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2016年07月11日00:21

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デトロイト美術館展

火・水・木は全作品の
撮影が可能。
ココシュカ写しに行きたいけど、無理か…


デトロイト美術館展
〜大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち〜
@大阪市立美術館
フォト



豊田市美術館で開館史上第二位の人数が来館したという美術展が関西に巡回してきました。

同美術館は古代エジプトから現代美術まで幅広い所蔵品を誇っていますが、

今回の構成は19世紀から20世紀に絞った52点です。
(うち15点は日本初公開)

第1章 印象派
……クールベ、ドガ、モネ、ルノワール etc.
第2章 ポスト印象派
……セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホetc.
第3章 20世紀のドイツ絵画
……カンディンスキー、ノルデ、ベッカーetc.
第4章 20世紀のフランス絵画
……マティス、ピカソ、モディリアーニetc.




このうち最も長い時間を過ごしたのは20世紀ドイツ絵画の部屋。
表現主義です。

ちなみに表現主義は「時代の転換期や芸術家の精神的な危機があらわになる時に登場し、いつの時代にも存在する超歴史的なもの」
であり

20世紀のドイツでは「アカデミズムへの反抗、印象派の感覚主義への反発、テーマの内面的理解への強い関心」を特徴とし、

「皮肉にもナチスから退廃芸術として非難されることによりドイツ表現主義として明確化された」とのこと。

解説はともかく。

オスカー・ココシュカ《エルサレムの眺め》
ベッカー《年老いた農婦》
ベックマン《倒れた蝋燭のある静物》《オリーヴ色と茶色の自画像》…



ココシュカの《エルベ川、ドレスデン近郊》
強い色と筆致の風景画です。しばらく見入ってからタイトルを読み、漸く画面手前が川で景色を映し込んでいることに気づきました。
川辺の建物から立ち上る黄緑色の煙が風になびいています。地面と空に濃い緑。
(この絵の画像はSNSへの投稿が禁じられています)

ロットルフ《雨雲、ガルダ湖》
焦げ茶色の山塊を包む雨上がりの青い雲。湖はほんの片隅に空を写しています。
「オレンジが人家?」というひとの呟きがどうでもよく思われるほど
画面の色と形に圧倒されました。
(この絵の画像はSNSへの投稿が禁じられています)

そう、火・水・木は全作品の撮影が可能なのですが、一部の作品はSNSへの投稿が禁じられているのです。
ココシュカの《エルベ川》はポストカードになっているのに?

ドイツ表現主義でやはりポストカードになっているエミール・ノルデの《ヒマワリ》。
党員でありながら退廃芸術として創作を禁じられた画家。
これは退廃芸術展前の作品です。枯れかけながら多くの種子を残す花。
フォト




展覧会入り口には巨大なスクリーンにディエゴ・リベラのフレスコ壁画《デトロイトの産業》が掲げられています。
中庭が「リベラ・コート」として週末のコンサート会場になっているのだそう。素敵ですね。
フォト




9月25日まで。
10月から上野の森美術館に巡回。
http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/detroit/


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蛇足その1。
そういえばデトロイトといえばモーター&サウンドの街。
2013年には180億ドルの負債を抱えて財政破綻したにもかかわらず、
美術館の作品を売り払うことなく立ち直った奇跡の街でもありますね。
大阪も参考にすることがあるのではないかしら…

蛇足その2。
フライヤー、メインビジュアルのゴッホ《自画像》はアメリカの公的美術館が初めて購入したゴッホ作品。
今回様々なグッズになっています。
それはいいけど、麦わら帽子から上を切り抜くのはどうかなあ。
帽子の上にある赤色も大事のような気がするのだけれど。
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