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2018年03月22日23:57

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市会議員選挙で投票した




2018年 3月 21日 (水)

今日市会議員選挙があって午後近くの小学校に特設された投票所にでかけて一票を投じてきた。 この国に住んで38年、北の町グロニンゲンからハーグに越したのは1986年、そしてハーグからライデンに越してきて27年、もう何回投票してきたのだろうか。 市会議員選挙は4年に一度でこの町では特別に大きな問題があって市会が解散すると言うようなこともなかったから6回はそんな機会があったはずだ。 町の中には様々なところに投票所があって投票券と身分を証明できる例えば運転免許証があればどこでも都合のいいところで投票できるけれど自分はいつも一番近い小学校にでかけて投票している。 場所は同じであるけれど初めは古びた校舎だったものが7,8年ほど前に改築されて今はモダンな造りになっている。 今の新築なったこの校舎に入るのは2回目だ。 自分の子供たちが通った小学校はここから200mほど先にあってそこから100mほど行くと週2回通うジムがある。 そんな近所であるから歩いて行けるけれど天気がいいから自転車に乗って町の中心に行くことも頭に置いて出かけた。 仕事をしている時は仕事前に投票していたのだから朝の8時半ごろだっただろうか。 小学校であるから子供を送ってきてそのあと投票する父兄が多かった。 だから定年した今、人の後ろでたとえ2分でも待つのを厭いそれを避けてゆったりした午後を選び子供たちを迎えに来た父兄が去ったと思しき3時半を過ぎて投票所に入ると会場はあまりにもガランとしていて気が抜けた。 

体育館の端にテーブルがあって3人の男が座っていた。 真ん中の男が投票券と運転免許証を受け取りリストの中から自分の名前を確認して印を入れ投票用紙を渡してくれる。 それを簡単な囲いをしてある隅に持って行きそこにある赤鉛筆で一つだけ候補者か政党のところに印を入れ男たちのところに戻ってきてそばにある各家庭のゴミ出しに使うコンテナーを改造した投票箱にいれる、というだけのことだ。 写真を撮ってもいいか尋ね、もう忙しい山は過ぎたんだろうと話を振ると、ああ、朝の8時ごろからちょっとの間だけだったね、こどもたちの父兄が子供を送って来るついでに投票して行ったから、という。 あれ、でも3時ごろから迎えに来る父兄の山もあったんじゃないか、と振ると、何言ってるの、今日は水曜だよ、どこの学校も昼からはやすみだろ、というのでそのことを思い出した。 小学校の事などもうとっくの昔のこととして忘れている。 一人が、あんたまだそんな年頃の孫ないだろう、そのうち水曜の午後は子守になるぞ、と言われた。

うちの通りの年寄りには元役人であったりこういうボランティアをしている老人が二人いた。 それがいつもここに坐っていたのだがその一人が3年ほど前に物故、去年もうひとりも脳溢血であっけなく亡くなった。 だから今回からは見知らぬ「新人」ばかりだった。 何枚か写真を撮ってそこを離れるとき、もし興味があれば開票の時くればいい、委員が皆で票を読む時は市民開放だからまわりで「監視」するのが原則でコーヒーや酒を飲みながらおれたちが素面で数えている時ワイワイいいながら見るのも面白いよ、という。  夜はテレビを観ながらオランダ各地の様子を見るのを楽しみにしているので中途半端に返事をしてそこを出た。

このあいだこの選挙のための討論会が子供たちが通った中高一貫校で催されそれに出かけて次のように書いた。

https://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/65950893.html





                  議席数  2018 (2014)

1 D66党  (リベラル)  9  (12)            
2  SP   (オランダ社会党)  3  (5)
3 VVD  (オランダ保守党)  6  (5)
4 PvdA  (オランダ労働党)  4  (5)
5 GROENLINKS (オランダ緑の党)   8  (4)
6 CDA  (キリスト教民主党)  3  (4)
7 PvdD (動物愛護党)  3  (1)
8  CU  (キリスト教同盟)    1  (1)
9 鍵の党 (ライデン市の紋章の鍵に由来する)  2  (0)

選挙前上に揚げたように各政党の議席数の多い順に1から9までリストにされていたものがその勢力図が変わった。 リベラルのD66が3つ議席を減らしたものの第一党を保っている。 それに一つ差をつけられて迫ったのが GROENLINKS (左翼緑の党)でありテレビの選挙特番で述べられていたように住民の中で高学歴の割合が多い都市に現れる現象だと言いオランダの中ででそれが最も顕著なのがユトレヒトであると言われている。  このライデンはオランダで一番古い大学がある町だからそれも分からなくもないがお坊ちゃんお嬢ちゃんとインテリといわれる人種に人気のある左翼緑がこれだけこの町で伸びるとは少々驚きだった。 学生は4,5年経てはこの町からでてどこかに行くのだからその人口は10分の一ほどでしかなく後は普通の町で自分には学生は客、あとは普通の村という感想をもっていたのだけれどここにきて左翼緑の党首によるイメージ全国キャンペーンが政治にあまり興味のない学生を投票所に運んだのだろう。 北のグロニンゲンでは学生を投票所に運ぶ意図から投票所をカフェーやバーに設け夜12時まで投票できるようにしたという。 自分の見た討論会ではこの20年ほど遠くから眺めていたアル中のカフェー・オーナーがこの党の代表として登場したのに驚いた。 彼は何も具体的なことを言えず更に自分が町にどのようにコミットしているかというその例さえ挙げられず、それはこの何年かのPvdA代表たちと同じだったからその結果としてPvdAのように後退するだろうと予想していたものがこれだからこれはまったく党全国キャンペーンのイメージ以外の何物でもない。 いずれにせよこれから4年は上位3党で市政運営のイニシアチブをとっていくのだろうから極右党の入る余地のない市政となって穏やかな民主主義が運営されるものと期待される。

全国レベルで今回の選挙で顕著になったのは既成政党の票が軒並み後退する一方、各市町村独自の地域党の躍進である。 これには市民の既成政党への失望感、政治不信とまでは行かなくとも不満の表れが地元党への傾斜となったと解説されていた。 つまり中央政党の統制に縛られないそれぞれの市町村独自の政策を掲げる党に期待を持っているということであり、その各地方政党の性格はどちらかというと右寄りのものが多いと見られている。 つまり地元優先ということになれば自然と保守的な政策が掲げらる。 今回ハーグ市などでは極右政党PVVから飛び出して自分の名を冠した党を旗揚げしたものが第一党となるということまで起こっていて世界都市であるハーグの今後の動向が興味の的となっている。

尚、自分は日本で国立大学の法学部を卒業して一定程度の政治的興味をもち、市民としての権利と義務の感覚は持っているつもりだ。 そして偶々オランダに住むことになり人に迷惑をかけず義務をまもっていることからオランダ国籍をもたずとも地方選挙のレベルで選挙権をもつ。 このことにより外国人として自分の住む町の政治に微力としても関わるシステムの中にある。 日本で外国人に対する参政権のことが議論されたものを仄聞したことがある。 その議論の多くが民主主義の議論というよりアジアの政治状況に端を発するナショナリズムが匂うものだったように記憶する。 従って否定的なものが多かったように思う。 もし自分が日本に住む外国人であり一定程度の期間日本に住み、その義務を果たしているとしたら国政とまでは行かなくとも地方選挙投票権を主張するだろう。 そのことにより日本の民主主義に貢献できると思うからだ。 そのことを今民主主義とは何かで揺れている日本に長く住むアジア系非日本人に訊いてみたい気がする。 
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