「パンパーン、パパッパーン、パンパーン、パパッパーン」岐阜城北のエース鷲見君は相手チームの応援にリズムを合わせ、口元が動いている。中京大中京の応援を自分に対する応援だと言い聞かせるように彼は最後の力を振り絞った。
9回表先頭打者を出しながらも無得点に抑え3点を追う最終回の攻撃に向かう。
1回いきなり長打を含む2連打で中京はあっさり先制する。そして盗塁・・・・
3番4番の連打でさらに1点。5番はセンター前にポテンヒットでまた1点・・・・
アウトを取れないままあっという間に3点を失った岐阜城北・・・・エースの鷲見君は130キロに満たないストレートを遅い変化球を交えて打たせて取るピッチング。
その投球はできた。2回以降は被安打5だった。
9回裏、岐阜城北は先頭打者が安打で出たが併殺でチャンスを潰し最後の打者は三振に倒れた。
スピードはないが最後まで緩急をつけた自分の投球を見せた岐阜城北の鷲見君。おそらくプロなんかは縁のない選手だ。だが、高校生らしく自分でできることに最大の工夫を掛け合わせてここまで来た。そして、強豪の中京と互角に渡り合った。
最後に中京の高橋監督。大藤監督の後を継ぎなかなか甲子園まで行けなかった青年監督にはOBからも批判はあったと聞く。それだけにこの日の勝利インタビューには少しジーンときた。
甲子園で一番多く校歌が流れている名門に、普通の投手で挑んだ岐阜城北・・・・
高校野球らしいナイスゲームだった。
2,015年8月6日 第97回全国高校野球 第1日1回戦(於 阪神甲子園)
中京大中京
300 100 000 = 4
100 000 000 = 1
岐阜城北
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