mixiユーザー(id:58808945)

2016年08月30日00:06

295 view

福沢諭吉の言の葉・その3

「独立の気力無き者は、人に依頼して、悪事を為すことあり。」(福沢諭吉、明治初期の教育者)


 5年前の大震災の時には名も無い人たちの見事な行動、生き方に感動されられた。しかし未だに経済が低迷していることもあるが、無力感が蔓延していると感じることが多い。

 明治の初期、日本を取り巻く環境は非常にシビアだった。「眠れる獅子」と呼ばれた中国・清がイギリス相手にコテンパンに叩きのめされ、以後列強によって蚕食されていく。何時日本もこうなるかわかったものではない。そこで諭吉は、『学問のすすめ』で上記の言の葉を説き、独立の気持ちを持つことの大切さを訴えた。それに多くの日本人が呼応して起ちあがり、独立の気力を持ち、ちっぽけな島国が列強の仲間になれた。

 バブルが終わって1993年(平成5年)、日本人の平均国民所得は世界一になった。以後はご存じの通りじりじりと下がった。2000年に3位に回復した後には、今は20位くらいだろうか。落ちぶれたものだが、それでもあの時に比べたら、我々は豊かな暮らしをしている。

 にも拘わらず、諭吉が活躍した時代と比較にならないこの無力感は何なのか。

 大事なことは、無力感の正体を自分なりに炙り出すことだと思う。そしてそうすれば、果たして自分は何をしたらいいか。それが分かってくるはずである。

 自分勝手な人たちが増えたから無力感や生きにくさが蔓延したと評論家たちは言うが、順番はそうではなく、我々が社会への適応をし過ぎて、個性を失い、無力になり、その結果はけ口として、自分勝手な人たちが増えたのではないかと個人的には思っている。

 ではお前は一体何をしているんだと言われそうなので、次の例を挙げておく。

 ▼ 世の中に氾濫する回答、メニューに依存し過ぎないこと

 ▼ 誰が言ったかよりも、何を言ったかに注目する

 ▼ 他人が作ったレールではなく、自分が敷いたレールを走るよう心がける

 ▼ 選挙では死票になってでも意思表示は必ずする

 ▼ 人の意見を聞き、自分の意見を構築していく癖をつける

 ▼ オリジナリティある生活信条をつくる

 ・・・この程度である。読まれた皆さまもこんな些細なことからでいいので、出来れば時間のあるときに自分自身の心がけを書いてみると良い。大丈夫。誰も読みはしないから。存分にやってみて欲しい。

 成功者の多くは「書く」ことで、自分を見つめ直し、自分の夢や願望を「書く」ことで、それらの多くを実現してきた。書くと言う行為は脳に良い意味での暗示を掛ける効果があるらしい。タイプはダメである。下手くそな字でいい。自分だけ読めれば。書くこと、出来れば万年筆や筆で書くと効果がある。漆黒の色が目に入りやすいからかもしれない。願望の場合、何時書いたか忘れた頃に実現することが多いと聞いた。

 ひとりひとりの気分で世の中の空気も変化していくものである。自分の意思で生きることを取り戻せば、喩えひとりひとりは無力に感じられても、自分という存在に意味を感じて生きることが出来るだろう。

 そうなれば、この生きにくい空気も払しょくされていくに違いない。ましてや日本の周囲も段々平和が怪しくなってきている。その意味でも、ひとりひとりが日本を自分の国だと思い、自分の意思で生きることの意義は大きいと思う。

 最後までお読み頂き、ありがとうございました。

3 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する