中越は完璧な試合をした。猛打の慶應に対してエースの山本君とライトの山田君を小刻みに代え慶應打線を翻弄した。貧打線に持ち込んだ。相手エラーで同点とした。
慶應の9回の攻撃も2死無走者。延長かと思われたがここで善波君は四球、途中出場の関君が安打でつなぐと、最後は宮尾君が快音を発してセンター前に運び2塁走者は生還した。
サヨナラ・・・・
慶應の生井君は予選でも見ていた通り制球が悪い。だが、それも彼の持ち味。荒れ球の中に威力のあるボールと落ちる変化球で相手打線を打ち取っていく。だが、打線がまったく爆発しない。ここぞというところで中越は左右の投手を交互に使った。
3回を終わって2−1とリードする慶應の方が負けているような空気だった。そして7回には三遊間を破る安打を左翼手が後逸しそのまま生還され同点に追いつかれる。
どう見ても流れは中越だった。安打数は中越が8に対して慶應は7。中越は無失策で慶應は2つのエラーを記録していた。内容的にも慶應は負けている。
だが、その慶應の7安打の内の2本が9回の2死1塁から出たのだ。下馬評では慶應有利の試合を中越はここまで作り上げながら最後にやられてしまった。その原動力は間違いなくアルプスを一杯に埋めた慶應の応援だった。大学風のスマートな応援だけじゃなくピンチの時にシュンとならずに発せられるコールも大きかった。
慶應はこの春ベスト4の東海大相模を破って甲子園にやってきた。初戦の入りの難しさを痛感しただろう。そこにつけ入った中越。あと一歩だったが、素晴らしい試合だった。
2018年8月5日 第100回全国高校野球 1回戦(於 阪神甲子園球場)
中越
001 000 100 = 2
101 000 001x = 3
慶應義塾
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