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2016年07月15日00:58

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のたうちまわるグリフィンの第二幕

焦点:英独2人の「鉄の女」が握るEUの命運
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=4092625

 
 ■感情的になるEU、エエとこ取りしたいイギリス

 欧州が大揺れである。移民問題に端を発したイギリスのEU離脱問題で国民投票が終わったにも拘らず、イギリス国内で大荒れとなった。残留派のキャメロン前首相は「次期首相が離脱との交渉に入る」と公言、有権者のうちに400万人くらいが、国民投票のやり直しを求めている事が明らかになった。EUのユンケル委員長、実質の議長国のドイツ・メルケル首相は「早期に交渉を締結し、離脱をして欲しい」という意向を示した。イギリスは古株のメンバーなのに、その国に対して一見冷たい反応に見えるがこれは仕方が無い。そうすることで悪影響をソフトに抑え、ドミノでEUから脱退したい国が出るのを防ぐ狙いがある。イギリス以上に実は今回の移民問題で脱退しても良いかなと思っている国は実は東欧諸国に多いはずだ。

一方イギリスはイギリスで本音ではさっさと脱退したい意向もある。脱退までの猶予期間は2年間あるが、その間に移民が「駆け込み」で殺到する可能性が高いからだ。

 ちなみに移民問題というが、イギリスの場合、東欧移民が主で、シリア難民ではない。このあたり勘違いしている反応が見受けられるので注意したい。

 こういう時こそ本当は冷静になるべきなのだが、EU内でも感情的になっている。ユンケル委員長は先日、欧州議会でイギリスの代表者を指さして
 
 「お前ら、なぜまだいるのか!」

 とどなり散らす場面も見られた。

 国民投票は政治的に勿論影響力はあるものの、拘束力は実は無い。ということは、何回やってもこの程度の差しか出ないとしたら、意味が無い。寧ろ混乱に混乱をきたすだけだろう。下手をすると、暴動、テロを誘発しかねない。

 今後イギリスのメイ首相が目指す方向としては、離脱を進めつつ、EUとは自由貿易協定(FTA)を結ぶべく挙国一致内閣を組閣していくことなる、いや、それしか手が無い。FTAを結べば今まで通りイギリスとEUは貿易も出来る、その上で移民には制限を掛けることも出来る。勿論ドイツのメルケル首相とてそれは承知しているはずなので、そんなエエとこ取りは許さないと言って来る可能性が高い。

 英独の外交戦がこれから始まるのは間違いない。

 ■参考:元祖・「鉄の女」の本音は「離脱派」

 頑固一徹の「鉄の女」という称号を得た、マーガレット・サッチャー元首相はどうだったのか?

 実は離脱派だった。というか、条約批准するか否かについて、質問された時に、何と

 "No!No!No!No!No!"

 とノーを5回も言っているほどなのだ。
 
 ただし、元祖の方は理由が違う。日本の国際ジャーナリスト・落合信彦さんとのインタヴューで、彼女はこう言っている。

 「豊かな国と貧しい国が対等に手を携えて共存するのは理想的ですが、現実には無理です。」

 豊かな国とは英仏独といった「欧州三兄弟」、貧しい国とはギリシャのような国を指しているように見える。彼女がギリシャに端を発する欧州通貨危機を予測していたとしたら、驚愕するしかないが、彼女の場合、離脱すべき理由は移民問題ではなく、経済だった。この点が違う。

 メイ新首相がEUとの間でFTA締結を首尾よく出来るだろうか?評価はそれ次第ではないだろうか。

 イギリス離脱をめぐる欧州の動乱の第二幕は英独外交戦から始まるもようだ。

 

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