「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」
宮部みゆき
角川書店(角川文庫)
著者の時代物、三島屋変調百物語シリーズの3冊目。
6話の連作短編が収録されていますが、4話目「小雪舞う日の怪談語り」では他家の百物語に招かれるという趣向で更に4話の怪談が含まれていますから、シリーズ中では最多の9話もの怪談を読むことが出来ます。
本当にもう、著者は出し惜しみしないなぁという感じ。
表題作「泣き童子」の結末が本当に悲惨で、救いの無さに眩暈がします。
先の2話が切なくも微笑ましい話だから尚更。
謂わば「もう半分」なのですが、因果の恐ろしさは生きている者の罪の意識に寄るところが大きいのでしょうね。
その後に続く4話目は、主人公おちかと共に、読者の気持ちを楽にしてくれます。
このバランスの良さがありがたや〜。
(書)
ログインしてコメントを確認・投稿する