mixiユーザー(id:3210641)

2013年05月29日07:44

26 view

【バレエ】マラーホフの贈り物ファイナル(Aプロ/21日、Bプロ/26日)

外出先での光景。

歩道にベビーカーを2台併走させ、
おしゃべりに夢中のヤンママ。
当然のことながら、うしろには行列が。

電車を降りれば、
スマホや携帯を凝視しながら、
ゆっくり階段を降りる連中が横一列に。
やはりうしろには渋滞発生。

...もっと周囲を見ようよ。(苦笑)

*    *     *

私はBプロのみでしたが、
Aプロも御覧になったお師匠さまから、
当日顎を外さないよう、NBSオフィシャル・ツイッターの、
初日記念写真を観ておくように、とのメールが。
https://twitter.com/NBS_japan/status/336840802959519745/photo/1

...た、たぬき???


〈第1部〉

●「シンデレラ」(マラーホフ版)
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフさんのお腹、
衣装のせいか、あまり目立ちません。
パもリフト主体で派手な動きがないから、
いつもの優雅で柔らかな踊り。ちょっと安心しました。

サレンコさんの成長にはびっくり。
去年のバレエ・フェスの時には、
すでにこのレベルに達していたそうですね。

マラーホフさんとの関係が続けば、
まだまだ伸び代はありそうですが、
今後、どうなるのでしょう。

マラーホフさんにリフトされ、
空中を歩くような場面があるのですが、
サレンコさんの足使いがとても可愛らしい。
ただ足を前後させるだけなのに表情がある。
「ブリッ子」も立派な技なんだな。(笑)

●「椿姫」より1幕PDD(ノイマイヤー版)
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメイカー

これ! これ!! これ!!!
この2人が観たかったんだよ〜。

卓越した個々の技量はもちろん、
息の合った2人が、舞台のクオリティを4倍にもしてくれる。
パートナーシップ、さらに向上したのでは。

●「ジュエルズ」より「ダイヤモンド」(バランシン)
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

かつて黒森に住む人々が、人類の優性遺伝子を抽出したい、
と思った気持ちがわかってしまう、危険な舞台でした。(笑)

●「レ・ブルジョワ」(コーウェンベルク)
ディヌ・タマズラカル

マラーホフさんの秘蔵っ子も、順調に伸びています。
彼も今後、どうなるのだろう。
次期芸監次第で、移籍しちゃってもいいんじゃなかろうか。

シムキンくんの時は、
子供が親の目を盗んでお酒を飲んでしまいました感がありましたが、
彼は大人のヨッパライでした。

●「ライト・レイン」(アルピノ)
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

ラカッラさんの新しい相方ディノさん、
逆三角形、軽マッチョの肢体がかっこいい。

繰り返されるエスニック調の太鼓のリズムにのり、
薄暗い舞台でゆったり踊る様は、
阿片窟に身を置き、幻影を眺めているかのようでした。


〈第2部〉

●「バレエ・インペリアル」(バランシン)
サレンコ、マラーホフ、東京バレエ団

隣の人は寝ていたけど、群舞が意外と良かった。
とにかく揃えろ! でスタートしたバレエ団だけに、
バランシンのイメージをそれなりに伝えていたと思う。
本家の群舞よりもいいんじゃないかな。(苦笑)
全員とは言わないけれど、気になる動きの人もいるし、
奈良さんも良かった。

むしろここの問題は、
上野さんの代役を立てられない現状でしょうね。

それにしてもサレンコさん、
ちっこいのに埋もれない存在感は凄いなあ。


〈第3部〉

●「ロミジュリ」より1幕PDD(クランコ版)
アイシュヴァルト、ラドメイカー

都さんとはまた違う愛らしさのアイシュヴァルトさん、
わんこ、それも子犬のようなラドメイカーくん。
あたかも2人のために創られたかのような演目でした。

階段にちょこん、と座らされるアイシュヴァルトさんの姿が、
お師匠さまのツボにはまったようです。(笑)

●「タランテラ」(バランシン)
サレンコ、タマズラカル

いくら最初からの予定とはいえ、
「インペリアル」の後にこれもやる!? の演目。
にもかかわらず、疲れた様子など微塵もありません。
彼女のレベルアップは本物ですね。
サレンコさん、ご苦労様!

●「椿姫」より2幕PDD(ノイマイヤー版)
ラカッラ、ディノ

お師匠さまによると、
Aプロの黒のPDDがいまひとつとのことだったけれど、
意外といいじゃん、と思っていたら、本当に良かったのですね。
べた褒めでないのは、場面が違うとは言え、
さらにその上を行く白のPDDを直前に観てしまったからでした。

●「白鳥の湖」より黒鳥のPDD(プティパ)
スミルノワ、チュージン

今回の目的は、
マラーホフさんとシュツットガルトの2人、
ラカッラさんだったので、
他のダンサーや、その後のいろいろには
まったく注意を払っていなかったものですから、
休憩時間、お師匠さまに、
スミルノワさんって、どこの中堅ですか?
とたずねたところ、思いっきり笑われてしまいました。

彼女が、例の「ボリショイ驚異の新人」だったのですね。
落ち着いた態度にあの技量、
とてもハタチそこそこの子には見えない。

ただ、上手いんだけれど、もうひとつなにか欲しい、
と「ダイヤモンド」を観た時思ったのですが、
オディールを観てそれが勘違いでなかったことを確認。
とはいえあの歳であのテクニック、将来がとても楽しみです。

●「ヴォヤージュ」(ツァネラ)
マラーホフ

上着の下にちらちら見えるお腹は、
記念写真ほどの太鼓腹ではありませんでしたが、
脇腹のお肉がパンツの上に乗っている。

引退公演というわけではまったくないのですが、
現役ダンサーというには「?」な体型に、
ウルトラマンを観るのもこれが最後になってしまうのだろうか、
と思うと、時々舞台がぼやけて見えました...。

18年間、ありがとう。
もし、芸監業に未練がないのなら、
また体を絞り、一ダンサーとして、
素晴らしい舞台を魅せてください。


★ご参考★

以下は、初日21日のAプロを御覧になった、
お師匠さまの感想です。

〈第1部〉

●「白鳥の湖」第2幕より(イワノフ)
スミルノワ、マラーホフ、東京バレエ団

やっとスミルノワさんを観られる! しかもクラシック演目。
ロシアのダンサーらしい、
クラシックチュチュの似合う見事なプロポーション、
若くて初々しいというよりも、
中堅かと思われる確かな技術と安定感。
テクニックを並べただけの味気なさはなく、
緩急もある踊りには余裕さえ感じられる。
ワガノワ育ちなのに、
踊りは時々ボリショイだなぁと思わせるところがある。

顔立ちのせいかメイクのためか、女っぽく色っぽいオデットで、
あまり叙情性はなく高貴な感じでもない。
真っ赤な口紅のせいかな?
薄暗い湖畔の場面だからと、濃くしたのが裏目にでた感じ。

普通の生身の女性タイプのオデットなので、
私好みのタイプではないのだけど、
確かに期待の大型新人と言われたのは分かる。
オディールの方が似合いそう。

マラーホフさんには、
身長バランスからしても、ちょっとリフトが辛そう。
そして、叙情的ではないので、
あまりパートナーとしては相性が良くないかも。
物語を紡いでいる感じがしなくて、
マラーホフさんの描き出すドラマと、
スミルノワさんの踊りを観たという印象が残る。
二人とも別のパートナーと踊った方が、
お互いを活かせた気がするな。

東バの群舞も足音静かで、がんばってた。
大きな3羽の白鳥くらいになると余裕があるけど
(矢島さん、川島さん、かな?)、
アップテンポになると腕がシャキシャキしてしまって、
叙情性がなくなる白鳥も。スローテンポだと綺麗なのに惜しいな。

●「トゥー・タイムス・トゥー」(マリファント)
ラカッラ、ディノ

『Two』はギエム姐さんでしか観ていないので、
その固定イメージなんだけど、
オリジナルはマリファントさんの奥様に振付た作品なのだとか。
ギエムさんが踊るにあたって改訂したとのことで、
今回の『Two』はどちらに近いのかな?

小さく四角に照らされた灯りの中で、ラカッラさんが動き出す。
ギエム姐さんの時は緊迫感といい気迫といい、
まるで武道の演舞を観ているような気分になったものだけど
(もちろん相当な強者の)
ラカッラさんだとそういうイメージは微塵もないね。
ただ、腕の関節がいくつあるの? という、
ヒトを超えた動き。ヒトとは思えない。

同じような大きさの四角い照明の中にはディノさん。
こちらはヒトの動きだった。
誤解のないように言うと、ディノさんも良いダンサーだよ。

同じような振付を踊っても、二人別々の振付を踊っても、
明らかに「女」と「男」という、良い意味での違いがある。
その極端なまでの対比が、二人で『Two』を踊る妙味なのかなと思った。
結局、二人の踊っていた照明で四角く区切られたスペースは、
大きさも変わらず一体化することもなかったと思う。
(ちょっと記憶がアヤシイ)
二人で踊ってもサポートするなどの「組む」ことがなくても
(ここもアヤシイ。「組むことが少なくても」かもしれない)
二人で踊った面白さがあった。

安易な焼き直しではない、『Two』という作品のバリエーションを楽しんだ。
音楽(アンディ・カウトン)が好きというのも大きいかな。

離れて踊っていたので気にならなかったけど、
カーテンコールで並んだ二人の身長差、体格差に驚いた。
ラカッラさんの身長が、ディノさんの肩くらいまでしかない。
しかもラカッラさんが華奢なので、
まるで大人と子供が並んでいるみたいな体格差。
あの脚の長いラカッラさんのウエスト辺りまでの脚を持つ、
ディノさんの身長って!?
ディノさんは肩幅の広い逆三角形のソフトマッチョな体格に、
甘い顔立ち。体型的にはウヴァーロフさんタイプかな?

●「ギルティー」(エドワード・クルグ)
ラドメイカー

良いダンサーだなぁと、つくづく思うのだけど、
作品そのものにはそれほど新鮮味は感じなかった。
襟元の空きの狭いゆったりとしたスウェットスーツ風衣装にも見覚えがなく、音楽にも覚えがない初見作品のはずなのに、
どこかで観たような覚えのある振付が並ぶ。
ゆったりとした音楽なのに動きは忙しなく、そこは見覚えがないけど。

美しい流れるような動きができるダンサーなのだから、
音楽に合う振付で観たいなぁと思った。
もちろん、忙しない振付を大雑把な踊りで見せられる苦痛を考えると、
これで良いのかもしれないけど…。

●「ラ・ペリ」(マラーホフ版)
吉岡美佳、マラーホフ

エジプト王子アクメと妖精の女王ペリの愛の物語を、
幻想的に描いたロマンティック・バレエの傑作を、
まったく新たな演出振付で甦らせたもの。

吉岡さんの叙情性が見事にハマり、
マラーホフさんとの相性の良さを改めて感じた。
この二人のジゼル、もう一度観たかったなぁ。

10月の東バのジゼルは見送るつもりだったけど、
吉岡さんの透明感溢れるパフォーマンスを観て、
行きたくなってきた。(←カモがネギと鍋を背負ってるよ!)

マラーホフさんの胴回りとは対称的に、吉岡さんの腹筋が見事だった。

●「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ(プティパ)
サレンコ、タマズラカル

素晴らしい!!

サレンコさんの優雅で柔らかい踊りと安定した技術を堪能。
ギリシャ娘というよりは、
どこかの姫君が拐われたというくらいの気品。
是非手に入れたいと思う富豪の気持ちがわかるよ。

タマズラカルさんは、随分痩せた?
顔立ちもシャープになり、細身になった分、
身長も高くなったように見えた。
驚いたのは、踊りも変わったこと。
風貌も踊りも、どちらかというとイワンくん寄りの男っぽくキレのある、
エネルギッシュなタイプだったと思うのだけど、
優雅で美しい踊りになっていた。

衣装も白系で、エレガントな踊りのため、
ランケデムの粗暴さ(良い意味で)が全くなく、
とても奴隷商人には見えない。
どこかの国の幼いやんちゃな第5王子が、こっそりお城を脱け出して、
各地を回る商人の馬車か荷物にもぐり込み、
眠っていたところを発見された時には、もう国境。
王子の顔なんて知らないし、明るく人懐っこいから、
そのまま子供の居ない商人夫婦に育てられた。
天真爛漫な明るさで、
美味しいフルーツを売るように奴隷を売ってしまう。
踊ると生まれの良さが出てしまう、という感じ。

ただし回転が弱いのか、たまたま調子が悪かったのか、
2回とも軸が斜めになっていた。
(サレンコさんはビクともしない)
また二人とも見事なまでに足音がしない。
ランケデムなど大きな跳躍が多いのに、柔らかく着地する。


〈第2部〉

「シンデレラ」(マラーホフ版)
サレンコ、マラーホフ

サレンコさんのシンデレラがキラキラしていて、
とても良いPDDだった。

途中、2回目のリフトが失敗。上げきれずに抱き抱えるというか、
抱き止めて下ろすかたちになってしまった。
だけどマラーホフ版のシンデレラだと、
スターダンサーに認められて踊るバレリーナという設定だから、
優しく抱き止めアイコンタクトしながら丁寧に下ろし、
そのまま甘い雰囲気を保ちながら踊り続けることで、
お互いの距離が近くなる演出にも見えてくる。

あわてふためくことなく、
アダージオの甘さを保つことが必要不可欠。
ベテランならではの効果的な対処方法だなぁと思った。
でも、マラーホフさんの明らかなサポートミスを見たのは、
もしかして初めてかも?

●「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」(マーネン)
アイシュヴァルト、ラドメイカー

二人ともユニタードの衣装で、
恵まれた容姿と鍛えられた身体が栄える。
第1部の衣装では分からなかったけど、
ラドメイカーさんの上半身の逞しさが際立ち、
撫で付けた髪が男っぽさを増している。
アイシュヴァルトさんの華奢な身体と柔かさが対称的で、
小さく身体を縮めて抱き抱えられる振付がハマる。

容姿もさることながら、踊りは更に見事で美しく、
いつまでも見ていたいパフォーマンスだった。

●「レ・ブルジョワ」(コーウェンベルク)
タマズラカル

シムキン親子と、ヴァランキエヴィッチさんでしか観たことないけど、
また違うタイプで面白い。
表現力も必要だけど、超絶技巧も不可欠で、
難易度の高い演目だと改めて感じた。
そんなことを感じさせないくらい、軽やかに踊ってるけど。
そう言えば、メガネをかけていなかったような気がする。
後半の酔っぱらった感じとやさぐれ感、
それでも明るさも感じさせる演技が見事。

●「椿姫」より第3幕のPDD(ノイマイヤー版)
ラカッラ、ディノ

ラカッラさんを、プティやコンテンポラリー以外で観るのは珍しい。

華奢な身体と黒いドレスに黒髪という容姿が、
病におかされたマルグリットの設定に合い、儚さを感じさせる。
ディノさんの甘い顔立ちと若さもアルマンに似合ってる。

リフトの多い振付は、二人の体格差もあり安定したものだった。
だけど、何故か響いてこない。二人の力量差かな。
ディノさんの表現力が弱い。踊りこみが足りないのかも。

●「白鳥の湖」より"黒鳥のPDD(プティパ)
スミルノワ、チュージン

スミルノワさんはオディールの方が良かった。
口紅の色も控え目で表情も豊か、華やかさと可愛らしさ、
そして品もある魅力的なオディール。
悪意はあまり感じなくて、
オデットの真似をしてジークの気持ちが自分に向くと、
嬉しいという表情をする。
大きく伸びやかな踊り、勢いよく脚を上げるのだけど、
意外と大雑把な印象にならないのは、爪先の処理としなりのせいかな。
フェッテもシングルながら軸がぶれずに安定してると思っていたら、
途中で急にテンポがゆっくり目になってズルッと横滑りし、
ポワントが落ちてしまった。
その後直ぐに立て直して続けた精神力はさすが。

カーテンコールでも笑顔を見せていたけれど、
気落ちした感じも伝わってきた。
ミスはあっても、良いパフォーマンスを見せてくれたから、
本人も悔しいんだろうな。

チュージンくんは優雅に品よく踊っていたし、
ソロは軽やかで浮かれたジークの気持ちが出ていたけれど、
押し出しが弱めで、オディールに持っていかれた感じ。印象が薄い。

●「瀕死の白鳥」(キャンディア版)
ウラジーミル・マラーホフ

白い短パン衣装。
胴回り腰回りは、『ラ・ペリ』の衣装を着ているよりスッキリ見える。
美しい身体のラインの時に踊ってくれたらさぞかし、とは思うものの、
繊細な動きの美しさは健在で、情感溢れるパフォーマンスだった。

フィナーレはシンプルに。
マラーホフさんの愛情がたっぷり観客に贈られた、良い公演だった。
ピアノ(菊池洋子、「ギルティー」と「椿姫」)も良かったな。

5 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年05月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031