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2016年01月31日22:30

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サービス業化する世界経済の課題解決の一案として注目

■コストコが全国一律時給1200円以上でアルバイトを募集する理由
(THE PAGE - 01月31日 13:11)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=3829662


 ペティクラークの原則というのがある。資本主義、市場経済の世では確実に経済が発展していくと一次、二次、三次産業へと進化していくというものだ。これは消費についてもいえる。我々人間も貧しい時は第一次産業で生産された主に食べものばかり消費していたが、豊かになり、では第二次産業で生産されたマイホーム、クルマ、電気製品を買おうか、となる。それも或る程度行き着くところまで行き着くと、今度は第三次産業で生産された旅行に行こうか、カルチャー教室にでも行こうか、女性だとエステに行こうか、コンサートに行こうかとなる。ペティクラークの原則は今や世界的な傾向だ。農産物でもなく、鉱物資源でも無い。サービス、人間の人間に対する心遣い、心遣いを原料にした商品を人々は買おうという動きになって来ているのである。国によってバラツキはあるものの、その割合は今では世界平均で79%に達しつつある(日本は81%)。この点、日本のように農産物、鉱物資源が貧乏国な国は有利になり、農産物、鉱物資源をたくさん持つ国のアドバンスは確実に低下していく。

 日本の場合、最初から鉱物資源が無かった。これで1億の人達を養っていくには他国から不利な条件を承知で買い、それを加工していくしか無かった。よく「モノからコトへ」という言葉を聞く。日本は最初から「コト」で勝負していくしかなかったので、欧米とその分家であるアメリカ以外で初めて近代化に成功出来たともいえるのである。サービス業の最たるものは小売業で、本場はアメリカだが、そのアメリカで流通業の最王手のウォルマートですら今では大苦戦。同社はその地域に機関銃のように出店し、他の競合店が撤退を余儀なくされ、そのエリアを独占的なものとし(このエリアを「ドミナントエリア」という)、そこで独占的なシェアを得るような戦術を採って来た。しかし、この方法は第二次産業では有効でも、第三次産業では効果が余り出ない。寧ろ棚にたくさん商品を並べておくと欠品率は下がるが、今度は回転率も下がる。資金繰りに影響も出る。大規模にすれば良いというものではないようだ。

 最大の課題はそういう業界で働く人たちの待遇だ。製造業(=第二次産業)が強かった時代は、一般の労働者でも下請け、孫請け企業で働く人達でもきちんと正規労働者だったので、家族を養う事も出来た。しかしサービス業は特にスーパーのレジは典型だろうが、経験を積んだからといって、給料が確実に比例して良くなる訳ではない。繁忙期は確かにたくさんの人手が要るが、お客さんが少ない時は余ってしまうから、人手は要らないということで、不定期労働にならざるを得ない。

 ・・・この問題について明確な解決策を提示した人は残念ながら1人もいない。

こんなことを書くと直ぐに竹中平蔵氏(彼は「正社員なんて要らない」と妄言を吐いた人物)あたりに影響された人達が

 「グローバル化の時代なのだから、安い給料なのは仕方無いでしょ。」

と云う。しかしサービスという商品はすべてが世界的な価格に統一されていくものなのだろうか?寧ろそのような分野は限られているのではないのか。なぜならば売り手と買い手は総じてサービス業中心の社会では近くにいる。大多数のサービスはその社会やコミュニティで通用した言語、伝統にのっとって、商品の売買されるのが普通だからだ。コストコとて、現場のスタッフは日本人が殆どだし、お客も大多数は日本人のはずだ。

 ということは、グローバル化と低賃金は必ずしも一致しない。

 とはいえ、世界的に不定期労働だとどうしても給料が安くなる傾向にあるのは確か。アメリカは正社員の30%、日本は61%、ドイツは82%といった割合だ。アメリカに至ってはこの層に転落するともう1人では生きていけない。
 
 さて、この課題にどう立ち向かえば良いのか?未だに有効な解決策を提示してくれた人はいない。

 さしあたって、応急処置的にはその会社の平均年齢のボーナス時期以外の月収を時間で割り算し、その時給をせめて払うようにするしかあるまい。兎に角安定させることだ。

 と思っていたら、コストコは記事にあるように、一律賃金にしている。

 時給1200円となると、日給は9,600円。

 フルタイムでこの時給で働いた場合の金額は週休2日の場合だが、

 9.600×5×4.3=206,400円

 平均年齢の正社員の時給よりは落ちるものの、所得税などを差し引かれると新卒者の時給と同水準ということになる。

 第二次から第三次産業へと転換していくことは資源消費が抑制され、大きな戦争も減り、平和な世とリンクするので、それ自体は良いことばかりだが、雇用機会とある程度安定した収入、福利厚生をどう確保していくか、これが最大の課題といって良いだろう。この課題を解決しなければ、人々の生活が先細る一方でしかないからだ。

 年金行政だって、非正規の人達ばかりになると、今度は支払う金額も減るから矢張り不安定になる。今の高齢者の年金は若い人達が払った金額なのである。正社員が多い方が年金も安定するに決まっている。

 グローバルな賃金体系と云う言葉がまだ引っ掛かるし、福利厚生はどうなのかここでは分からないが、その課題解決の一案をコストコが提示してくれているのは間違いない。

 今後第三次産業で働く非正規勤労者の時給の基準はコストコを見習ってくるところが増えると思うし、正社員並みの時給を確保するよう年金行政のことを気にするならば、(「民間議員」の竹中氏のような人間の言う事ばかり聞いている訳にもいかず)政府も推奨して来るはずである。

 

 

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