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2017年11月09日08:22

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【バレエ】 新国立劇場バレエ 「くるみ割り人形」(3日マチソワ/4日)

お師匠さまが遊んでくれないので、
連休中、久しぶりに走りに行き、遭難(?)しかけた。

その話は日記を改めることにして、
我が師は連休中、新国の「くるみ」を3本ご覧になっていた。
(だから遊んでくれなかった。(笑))
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

夏に観た「ジゼル」が思いのほか楽しめたので、
私も観るつもりでいたが、今回は席に呼ばれなかったから、
以下は我が師の感想です。
ちなみにご覧になった回の配役は次の通り。

米澤/ムンタ(3マチ)
小野/福岡(3ソワ)
木村/渡邊(4)


「(Kから移籍した井澤くんの)弟さんはネズミの王様だけど、
お兄さん(の登場)は『シンデレラ』からじゃないかな。
弟さんも意外と表現力が増しているのを確認。こんなに芸達者な人だったかな。
被り物の人じゃないから、配役に疑問だったけど頑張ってた。
というか、被り物の割に踊るし、いろいろやることあって大変そう。
華やかな容姿の人なのに、被り物で顔がわからないのは、
ファンには複雑だろうね。カーテンコールで一度被り物をとってたよ。」

「ムンタギロフくんはキラキラ王子そのもの。ランビエールさんにも見せてあげたい。
米澤さんとのパートナーシップも良い。彼らの2日目かと思ったら、初日だった。さすが!
でも、集中してのめり込んだのはGPDDくらいかも。何か今ひとつ入り込めない。
(振付、演出が)ブツ切りというか、繋がりがないというか。
つまらないわけではないし、ダンサーは良いと思うのだけど。」

「振付はリフト多用で難易度が高い。体力的にも大変そう。
だけど、私は日本人だからか、余白の美というものも求めてしまう。
詰め込み過ぎるとかえって印象が散漫になるというか、
美しさが生かされないというか。なんだか淡々と見てしまうプロダクション。」

「指揮者はバクランさん。
演奏は東フィルの割りには良いと思っていたら、トランペットがやらかした。」

「群舞は綺麗なのに、雪の場でネズミたちが邪魔をする。
最初に出てくるのはよいとしても、
群舞の美しさを堪能している途中で出てくるのは本当に邪魔で、
イギリスの(下手な)群舞をごまかすのならともかく、
(イーグリングさんは)新国の群舞の力を分かっていないのでは? という演出。
『眠り』で新国を見てるはずなのに、何でこんな演出をしたのか。
せっかくの群舞が台無し。花ワルももっと美しくできるはず。
バレエ団の実力に合わせた演出ができる、ラトマンスキーさんとは違う気がする。」

「衣装は綺麗。中国はKと似てる。」

「今日(3日ソワレ)はDVD用の映像収録があって、
マチネを観た後は、今ひとつ買う気にはならなかったけど、
小野&福岡ペアを観てしまうと、映像に残してくれてありがとう!
という気分。価格しだいでは買おうかな。演出が変な所は早送りする。」

「演出の不満な部分をダンサーの技術力でカバーしている。
ロシアの福田さんの身体能力とか、GPDDの後の群舞の美しさとか。
男性群舞の4人×3列のザンレール、
みんな正面で着地するし、全く時間差なく揃って着地。
それが前列だけでなく3列ともという見事な美しさには目を見張る。
男性もすらっとした長身のダンサーが増えたので、群舞の見映えがいい。」

「雪の場冒頭のジュテ連続は足音が気になったけど、ソリストは静か。」

「子役がたくさん出演しているけど、
みんな上手いので特に飽きたり不満に思うことはない。
ツリーが大きくなる時に、ぴょんぴょん跳ねる子ネズミが可愛い。
ツリーを大きくするのはドロッセルマイヤーというより王様ネズミなのかなぁ。
魔法をかけてるのはドロッセルマイヤーっぽい感じにもなっているんだけど。
夢だから何でも良いのかな。」

「クララにはルイーズというお姉さんもいる。
冒頭から主役のダンサーが現れる直前まで、ずっと紗幕がかかっていて邪魔。
観にくいし、意味があるの? と思う。」

「クララはフリッツにイタズラされたり意地悪されても、
やり返すことなく泣いている、おとなしい子。
なのに夢の中になると、くるみ割り王子を助けるためではなく、
いきなりネズミの王様に向かって行く。性格が変わってる。
夢の中だから気が大きくなって強くなってる、と解釈することも可能だけど、
キャラクターの一貫性には欠ける。」

「クリスマスパーティーの途中で聖ニコラスが登場、
良い子の名前が記してある本を開いて名前を読み上げて、
その子はプレゼントを貰える。
フリッツは良い子じゃないから、名前がなくてプレゼントを貰えない。
聖ニコラスの袖を引っ張って、僕は? と尋ねて貰えないとなると、
腕を掴んだりして抵抗、それでもダメで泣き出すと、
両親から兵隊の帽子と剣を貰ってご機嫌。」

「クララも名前を呼ばれなくて泣くのだけど、そのまま我慢してしまうし、
気遣う人もいるけどプレゼントを貰えずじまい。
くるみ割り人形を貰うための伏線ではあるものの、
くるみ割り人形を貰う前に別の踊りが入り(アルルカンや人形、ムーア人の音楽)、
エピソードが途切れてしまう。
その後とってつけたように、くるみ割り人形を貰うのだけど、
繋がりが上手くないとしか言えない。」

「どうやら地方公演もできるようにと、舞台美術を少なくしたらしいのだけど、
そのぶん人が居なくなると、ガランとした空間で踊るハメになる。
まるでガラ公演みたい。
くるみ割り人形を貰った後も急に人が消えて寂しくなる。」

「4日の舞台も悪くはないけど、昨日が良すぎた。
演奏も同様で、花ワルとGPDDでちょっと眠くなった。
若手が伸びていなかったというよりは、
看板プリンシパルがすごかったと、というべきかな。」

「木村さんは若いだけに、大きくなったクララっぽさが等身大で可愛らしい。
クララの夢、という感じが出ていて、印象は良かった。
踊りもお釣りが少なく、手脚のコントロールができているし、長い腕が綺麗。」

「くるみ王子はキャラクターが出しにくいから、個性が見えにくいとはいえ、
渡邊さんは悪くはないけど、あまり印象には残らなかった。
クララの憧れの王子らしさとなると、ムンタギロフくんはもちろん、
ベテランの福岡くんにも及ばないので、ちょっと不利。」

「二人のパートナーシップは良く、ハラハラすることはなかった。
組み合わせが固定化されてるおかげかな。
バレエ団としては、若い美男美女の看板ダンサーをつくりたいんだろうけど、
木村さんと比べると、渡邊さんの印象が弱い。
木村さんは(力量のある)ベテラン男性ダンサーと組んだ方が、
もっと伸びて、活きるんじゃないかな。」

「(今回新制作されたイーグリング版は)趣向を凝らしているのはわかるけど、
改めて熊さんが上手いんだなと思う。(新国のは)突っ込みどころが多い。」

「(舞台の)ツリーは綺麗。でもオペラシティのツリーは設営中で、
『くるみ』帰りなのにツリーが見られない。
観てる時もクリスマス気分では無かったけど。」


感想をうかがっていると、席に呼ばれなかったのは、
資料室かDVDでいいよ、という思し召しに思えてきた。(笑)

もし身長のバランスに問題がないのなら、木村さんは、
井澤(兄)くんと組んだ方が良いように思う。

それにしても、「くるみ」を演るには、時期が中途半端に思える。
季節が真逆の夏の暑い時に、あえて「くるみ」を上演し、
気分だけでも涼を味わうという嗜好なら面白いが、
クリスマスも近く、過ごしやすいこの季節に、
積極的に「くるみ」を演る理由がない。

「ホフマン」「眠り」とシーズン冒頭の新制作が続いたから、
新制作作品で新シーズンの幕開け、を売りにしたかったのだろうが、
オープニング、新制作ともに単体でも話題になるのだから、
両者を重ねるのはもったいない気もする。

振付家としてのイーグリングさんの力量にも疑問符が付く。
今回は契約上仕方が無かったのかもしれないが、
「眠り」の不評は耳にしているはず。
もし次も契約してしまったのだとしたら、
芸監の眼力も怪しいと言わざるを得ない。

外国人振付家でないとダメという、くだらない縛りがあるのでなければ、
それこそ熊さんや鈴木さんに依頼すれば、
遙かに魅力的な物語を構築してくれることだろう。

ダンサーに恨みはないが、新国の運営母体には、
つい不審感を抱いてしまう。
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