地平線。ふわりと風をはらむマント。
フードに添えられた花束は別れのしるしか。
時計を貼り付けた犬に込められた永遠の時間。(《はるかな旅》より)
岡上淑子(おかのうえとしこ)
コラージュ展ーはるかな旅
@高知県立美術館
これは、という情報をいただいたので
会期終了間際に行って来ました。
幻のコラージュ作家・岡上淑子の
初の大回顧展です。
会場入口には天井まで届く大きさに拡大された《天使の巣》
煉瓦の建物。動物の頭部。バレエダンサーたち。
逆さまの椅子。舞うトランプ。
実際の作品は小さいのですがそれほどの拡大に耐える
細やかさなのです。
タイトルもリリカルですね。
コラージュとはフランス語で「貼り付ける」。
文字通り様々な素材を貼り付けることにより作品を作ります。
岡上は文化学院デザイン科に学び、
在学中からコラージュをはじめます。
主に洋雑誌の切り抜きから作られた作品たちは
優美繊細で独特な雰囲気をもっていました。
美術評論家の瀧口修造に認められ、新進気鋭のコラージュ作家として
個展を開き、国立近代美術館の展覧会にも出品しましたが
結婚を期に制作を停止。
よってその制作期間はわずか7年でした。
岡上が「幻のコラージュ作家」といわれるゆえんです。
離婚後は生地高松に戻り今年90歳。
近年再び評価されるようになった、きっかけの作品が左《沈黙の奇跡》(1952)
右は御本人が一番お好きだという《海のレダ》(1952)。
会場では今回展示されなかった作品もスライドで紹介していました。
全作品を収めた公式図録はAmazonでも買うことができます。
展覧会は3月25日にて終了
https://moak.jp/event/exhibitions/
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