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2017年08月28日06:22

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YOUTUBEで映画を見ることも、場合によっては“好都合”だと判明。ロバート・フラハティ監督「モアナ」(1926)のサウンド版を観賞。

このところロバート・フラハティのドキュメンタリーに魅せられて、「ルイジアナ物語」(1943)のDVDまで取り寄せました。しかし、英語版だからなかなか手が伸びません。そんなとき大曲の花火大会の前夜、ホテルでそろそろ寝ようかと思いながらネットをあちこち見ていたら、YOUTUBEに「モアナ」の100分版がまるまるアップされているのに気づきました。

これはロバート・フラハティの娘モニカが、1975年に再現したサモアの人々の会話や音楽をつけた「サウンド版」(このときは16ミリしか手に入らなかったとか)を、2014年に“現存する最良の35ミリプリント”の2Kリマスター版に置き換えた作品のようです。そのアドレスをキープしておかなかったので、ここにリンクできないのが残念。

1926年とはいえ、やはり35ミリの映像はいい感じです。そのほかのバージョンだと、ぼやけていたりノイズが甚だしいのですが、このバージョンなら十分観賞に耐えました。僕は1080の画質を選んで、全画面表示にして見ました。HDMIで47インチにつなげば、もっとよかったろうけど、旅先ですからね。

まず「モアナ」という名前です。ディズニーが、「モアナと伝説の海」(2016)で主人公にしたモアナは女の子でしたが、フラハティのモアナは男性でした。DVDなどのジャケットに女性が映っているから、僕は当然この女性が主人公だと思っていたら、この女性はモアナの婚約者なのでした。

フラハティは、モアナの漁の模様や、日常の風景を積み重ねます。小さい弟がするするとヤシの木に登るシーン(写真3)など、見ているだけで面白い。透明度の高い海にこぎ出してウミガメをつかまえたりするシーンは、なかなかの見ものでした。とにかく35ミリフィルムをリストアすることで、フラハティが体験していた南海の生活がまざまざとよみがえります。これがドキュメンタリーの真髄であり、映画の威力だと感心します。

公開当時はセンセーショナルな話題となったんでしょう。映画というものの、メディアとしての力に思いを馳せると、無声映画時代に多大なインパクトを与えたこの映画というものが浮かび上がります。ちょうど大曲で花火大会を初体験した日の前後にこの作品を見られたのは、これまたタイムリーでした。花火のテレビ中継が、あのスペクタクルの1/100も伝えられたかどうか。その事実が「モアナ」の南海の楽園の抒情とシンクロしました。

2014年にリンカーンセンターで行われた上映会でこの作品を見た感想がウィキペディアに書いてありますが、まさに"absolutely wondrous"だったのでしょう。皆さんも、ぜひ探し出してご覧ください。
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