないだろうか。何しろある調査によれば、プリゴジン氏はプーチン政権から日本円で年収に換算して約5千億円もの報酬を貰っていたという。ロシアは自国に優位に働くよう、アフリカ、シリアなどにも軍を派遣したり、親ロシア勢力と結びついている。表向きはラブロフ外相ら政治家がやっているのだろうが、水面下ではプリゴジンとワグネルの幹部たちが関与している。

だからそうそう簡単につぶす事は出来なかったはずだ。ワグネルを失えば、軍事力だけでなく、アフリカの親ロシア勢力のパイプも失う。クーデターを起こすはずも無かった。

しかしクーデターは実際に起きた。

先ほどのバイデン氏の発言とプリゴジンのバックグラウンドを考えてみれば、現状では状況証拠にもならないが、アメリカが5千億円をはるかに上回る報酬をオファーし、クーデターを教唆したとすれば、全て辻褄が合う。

プーチン大統領は元KGB(FSB)出身なのは有名である。彼はプリゴジンがアメリカに秘密裏に焚きつけられ、クーデターを起こした事を諜報力で知ったのではないか。勿論口外出来るはずもない。

CNNやBBCなどによれば、プーチン大統領は沈黙を破り、哀悼の意を表した後、次のように語っていた事が分かった(注・文は私が口語訳致しました。ご了承下さい。)

「プリゴジン氏は重大な間違いを犯した。波乱な運命の人物だが、同時に恐るべき人物でもあった。」

ロシア語は回りくどい表現が多いが、このコメント、要はプーチン大統領は暗に暗殺を認めたともいえる。

■第二のプリゴジンの乱が発生する兆し■

フォーブスによれば、親ウクライナのロシア義勇軍(RDK)のリーダー、デニス・ニキーチン氏はワグネルの兵員達に8月24日、テレグラムチャンネルで次の趣旨のメッセージを送った(注・英文を日本語で口語訳したものです。ご了承下さい)。

「どうやら昨日、建国の父と司令官達が冷笑的に処刑されてしまったようだ。そして、その背後に誰がいるのか、君たちはよく知っている。従って、今、君たちは重大な選択に直面している。ロシア連邦国防省の側に立ち、指揮官の処刑人の監視役を務めるか、それとも復讐するかだ。復讐するには徹底的に行動する必要がある。もし君たちが戦争犯罪を犯したことがないならば、我々の側に加わる事を強く勧めたい。血生臭いSVO(特別軍事作戦)の肉挽き作業を一緒に終わらせてから、モスクワに行進しよう。そして今度はモスクワ環状道路から200km離れたところでは止まらない(注・プリゴジンの乱では200km手前で停止した)。クレムリンまで到達するだろう。」

彼はロシアの右翼社会では名の知れた人物で、「ホワイト・レックス」という愛称で親しまれている。ワグネルがバフムト戦線でウクライナ軍と交戦した時、ロシア内地深く武装蜂起した。ロシア国内に敵対勢力の軍隊が侵攻するのは第二次世界大戦の独ソ戦以来とだったという。2014年に組織されたアゾフ連隊への支持も表明している。

プリゴジンを暗殺するぐらいだから、ワグネルの未来も決して明るくはないだろう。ニキーチンの呼びかけにワグネル軍たちがどの程度応じるだろうか。

リーダーがロシアの空に散華しても、ワグネルが烏ロ戦争の帰趨を観る上で重要なのは間違いない。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

写真 ロシア義勇軍リーダーのデニス・ニキーチン
ロシアの空に散ったエフゲニー・プリコジン
墜落(撃墜?爆破?)現場


(続)
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