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2021年11月07日00:06

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未解決事件を解く鍵はあるのか【日光フランス人観光客失踪事件・その1】

これは栃木県日光市に観光に来ていたフランス人の若い女性が宿泊先から外出したまま、行方不明になった事件である。3年が経過したが、依然として足取りは掴めていない。栃木県警(以下、県警とします)も頭を抱えている難事件のひとつだ。

関東にお住いの方であれば、ああ、あの事件も未解決だったのか、と思い出された方も少なくないかもしれない。

この事件の後、コロナ禍に我々は否応なく巻き込まれ、人々の記憶より薄れつつあるので、簡単に事件概要から見てみよう。

■事件概要■

2018年7月29日10時頃(拙稿では全て時間の表記は24Hで行います)、栃木県日光市に観光で訪れていた、フランス人の教諭、ティフェヌ・ヴェロンさん(当時36歳)が宿泊先のホテルから外出後、戻らず行方不明となった。地元の県警の懸命な捜索にも拘わらず、依然として分かっていない。

ヴェロンさんの足取りを見てみよう。

▼2018年7月27日夜 来日。

▼成田で一泊。

▼7月28日、鉄道を利用して、日光へ。

▼同日16時前後、日光東照宮から至近の徒歩3分程度のホテルに二泊の予定でチェックイン。
なお、同日日光は記録的な大雨で、24時間の降水量は2400mmを越えている。

▼7月29日10時、外出。

▼7月30日のチェックアウトの時刻になっても戻らず。

▼同日11時にホテルの関係者が警察に届け出る。

▼部屋に入ると、携帯電話はないものの、キャリーバッグ、パスポート、観光に行く予定と考えられる場所の書かれたメモは見つかった。日光東照宮、二荒山(ふたらさん)神社、瀧尾(たきのお)神社が記されていた。

いずれも観光名所として名高い。

更に、このメモ以外にも持病のてんかんを発症した際の対処の仕方を書かれたメモも残っていた。

▼GPS情報は同日AMにホテル周辺で途切れていた。

▼手がかりに乏しいため、県警は顔写真を公開に踏み切る。

・・・
以後、足取りは掴めていないのが現状だ。

■捜索の経緯■

ヴェロンさんの兄弟らは8月4日に来日し、彼女の母親も18日には来日している。彼らがはるばる日本を訪れたのには理由があり、ヴェロンさんにはてんかんがあり、学生の時に発症するや、毎年のように発症するようになったからである。一刻を争うと感じたようである。

県警は直ぐに捜索を開始したものの、広大な森林に阻まれなかなか進まなかったため、メモに記された名所の捜索を2kmに渡ってローラー作戦を展開。

また日光東照宮を中心とした、近隣の有名な神社仏閣に配置されている防犯カメラ41台を数千時間にわたる記録を確認した。

更にヴェロンさんが宿泊したホテルによく出入りする宅配業者、郵便局員にも聞き込み捜査を行なった。

先述したように生憎28日は記録的な大雨だった。ヴェロンさんは持病として、てんかんがあり、祖国フランスと異なり、高温多湿の日本の気候と時差ボケはかなり堪えたかもしれない、という事で、誤って谷川に転落し、豪雨で下流に流された可能性も視野に入れ、県警は下流も捜索した。

大谷川(だいやがわ)の渓谷も彼女の観光スポットのメモに書かれていたので、こちらも捜索を実施したが、遺留品ひとつ見つからず。

ヴェロンさんの家族は彼女はアウトドア派ではなく、文化に興味があって日本を訪れているため、道に迷って森林の奥に進んでしまった場合や、台風の後の水嵩の多い川に降りていくことは考えにくいと県警に述べている。県警はヴェロンさんの家族の協力で彼女の顔写真が載ったチラシを配布した。

当初、このチラシ等で80件もの証言が得られ、そのうちのひとつに

「失踪当日に欧米人の若い女性を日光で目撃した。」

というものが上がった。県警はこの証言を特に有力視し、救助犬を連れ、60人体制で大捜索を実施した。また彼女の家族の依頼で、フランスの民間救助会社も参加した。

しかし、所持品ひとつ発見することは出来なかった。

県警は事件の長期化に苛立ちを募らせつつあった。

次回はかねてから噂のある不審者情報について。この情報等から蓋然性を追及していきます。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(続く)
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