五合庵でひとり暮らしの雪の中で、良寛は長い間病気に苦しんでいた。
老いて病の床にふし、優しく介護してくれる女性の来訪をひたすら心待にしていた。
『君や忘る道やかくるるこのごろは
待てど暮らせどおとづれのなき』
あなたが私のことを忘れたのか、夏草が茂り道が隠れてしまったのか、近ごろはあなたのことばかり待って日を過ごす。
でもあなたからは何の連絡もない。
ひょっとして老人の私も見捨てたのか。
この女性とは、うら若き貞心尼(ていしんに)で、良寛を慕って訪ねてきた尼僧に恋心を抱いたようだ。
『いついつと待ちにし人は来たりけり
いまは相見て何か思はむ』
いつ来るか、いつ来るかと待っていた人は、
とうとうやって来たなあ。
今はこのように会うことができて、この世に何も思い残すことはないよ。
と喜びを表明した歌を詠んでいます。
良寛も男、老いても
恋心抱いていたと知ると親しみが湧きますね。
親鸞にも女性がいましたから。
寂しい庵に女性が介護にきてくれたら誰でも嬉しいと思います。
合掌
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