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2016年09月11日22:13

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中川一政

大好きな《花をのみ》と何十年ぶりかに再会。
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没後25年 中川一政
〜心の太鼓が鳴りわたる〜
@香雪美術館

「心の太鼓が鳴る」とは優れた墨蹟に対峙した瞬間のことだそう。

97歳の最晩年までエネルギッシュに創作を続けた画家、
代表作が真鶴の個人記念館から来ています。

もとい、中川は高校時代には短歌俳句に励む文学青年でした。
絵を描き始めたのも『白樺』でゴッホやセザンヌを知ったからであり、独学です。
とはいえ21歳のとき、外国航路から帰った知人に油絵の具を貰い(本人は頼んだことも忘れていたそうですが)
初めてそれで描いた《酒蔵》で岸田劉生に認められたところをみると才能があったのでしょう。
そして油絵に留まらず、作陶、書など幅広く活動。
東宮御所にお祝いの絵を納めたかと思えば、新年の歌会始の召人になり、
文化勲章も受けたのは日々の研鑽の賜物でしょう。
今回のフライヤーのメインビジュアル《阿吽(あうん)》は90歳の作品。

そういえば向田邦子さんは生前中川一政の大ファンで、
「あ・うん」という作品の題字もビジュアルも中川に頼んだのでした。

さて展覧会。
21日に展示替えがありますが、油彩13点、紙本彩色19点、
紙本墨16点(書)、陶10点、茶杓、書簡など。
代表作《駒ヶ岳》の両側に《向日葵》を並べる展示が祭壇のよう。

晩年は額装したあとマットまで書き込み、その意匠が作品リストにデザインされているのもおしゃれ。
(絵葉書ではトリミングされていますが、実際の
作品では周囲全てがぐるりと花模様に囲まれています。
画面上部には孟浩然"春暁"の後半。)
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書も独特な力強さです。

もう少し穏やかな気候であれば、お庭で
おうすをいただきながらクールダウンしたいところでした。

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10月23日まで。
http://www.kosetsu-museum.or.jp/exhibition/
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