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2022年09月22日19:25

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先行掲載 ウクライナ人の見た母国の現状

適切なニュースがあれば、改めてそこに再掲するつもり。


ピスクノーワさんが語る「ウクライナの今」


裏で何かしているのでなければ、中国とインドがロシアと距離を取るようにしたのは朗報と言える。次の懸念は化学兵器と核兵器の使用か。部分動員をきっかけにロシア民衆の目が醒めることを願う。


2月以降、ウクライナに関する膨大な情報が巷間溢れているが、ウクライナ人、ロシア人からも直接話を聞いてみたいと思っていた。そんな折、富士宮市がウクライナ人の講演会(9月20日)を開催するというので、さっそく申し込んでみた。

ところが台風14号である。天気予報と雨雲レーダーを恨めしく思いながら眺めているうちに、もしかしたら行けるんじゃないだろうかという気がしてきた。まず会場のある富士宮市役所、風雨のピークは午前中で、開演する14時には嵐は収まっているとの予報。また暴風雨の激しいエリアは北に寄っているから、南寄りの道を選べば嵐の影響をさほど受けずにすむかもしれない。問題はどこまで南に迂回するか・・・。

断続的に降る豪雨の合間に家を出ると、とりあえず東名を西進する。進行方向右側(北側)には真っ黒な雲が渦巻いているが、左側(南側)の雲は灰色で、遠方には薄く青空も見える。このまま東名を走るか、それとも小田原厚木道路経由で箱根を抜けるか。状況によっては熱海まで下がる選択肢もある。

空を見上げながら選んだのは箱根ルートだったが、これが正解だった。嵐と遭遇したのは峠を越える30分程度で、それも大したことはなかった。あとから雨雲レーダーのログを見たところ、東名を進んでいたら足柄あたりで「真っ赤な」雨雲のど真ん中に突入していたようだ。そうなると減速せざるをえず、高速を使った意味がないどころか、下手すると事故に巻き込まれかねない。また熱海ルートでは間に合わなかっただろう。懸念したタイムロスも伊豆縦貫自動車道に助けられ(沼津の手前、三島から高速区間を利用できる)、無理をすることなく1330時頃には市役所に到着した。


講師はオクサーナ・ピスクノーワさん。どこかで見かけたと思ったら、シェフチェンコ八王子公演のホワイエでだった。1996年以降日本に住み、ロシア語/ウクライナ語の講師や通訳として活躍、NHKのロシア語講座などにも出演していたらしい。ドネツク州出身。

四半世紀以上も日本に住んでいるから、どこまで現地の最新情勢を語ってくれるのだろうと思っていたら、コロナ前は年に2、3回帰国しており、この8月にも1か月ほどウクライナに滞在(キーウと西部)していたとのこと。講演はその時に撮影した写真や動画を見ながらピスクノーワさんがウクライナの現状を語るというもの。まさに「ウクライナの今」。

ウクライナへは直行便がないので、トルコのイスタンブール、ポーランドのワルシャワを経由し列車でキーウへ。イスタンブール空港には戦争のbefore/afterを組み合わせた絵柄の写真展が常設されている。(たとえば半分ひまわり、半分銃弾をひまわりの花びら状に並べたもの)

ちなみにひまわりはウクライナの正式な国花ではない。(えっ!? そうなんだ?)でも国内のあちこちでたくさんみかける。というのも、ひまわりの種からとった油の生産量はウクライナが世界最多だったからだ。ウクライナ国旗、下半分は小麦の穂と言われるけど、ひまわりでもいい。

*ではウクライナの国花は? と調べたところ、「セイヨウカンボク」らしい。キーウの独立広場に建つ女神像はセイヨウカンボクの枝を掲げている。さらに驚いたのは、なんとひまわりはロシアの国花! もっともこれはソ連邦花を流用したから。なぜソ連邦がひまわりを国花と定めたのか、そのルーツも気になる。

国内にはまたウクライナ国旗、ポーランド国旗、EU旗がセットになり、いたるところに掲げられている。ポーランドの支援は半端ない。ポーランド国内の標識などはポーランド語とウクライナ語が併記され、予防接種の案内のようにウクライナ語しかかかれていないものも。ポーランドは本当に良き隣人。東の隣人とは違う。

キーウではいたるところで迷彩服の集団を見かける。軍人か民間警備隊かはわからないし、国が着ることを定めているわけでもない。でもみんな自分で買ってきて着ている。着ることで一体感を感じているようだ。

前大統領はロシア寄りの政策を発表。すると若者が反対して「平和的な」デモ。しかし特殊部隊のスナイパーが射殺。これが問題になり市民が蜂起、政権が交代してゼレンスキーが大統領に。

空襲警報はウクライナ全土で発令されている。キーウに着いた日の夜中2時にも鳴った。どうしてよいかわからずにいるうちに(長旅の疲れから)また寝てしまう。警報が鳴らない日はない。多いと1日に4、5回。(日本へ避難してきたウクライナ人のひとりは「怯えることが何もない。ただけそれだけで嬉しいよ」と語っていた)

ショッピングセンターで買い物中に警報が鳴ると、外へ追い出される。ロシアは民間人の集まるところを狙って攻撃するから。

キーウに着いた翌日、市内を車で移動していると、上部がミサイルで破壊されたビルが。もしこれを先に見ていたら、ゆうべ空襲警報を聞いた時、すぐに逃げ出していただろう。

郊外に向かうと、キーウの市境を越えてすぐのところにまで破壊された建物群。幼稚園の敷地を囲う塀には無数の丸い穴。ミサイルの破片による穴は大きさも形も不規則。でも塀にあるのは丸く大きさも揃っている。つまり銃弾によるもの。だれが、何を狙ってここを撃ったのか。塀の向こうに見えるのは遊具だけ。プーチンは「軍事施設しか攻撃しない」と言ってなかったか。

街を取り返しても何もない。電気も水道もない。住むことができない。代わりに仮設住宅が増えている。9月中旬の気温はもう10度を切る。10月には雪も降り始める。人々はこの冬の寒さに耐えられるのだろうか。(無機質な仮設住宅の写真。窓の近くの地面に花の鉢が並んでいるのが印象的だった)

道端には「ネットの98%が復活」の広告。ウクライナはIT大国。

途中、開店している小さな衣料店が。元々は女性下着のお店。ロシアの侵攻が始まると店主はいったん避難、1ヵ月後に戻ると、店内には何もなかった。ハンガーの1本も残っていない。女性の下着ですよ? 男の兵士はブラジャーが必要なの? (着替えも無い)ウクライナの人が仕方なく持って行った可能性もあるけれど、ロシアの兵士は占領した街から様々なものを強奪しているという報道からすると、やはりロシア兵が持って行ったのだろう。売るのでなければ家族へのお土産だろうか。そしてロシアの女性たちはウクライナから奪っていったものを身に着ける。

車で避難しようとした人も大勢いて、その多くが被弾した。道路には破壊された車がたくさん残り、交通の邪魔になるので焼けて赤茶色に錆た車は広場に山積みにされていた。車の中で亡くなった人もいたことだろう。(錆色の車の山の写真。その横腹には大きなひまわりの花が描かれている。手向けの花の代わりだろうかと思ったら涙が出た)

住宅や道は弾痕だらけ。そのところどころに花が飾られている。意味することは・・・。

ウクライナの土地は肥沃なので何を植えても育つ。食べる人のいない果実がたくさん、あちこちで地面に落ちている。(拾ったリンゴを窓辺に並べたピスクノーワさんの写真は一見洒落たアート作品のようだが、その背景を考えると悲しすぎる写真だった)

電柱のてっぺんにコウノトリの巣が載った写真。2羽の成鳥の姿も。この季節ではもう雛は育てられないが、戦争でいなくなっていたコウノトリが人のいない街に戻って来た。

平和な未来がウクライナにも必ず戻ってくる。


Q
ウクライナが望む支援

A
復興支援。
たとえばウクライナの暖房は(ソ連式の)セントラルヒーティング。地域暖房。これがロシアに破壊され機能していない。ウクライナの仮設住宅で冬の寒さをしのげるか心配。日本の仮設住宅などでも使われていた個別の暖房器具がほしい。

Q
子供たちはどうしているか
子供たちに何かできないか

A
教育支援。
今はもちろん、戦争が終わってもすぐには十分な教育を受けられない。教育支援として、留学生を受け入れてほしい。ブチャは教育に力を入れていた街なので、たくさんの学校、さまざまな種類の学校があったが、すべて破壊された。オンラインでの教育はすでに始まっているが、小学生にはまだ無理。彼らの5年後、10年後が心配。

Q
ウクライナの人には、父母、祖父母、妻、夫、友人がロシア人という人がたくさんいると聞くが

A
ウクライナは(ソ連邦の崩壊に伴い1991年に独立したとされるが)、実は1917年に一度独立した歴史がある。その後ソ連邦に組み込まれて1922年には終わってしまうが。(連邦の一員になったと言えば聞こえはいいが)実際はウクライナとソ連の戦争で、ウクライナは酷い目にあわされた。ウクライナ人はそのことを忘れるべきではなかった。2014年、再びロシアの侵略が始まり、そして今。父、母、祖父母(にロシア人が)何人いても関係ない。自分が(ロシア人を)どう思うかだ。

Q
上の質問者の意図は、今どう思うかではなく、ウクライナ人とロシア人は仲が良かったのではという意味なのでは

A
先に話したように、ロシアからの迫害は昔からある。ウクライナ人というだけで就職など差別される。ウクライナ人はなんとなく忘れてしまっているが、ロシアからどういう仕打ちをうけてきたかを忘れるべきではなかった。

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