■ならず者国家の「ミサイル練習場」と化した日本■
朝ドラを見ていた方はいきなり、漆黒の背景に白と赤のどぎつい画面に驚かれた方もおいでだろう。あれを見たら、敏感でナイーブな子どもすら、その正体が北朝鮮からのミサイルかどうか知らないとしても、禍々しいものを感じたかもしれない。
全く以って目覚めの悪い画面だったと思う。
相変わらず岸田首相のコメントは「決して許されるものではない」と受け身である。「許さない」と云えないのは、北朝鮮の「ボス」がチャイナであり、彼自身が「隠れ」親中派だからだろう。
まともな神経の持ち主であれば、自分の庭をならず者が引っ掻き回した事に腹を立っているだろう。
ただ北朝鮮は日本如きは今や眼中にない。所詮アメリカの属国であり、アメリカの「腰巾着」ぐらいにしか思っていない。
では日本は本当に何も出来ないのかといえば、そんなことはない。技術的には日本はドイツと同様、戦術核程度であれば、1か月もあれば作れる。しかしこれをやったら諸外国から袋叩きに遭うのは分かっているので、やれないだけのことだ。
特に日本は政治的足枷が大きい。
では日本がそういった足枷を解くには、独裁的な権力者の登場を待っているしかないのだろうか。
■偵察衛星の増強が望ましい■
そのようなことはないが、その前にご説明させて頂く。
先ず国防には3段階ある。
初期段階・・・動きがあったら、初期段階で叩く。
途中段階・・・発射後、航空機、巡航ミサイル等で相手のミサイルを叩く。
最終段階・・・領内に着弾した場合、猛反撃する(大量報復)。
特に日本では最終段階が「怪しからん」と目くじら立てる政治家(特に野党と公明党)、更に左派系のマスコミが少なくない。ひどいのになると、「専守防衛」すら怪しからんというのだ。戦いを挑まれている以上、そのような事を言っていられないというのにだ。
実は途中段階が非常に難しい。発射後、ミサイルで相手のミサイルを叩くというのは実は簡単のようで、至難の業だ。平成の若人たちはご存じないだろうが、確かに平成3(1991)年の湾岸戦争の際にはアメリカ軍はイラク軍が発射した、スカッドミサイルをパトリオットミサイルで度々撃ち落とした。だが、このような「真剣白刃取り」紛いのようなことは簡単には出来ない。
となると「遺憾だ」「許されるものではない」としか言えない日本に出来る事とといえば、初期段階よりも少し前に、軍事衛星をどんどん打ち上げることだろう。上から、
「おたくら、全部見てまっせ」
という訳だ。
思い出して頂きたい。
今から22年程前に東京都世田谷区で一家惨殺事件があり、その後監視カメラが大都市から一気に広がった事を。これによって、犯罪を抑止する効果は向上したはずだ。
それと同様の効果を狙うしかない。
これによって、専守防衛に反対する人たちに対し、
「いやあ、監視しているだけですから」
と言い返すことが出来る。これで専守防衛に反対する人たちは黙らざるを得ない。
勿論今回の「北の将軍様」も韓国、日本、中国、アメリカの軍事基地周辺に軍事衛星を打ち上げ、監視し、このタイミングでICBMを発射したら、各国はどういう反応をし、どのように外交的に自国が優位になるか分析している。上手く行くかどうかは不明だが、少なくとも「北の将軍様」は勝算ありと思ったから、打ちまくっただろう。
北の将軍様の「ボス」のチャイナも同様だ。世界中に監視衛星を飛ばしている。
この点、漸く日本の防衛省は監視衛星を2基体制でゆく、と報じたが、せめて北朝鮮、中国、北方領土が監視出来る監視衛星が欲しい。矢張り3基は最低でも必要なのだ。
軍事衛星を増やせという主張の理由はもう一つある。
実は今回北朝鮮が発射した、ICBMと軍事衛星は「途中まで」は同じなのだ。どこまで同じなのかと云えば、先端に核弾頭を付けるのか、衛星用の機材を取り付けるのか、その違いだけだ。
これが何を意味するのかといえば、軍事衛星を打ち上げられる国はICBMを作れる事を意味している。日本はその気になれば戦術核程度のICBMであれば、いつでも作れるんだぞ、というアピールにもつながる。
なお、実を云うと、この軍事衛星の制御技術があれば、故意にどこかの国に落下させることも実は可能なのである。勿論北朝鮮もチャイナもこれは分かっている。分かっているからこその「抑止力」である。費用対効果、政治的リスクを最小限に抑えつつ、国益を追及するスタンスこそ、「遺憾砲」しか打てない日本に出来る事だろう。
(了)
■北朝鮮がまた弾道ミサイル、3発発射か 午前と合わせて1日6発
(朝日新聞デジタル - 11月03日 22:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7173827
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