mixiユーザー(id:12949847)

2017年03月25日22:41

344 view

今日の本棚450♪



「ブラックチェンバー」

大沢在昌
株式会社KADOKAWA(角川文庫)


主人公の河合警部補は内偵中に拉致され始末される寸前、ブラックチェンバーと名乗る組織に救われる。
警察を退職し、犯罪組織を壊滅させる国際的な秘密組織ブラックチェンバーに加わった河合は、自分を殺そうとしたロシアマフィアの目的を探ることとなる。

国際的犯罪組織の、詳細なディテールがリアリティと緊迫感を生み出します。
コワリョフが日本で何を密売する気なのか、がストーリーを引っ張る大きな謎。
後半に判明するそのアイディアは秀逸。
また、河合と彼を護衛するチヒが、じりじりと信頼を深めていくところも良いです。

正義とは一体何なのか。
理想と現実の狭間で、踠き踏ん張る主人公に共感します。
大沢作品の中では苦味が残る、色々と考えさせらる一冊でした。

解説は春名幹男氏(早稲田大学大学院客員教授)。



(古)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する