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2021年05月31日21:42

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神宮スズメの独り言2021春〜42〜公立進学校逆襲

早慶戦が終わるとすぐさま新人戦。今はフレッシュリーグと言う。かつてのように単なるトーナメントとは違って2組3チームに分けて総当たりのリーグ戦を行い1位同士で決勝戦、2位同士で3位決定戦を行う。

もちろん優勝争いも大事であるが、次のシーズンへ向けての戦力強化が課題だ。今日の第1試合はブロックA。昨年秋の1位校明治と3位の立教の対戦。この春のリーグ戦も最後まで優勝の可能性を残し直接対決で1勝1敗となったために早慶戦を待たずに慶應の優勝を決めてしまった両校。どちらかが連勝すれば慶應の2連敗で優勝の可能性が残されていたのだが・・・・

秋に向けて戦力をどう強化するか。立教の先発は磐城高校出身の1年生沖君だった。2019年の秋の東北大会ベスト8まで進出し21世紀枠で昨年の春のセンバツに選ばれた。だが、コロナでセンバツは中止。そして木村監督が4月1日付で異動となった。ボクは昨年3月末にはセンバツ中止を受けて東北被災地めぐりをしていた。磐城高校にも訪れた。本来なら今頃は甲子園にいたはずだと思いながら・・・・

そしてボクが磐城高校を訪れた翌日に木村監督の最後のシートノックが行われ、これは福島民友や福島民報だけではなくかなり全国レベルで報じられたと記憶している。

そして夏に行われたセンバツ出場校による交流試合。磐城高校から異動した木村元監督の甲子園でのノックも認められ試合に臨んだが東京チャンピオンの国士舘に3−4で惜敗した。

その沖君は大学入学以来初の公式戦の登板となった。立教の今季は2位。第6節の段階では自力優勝の可能性もあったが、なんといっても先発投手が池田陽佑君頼み。リリーフ陣はそれなりに揃い栗尾君や宮君に加え野口君や石元君などキャリア豊富な投手が揃う。その中で頭から行ける投手が欲しいのが立教だ。

その中で甲子園経験もあり、なおかつ最もコロナで苦しんだ年代である1年生の沖政宗君。まるで歴史的武将のような名前を持つ彼は明治を相手に堂々たる投球を見せた。

一方の明治の先発は桐蔭学園出身の渡部慎之介君。2019年春のセンバツ出場校である桐蔭学園は2018年秋の山梨で行われた関東大会まで追っかけた時なので印象は深いはずだが、この渡部君は印象がない。この大会で優勝候補だった常総学院と初戦で対戦。プロ入りした森君の本塁打で勝利し勢いに乗って佐野日大に勝った試合は見ていた。だが渡部君は投げてはいない。

この年の桐蔭と言えば森君とエースの伊禮君の存在が圧倒していたのだ。この関東大会で優勝。そして明治神宮大会に出場した時にはものすごい観客が集まったがコールド負けし、春のセンバツでも初戦敗退した。

渡部君はいきなり2連続四球を与え渡部大成君にセンター前に運ばれた。ただこれは明治のセンター直井君が一度はバックしながらも全力で前進し前に落ちたものである意味エラーに近い。もっと言えば直井君はこれまでずっとリーグ戦のベンチにはいり、上田君に代わって守備固めに入っていた選手であった。

そして渡部慎之介君はバッテリーエラーで1点を失った。2つの四球とエラーのような安打とパスボールで1失点。新人戦だ。もちろんこのような点など気にする必要はない。

だが、立教の沖君はいい投球を見せる。まず3回をきれいに9人で片づける。4回は2死から安打を打たれ、5回も2死から四球を出すが後続をともに空振りの三振に抑え、満面の笑みを浮かべながらベンチに全力疾走で帰ってきた。

明治の渡部君は2回は三者凡退に抑え3回は2つの四球を出すも無失点でその後降板した。これが予定通りだったかは知らないが・・・

4回から明治は千葉黎明の千葉君を送り4イニングで1失点。立教の沖君は6回で降板。7回に佐々木孝輔君、大森君と1年生投手を送るが2死を取っただけで1失点。これまでもリーグ戦で投げている石元君をマウンドの送ってこのイニングを凌いだが、8回には先頭から2連打を浴び4番の杉崎君にはレフトスタンドに放り込まれた逆転された。

試合はこのまま明治の勝利となったが、立教の沖君の好投は今後の希望につながったのではないか。福島の進学校磐城高校の野球部から六大学で野球をやりたいと進学した立教大学。彼のマウンドさばきは神宮球場という大学野球の聖地を楽しんでいるように見えた。

そういえば昨年の夏も交流試合という正式の大会ではなかったが国士舘を相手にチームメイトも好プレー続出で本当に甲子園を楽しんでいるように見えた記憶がある。

六大学からプロを目指す選手はもちろんたくさんいる。しかし、2年前の夏の甲子園であの奥川と投げ合った智辯和歌山の池田君とは違う甲子園経験を持つ1学年下の沖君。昨年春に卒業した県立の進学校福島高校出身の手塚君のように強気な投球で立ち振る舞ってほしいと思った。



2021年5月31日 東京六大学野球春季フレッシュリーグ ブロックA 1回戦(於 明治神宮野球場)
立教
100 000 110 = 3
000 000 13x = 4
明治

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