般若心経に『真実不虚(しんじつふこ)』があります。
嘘と偽りが横行するこの世で、確かなものは仏の教えであり、真実で嘘がないという意味です。
この言葉には「思いやり」の意味が含まれています。
あるお坊さんが諸国を旅していました。
日が暮れて来たので、どこかで泊めてもらおうとあたりを見渡すと、大きな庄屋の家が目につきました。
その家を訪ねると、快く迎えてくれました。
お座敷に通され、娘さんがお茶を出してくれました。
お坊さんは娘さんの立ち振舞いの素晴らしさに感心しました。
娘さんと入れ替わりにご主人が挨拶にやって来ました。
お坊さんが娘さんの作法を誉めると、
ご主人は得意になって自慢していいました。
あの娘は秋に隣村の庄屋の息子の嫁として嫁ぎます。
お茶にお花、料理に裁縫、書道に作法を大金はたいて、遠くから師匠を招いてやっと身に付けさせました。
お坊さんはそれを聞いていいました。
娘さんになぜあんまをならわせないのですか。
私の家は庄屋で、金にこまってはいません。
相手先も村一番の金持ちですから娘にあんまを習わす必要がないと立腹されました。
お坊さんがいいました。
いずれ、あちらの両親も年をとり、病気になったり寝たきりになるでしょう。
そんなときに、お父さん腰を揉みましょう。
お母さん肩を揉みましょう。
と、あんまをしたらどれだけ喜ぶことでしょう。
ご主人はなるほど、
外見を飾ることばかり考えていたと反省し、
娘にあんまを習わせたといいます。
『身を飾るより、思い
やりの一語を胸に飾れ
』の教えでした。
今の世はお年寄りを家庭で見ることが、難しくなって来ました。
介護疲れやノイローゼになって仕事に影響するからです。
僕達も思いやりの
あんまを習っておけば
喜ばれるかもしれませんね。
習いに行こうかな
合掌
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