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2020年01月31日06:17

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やはり“お子様向け”映画に高等な理論を持ちこむには配慮が肝要。エヴァ・デュヴァネイ監督「リンクル・イン・タイム」(2019)。

まず僕は、A Wrinkle in Timeをカタカナ表記した題名だと意味が分かりません。グーグル翻訳すると“時間のゆがみ”だそうですが、時間という概念が地球上の尺度でしかない僕には、それを宇宙に拡大して意識することができません。時空が歪んでいてそれを利用してワープするという話なら、ミレニアムファルコン号のように星が糸を引いて飛び去る映像しか考えられない(苦笑)。

とりあえずこの映画は、数学者(クリス・パイン)が時間の歪みを利用して失踪し、遺された家族(妻で科学者のググ・ンバータ・ローと娘ストーム・リード、そして弟デリク・マッケイブ)が苦労する話から始まります。初めはきちんとした家庭劇に見えるから、imdbの得点4.2はあんまりだろと思ってました。

なにしろ3万8千という投票者の2割が最低点をつけてるんですよ。まずこんなに“否定”しなきゃいけない映画なのか?と思ってしまいます。少なくとも学校で問題を起こすとかの描写場面は、そこまで悪くない。と思って見続けたのが運のつきでした。お子様ファンタジー映画の定番へと一直線。幼い姉弟を助けようと3人の女神が現れるわけです。

そのひとりがリーズ・ウィザースプーンなのでした。リーズちゃんがローティーンだった「マン・イン・ザ・ムーン/あこがれの人」から39年も経ってしまった。僕が初めてAFMに参加した年で、たまたまロサンゼルスで2館限定公開だったこの映画を見るため、センチュリーシティまでタクシーで往復したのでした。そして見た印象は、そんな浪費を大きく上回った。

結局日本では劇場未公開でしたが、ワーナーホームビデオがVHSで発売してくれました。その売り上げは想像を絶する不人気だったと考えます。サム・ウォーターストンが最大のスターであるアメリカの家庭劇を、誰がレンタルするかということ。でも見た人には十分手ごたえがあったと僕は信じています。

それに引き換え、今回のお子様向けファンタジーはなんだと言いたい。リーズちゃんも出演作をちゃんと選べよ。←「トワイライト」でヌードを見せたり、「メラニーは行く!」では猫に火をつけてたから、昔から問題の多い役ばかりだけどね。学校の先生(「トーチソング・トリロジー」の養子)を誘惑したハイスクール物もありました。

要するに、ファンタジーは何でもアリでいいのですが、表面的に楽しませるだけじゃCGアクションと同じだし、定番の倫理観で話をまとめると、せっかくのファンタジーがしょぼくなってしまうのです。大風呂敷を広げたのに小さい弁当箱しか包んでいないというのはやめてもらいたい。

ま、滑り出しから全部つまらない作品よりはマシだけど、見た人の2割が最低点を投じたくなるのももっともな映画でした。作意あふれる得点分布だけど、以外に“正しい”可能性があるということです。せめてググ・ンバータ・ローの美貌を、もっと長く楽しませてほしかった。巻頭と巻末グラビアだけやもんなぁ。
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