mixiユーザー(id:12949847)

2020年06月28日14:58

73 view

今日の本棚596♪



「名短編、さらにあり」

北村薫・宮部みゆき(編)
筑摩書房(ちくま文庫)


「名短編、ここにあり」に続くアンソロジー第二弾。
十二話が収録されています。
前回のインパクトも相当なものでしたが、今回もここで出会わねば一生読めなかっただろうな、と思う不思議な世界ばかり。
巻末の解説対談がありがたいです。
自分がちゃんと読めているのか自身がない…(汗)

「鬼火」吉屋信子
短さが生きた怪談。帯がいいですよね、ガス屋の集金も勿論だけど。
短編だとこのワンアイテムがきらりと光る。

「ぼんち」岩野泡鳴
いや酷い、恐ろしい。ちょっと読んだ後立ち直れなかった。
喜劇的要素が更に鬱感増しちゃって…おろろん。
タイトルのぼんちは、関西弁で言うところのお坊ちゃんとかボンボンとか、そんな意味なんですね。
見栄や強がりが命取りになって深みにはまっていく…怖いですねぇ。

「紅梅振袖」川口松太郎
これもね、江戸っ子っていうくすぐりが最後までちゃんと効いてくるのが上手いですよね。
最初に読んだ時はそのまま『人情馬鹿物語』として読んだんですよ。
で、なるほどなぁバカだなぁってほろりときたんですけど。
ただちょっと意地の悪い見方すると、このバウムクーヘンエンドも自業自得じゃんか、ねえっていう…(笑)
いやだってどうしたって私なんかは女性側の視点で読んじゃうもの。
誰が好き好んで愛人になんかなるよ、この時代女が生きてく為には仕方なかったんじゃないかよ。
それを妾呼ばわりかよ…じゃあお前駆け落ちでもなんでもしたれや。その根性も甲斐性もねえやつが生言ってんじゃねえや。
もちろん、その前の仕打ちにプライドを傷つけられてんのは分かりますがね。
本人に直接聞いたわけじゃないんだから、事情があったんだろうとか想像できないもんかな。
んで面と向かって言われるのよな「喜んでください、愛人じゃなくなって本妻になるんです」
ざまぁwwww(根性悪くてすまん)
ほんと、君子さん視点だと振袖も着れて超ハッピーエンドなんですよね。
いや、良かった良かった。



(古)



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する